『メモリーズ・コーナー』
初日舞台挨拶レポート
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2013年2月23日(土)よりシネマート六本木、
シネマート心斎橋他、全国順次公開
映画『メモリーズ・コーナー』の初日舞台あいさつが行われ、フランス人のオドレイ・フーシェ監督と、出演者の西島秀俊さん、阿部寛さんが登壇した。
本作は阪神淡路大震災後の神戸と淡路島を舞台に、震災後の社会に影を落とす"愛する者を失う虚無感”と”孤独死”をテーマに描いた人間ドラマ。
阿部寛
オドレイ・フーシェ監督
西島秀俊英語での演技に挑戦している阿部さんは「撮影前一ヶ月、撮影に入ってからも一日三時間ぐらい。受験生みたいにやっていました」と苦笑い。海外の映画の出演に興味は?と聞かれると、西島さんは「外国語で演技をすることは僕にとっても刺激的なこと。日本語だったら無意識にやっていることも、ひとつひとつ単語の意味を考えて『この時こんな気持ちだからここを強調しなきゃ』というように構築していく感じが面白いんですよね。そのことは日本語で演技する時にも必ずプラスになるし、今後も機会があれば海外の作品に参加させてもらいたい」と意欲を見せた。
人気俳優二人の起用についてフーシェ監督は「阿部さんは是枝監督の「歩いても 歩いても」の役を見て、今回の石田という役のイメージにしっくりくると思いました。西島さんは北野監督の『Dolls』でも拝見していたのですが、黒沢清監督から日本の俳優を起用するならぜひ西島さんを、と奨めていただきました」と語った。
また監督が「阿部さんには日常を生きているような男性を演じてほしかった。西島さんは外国語で演じると言うことで難しいと思ったのですが、日本語で演じるかのようにフランス語で演じてほしかった。あとはあまりいじわるにならないようにと」と事前のアドバイスを振り返ると、西島さんは「何度か『その態度はあり得ない』と言われました。そんなにだったかな……」とカルチャーショックのエピソードを明かした。
観客へのメッセージとして「僕は出演者なんですけど、国も年齢も性別も違う二人が悲しみを共有して再生していくシーンにすごく感動しました。監督自身のピュアな気持ちと役がすごく重なって見えて、観客として震えるものがあったんです。だからこの映画を観て何か感じるものがあれば、一緒に観に来た方や家族と話していただけたら」と西島さん。阿部さんはフランス語風の発音で観客を笑わせながらも「監督は情熱を持ってこの作品を撮られました。僕は大切な人を失った石田と言う役を演じ、人の思いには国境を越えて伝わるものがあるのだなと思いました。皆さんもなにか感じるものがあれば」と熱く語った。
フーシェ監督は「自然現象に置ける災害に遭われて心傷ついた日本人の皆さんが、この映画をとおして勇気づけられるような、そんな作品であることを祈っています」と挨拶。拍手に包まれて会場を後にした。
(執筆者:辻岡朔実 協力:わたなべりんたろう 場所:シネマート新宿)
監督・脚本:オドレイ・フーシェ
撮影:ニコラス・ゴラン 美術:アンドレ・フォンスニィ 音楽:ザ・べナール・レイクス
編集:ニコラス・ドメゾン 、マキシム・クロード・レキュヤ―
出演:デボラ・フランソワ、西島秀俊、阿部寛、フランソワ・パピニュ、國村隼、塩見三省、倍賞美津子
配給:ディンゴ 配給協力:アンプラグド
©NOODLES PRODUCTION, FILM ZINGARO 2 INC., FRANCE 3 CINEMA, 2011
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2013年2月23日(土)よりシネマート六本木、
シネマート心斎橋他、全国順次公開
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