「NO ONE LIVESノー・ワン・リヴズ」/北村龍平監督

北村 龍平 (監督)
映画「NO ONE LIVESノー・ワン・リヴズ」について

公式

2013年4月27日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開

北村龍平監督は機会があればインタビューしたいと思っていた方だ。同世代であり、作品から観てきた作品がスプラッターなど同じであることがよく分かり基本的に共感してきたからだ。ハリウッドでの監督第2作「ノー・ワン・リヴズ」でインタビューする機会に初めてめぐまれたが、そのことはよく分かった。(取材:わたなべりんたろう)

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――北村さんはこういう監督たちと近い資質だと思うのでこういうものを持って来ました。(「ジェームズ・キャメロンの映像力学」(ビクターブックス)、ブルーレイ「マッドマックス2」「バットマン・ビギンズ」を机に出す)

北村 ああ、確かに。「ジェームズ・キャメロンの映像力学」は死ぬほど読み直しましたね。今となっては恐れおおいですけど。懐かしいな。

――「ノー・ワン・リヴズ」で主人公のドライバーが気の効いた台詞を言います。「時には最低から最高が生まれる」「時間を戻せるのか。戻せないだろう」「逆境のときほど身の程を知る」とか吊るしたヤツに説教したりする台詞もそうなんですけど、北村さんのそのときの状況に合わせているというか映し出しているのかとも思いました。そこを見せたいのでもあるのかなと。

「君と歩く世界」場面2北村 それはそうですね。元からあったセリフもあるし、ぼくが書いた台詞もあるんだけど、この台詞のはまり具合が「ノー・ワン・リヴズ」は面白かったんです。

――逆境でも映画を撮り続ける北村さんの生き様とか、次々と相手を倒していくさまとかが重なるなと。

北村 そういうのが映画を撮るうえで大事なモチベーションなんですよ。どこかに自分と重なる部分がないと映画は撮れない。監督っていうのはスタッフや監督やっているならご存知でしょうけど決して楽じゃないですからね。

――楽じゃないし、3年や5年を1本の作品と付き合っていきますからね。

北村 そう、自分の人生の3年を使うなら自分と重ね合うところがどこかにないとできない。監督は監督する以外で闘わなければならない部分がとてもたくさんあって、そこで文句を言っても始まらない。一つ一つつぶして前に進むしかない。映画会社がどう、プロデューサーがどう、俳優がどうとか言い訳するのはぼくは大嫌いですから。どんな過酷な状況でもイヤならやるなよ、バカ野郎と思っていますし生きてきましたから。

――同感です。

北村 ミッドナイト・ミート・トレイン」はブラッドリー・クーパーがやった主人公のキャラクターがまさに「VERSUS」のぼくだったんです。売れないカメラマンが世に出たいのに誰にも相手にされない、彼女と親友だけが認めてくれているってまさに「VERSUS」のぼくだったんで撮ることにしたんです。このキャラクターだったら自分だよと。

――自分の中でつかんでやっていたと。

北村 そうですね。「ノー・ワン・リヴズ」のドライバーも狂っているけど自分と重ねられる部分があったから監督を引き受けたしできたと。

――「ノー・ワン・リヴズ」は製作会社がPatheとWWEという珍しい組み合わせですよね。

北村 もともとPatheでプロデューサーのハリー(・ナップ)がやっていた企画に資金協力でWWEが入ってきた流れですね。

――ヨーロッパの文芸作品の多いPatheとプロレス団体で「シー・ノー・イーヴル」などのホラーを作っているWWEの組み合わせはそうだったんですね。

北村 Patheは「ピアノ・レッスン」とかの製作会社ですからね。「シー・ノー・イーヴル」はマシなほうだけど酷いホラーをWWEはたくさん作っていて「もう少しマシな作品を作れ」とマクマホンが怒って担当をクビにしてミラマックスから連れてきたのが今のWWEの映画担当ですね。

北村龍平監督2――「ノー・ワン・リヴズ」で狙っていた線はあるんでしょうか?

北村 「ノー・ワン・リヴズ」はコンセプトとしてアクションとホラー色がもっと強い「ヒッチャー」を目指したのはあります。

――理不尽に追い回すのは「面会時間」も想起しました。

北村 「面会時間」!最高の映画の1つですね。あのマイケル・アイアンサイドは最高。

――こちらも大好きな作品でいつかリメイクしたいと思っているぐらいです。

北村 「面会時間」のリメイクいいね。企画が動いたら教えてください(笑)。

――はい。最後ですが先ほどのレイティングやアメリカ映画特有の「ペース」の問題など日本でもアメリカでも闘ってきていますが今後もでしょうか。

北村 闘い続ける人生だからしょうがないなと。これからも闘い続けますよ。

――楽しみにしています。

北村 楽しみに待っていてください。

ポスターを入れた撮影中に北村監督に最近観てオススメの映画を聞いたら「インポッシブル」とのことで「あれを二作目で撮るとは凄い」とのことで、こちらも同感なので納得でした。

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( インタビュー:わたなべりんたろう )

NO ONE LIVESノー・ワン・リヴズ
監督:北村龍平『ゴジラFINAL WARS』『スカイハイ劇場版』『 あずみ劇場版』『 あずみALIVE』『VERSUS -ヴァーサス -』
脚本:デヴィッド・コーエン『新・13日の金曜日』『HUNT/ハント』
撮影:ダニエル・バー『悪魔のいけにえ』
出演:ルーク・エヴァンス,アデレイド・クレメンス,リー・ターゲセン,ローラ・ラムゼイ,デレク・マジャール,
アメリカ・オリーヴォ,ボー・ナップ,ブローダス・クレイ
2012年/アメリカ/カラー/英語/シネスコ/ドルビーデジタル/87分/R-18
原題:NO ONE LIVES 配給・宣伝:ファインフィルムズ
©Pathe Productions Limited and WWE Studios, Inc. All Rights Reserved.
公式

2013年4月27日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか公開

ジェームズ・キャメロンの映像力学 (ビクターブックス) [単行本]
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  • 監督:ロバート・ハーモン
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2013/04/24/23:10 | トラックバック (0)
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