眠り姫
声:つぐみ/西島秀俊/山本浩司 原作:山本直樹 音楽:侘美秀俊いくら寝ても、寝たりない ──。
人が姿を見せない。からっぽの風景に、濃密な人の気配と声だけがさざめく映画。
記憶の奥深くまで語りかけてくる、この奇妙な世界に入り込むと、
いつしか人の孤独な心だけが見えてくる。
10月23日(土)~11月5日(金)まで、
UPLINX Xにて連日20:50より2週間限定上映
初日(23日・土)鈴木了二(建築家)×七里圭監督トークショー決定!
『闇の中の眠り姫』
2010年10/2(土)19時30 開演!*17時30より『眠り姫』通常上映もあります。
映画から、いっさいの光を取り去ったら、いったい何が現れるのだろう?
『眠り姫』の本編サウンドトラックを、ライブ用PAシステムを駆使した圧倒的な音響で、
深い暗闇を見つめながら、ひたすら浴び続ける、至極の80分!
これは、視覚を超えた映画体験! 監督の熱望により、一夜限りの過激な上演!!
〈タイムテーブル〉
17:30 - 18:50 ● 『眠り姫』 (80分) 通常上映(*通常料金)
19:30 - 20:50 ■ 「闇の中の眠り姫」 (80分)
*完全な暗闇の中で、映画『眠り姫』のサウンドを圧倒的な音響で体感!
*場内は(本当に)暗闇のため、開演後の途中入場はできません!
*必ず開演時刻前にお越しください!
21:00 - ■ アフタートーク : 黒田育世(ダンサー)×佐々木敦(批評家)×七里圭(監督)
★クラムボンPV「ASPEN」未公開ver.(監督:七里圭 出演:黒田育世)特別上映あり!!!
〈料金〉
■ 「闇の中の眠り姫」 当日のみ 1,000円(* ■アフタートークまでお楽しみいただけます。)
● 『眠り姫』*17時30からの通常上映のみの方は、通常料金(一般1,500円 / 学生・シニア1,000円)
※ 『眠り姫』*17時30からの通常上映と「闇の中の眠り姫」 両方ご覧になる方は、お得なセット料金=2,000円!
アンコール上映、遂に4年目!
スクリーンでしか見えてこない、何かがある。
どうも、何かが変なのです。
中学校の非常勤講師をしている青地(つぐみ)は、このごろ学校へ行くのがおっくうで、いくら寝ても寝不足の感じが抜けない。同僚教師の野口(西島秀俊)は、自分の顔のことは棚に上げ、青地の顔がだんだん膨らんでいると笑う。長くつきあい過ぎた彼氏(山本浩司)との会話は上滑りし、好きだという気持ちもすでにおぼろになっている。繰り返し見続けるのは、記憶とも妄想ともつかぬ、奇妙な夢。どうも、何かが変だ。
わたしだってひとりになりたいときがある。誰にも会いたくないことがある。
誰かに会うのがわずらわしい。誰とも話しがしたくない。そんな、誰にでもある、どうしようもない気持ち。毎日、同じ日常の繰り返し。家と職場の往復。何の変化もない毎日は続いていく。そんなひとりの女性が抱える、ぼんやりとした不安。言葉にできない心の中の景色を『眠り姫』は差し出す。
独りの若い女性の心にわく、奇妙なズレと違和。その繊細で、大胆な映像化。
『眠り姫』に写し出されるのは、ありふれた日常の、ありえない光景。人間が、ほとんど姿を見せないのだ。登場人物の濃密な気配はするが、声だけが響く。恐ろしいほど美しい心象風景が、人を写す以上に人の孤独を、情感を浮き彫りにする。冬の淡くうつろう光を狙い、足掛け二年の歳月をかけて生み出された、奇蹟のような映像詩。監督は『のんきな姉さん』『ホッテントットエプロン─スケッチ』の異才・七里圭。原作は孤高の漫画家・山本直樹の同名漫画「眠り姫」。そして、その原典は芥川龍之介の死をモチーフにした内田百閒の短編小説「山高帽子」。日常と幻想、現実と夢の境界線が消えていく… そこに“ぼんやりとした不安”を感じる時、我々はいまだかつて観たことのない、まったく新しい映画体験をする。
10月23日(土)~11月5日(金)まで、
UPLINX Xにて連日20:50より2週間限定上映
- これを見る我々は、自分がいまここにいるということに確信が持てなくなってくる。この映画を通して、我々は自分の死にほんの少し近づくと言ってもいいかもしれない。 ――柴田元幸(東京大学教授、翻訳家)
- なぜ眠る女が魅力的なのか映像を通じて教えられたように感じる。その女はよく眠る。眠る女が発するのは夢がはらむ心地よいめまいだ。だから人をひきつける。うまくつかめないもどかしさが、だからこそ、魅力になる。 ――宮沢章夫(劇作家、演出家、作家)
- 息をのむような映像が連なっている。 一見、重要なものは何も映っていないかに見えて、実は全部が重要かもしれない。ある種のでたらめさ、詰め込んだ感じが見ていてワクワクし、気配が複雑な感情を呼び覚ます… ゴダールに似ている。 ――黒沢清(映画監督)
- 様々な常識を飛び越え、時間の感覚さえ奪われてしまう映画。それでいてリアルであるという矛盾。とてもリアルな夢がそうであるように、いつか映画として観たということを忘れ、自分が体験したことのように思い込んでしまう日が来るんじゃないかと、自分のことが少し怖くなる。 ――束芋(現代美術アーティスト)
- 膨らんでゆく青地の顔が、伸びてゆく野口の顔が、イメージできないのに忘れられないものになる。「眠り姫」の映像は、ひとと映画が関係するさいに、欠如こそが本質的な要件であることをあらためて思い出させてくれる。 ――斎藤環(精神科医)
監督 脚本 撮影/七里 圭
原作/山本直樹 企画/越川道夫 プロデューサー/棚沢 努 平林 勉
撮影/高橋哲也 録音/小林徹哉 音響効果/岡瀬晶彦 整音/横田智昭 仕上/三本木久城
制作/平林 勉 音楽/侘美秀俊 演奏/カッセ・レゾナント 宣伝/原田徹(スリーピン)
宣伝協力/山本ゆい スチール/宮沢 豪 宣伝デザイン/渡辺 純
機材協力/パナソニックDVワークショップスタジオDU 製作・配給/charm point
2007年/日本/デジタル作品/80分/スタンダード/ステレオ (C)2007 charm point
www.nemurihime.info
10月23日(土)~11月5日(金)まで、
UPLINX Xにて連日20:50より2週間限定上映
初日(23日・土)鈴木了二(建築家)×七里圭監督トークショー決定!
- 監督:七里圭
- 出演:小橋めぐみ, 保阪尚希, 高橋一生, 中村麻美, 矢沢心
- 発売日: 2008-02-22
- おすすめ度:
- Amazon で詳細を見る
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