映画祭情報&レポート

ちば映画祭VOL.6

http://chibaeigasai.com/

2014年1月17日(土)~19日(日)まで、千葉市民会館にて開催

活躍中の若手映画監督の作品をメインにした映画祭『ちば映画祭』が今年も開催される。今回は上映数が昨年の12作品から15作品に増えたほか、9プログラム中6プログラムで監督が来場するなど、多様な映画の面白さを知る機会としても貴重な場が設けられている。
今回のイチオシは、彗星のように現れた新世代ファンタジスタ山戸結希監督特集だ。“真実の少女映画をあなたに”と題して『あの娘が海辺で踊ってる(完全版)』から『おとぎ話みたい』までの4作品を上映する。ほかにも 西尾孔志、真利子哲也、嶺豪一、田崎恵美と国内のみならず海外でも評価されている若手監督の作品を一挙上映。さらに、アイドルとゆるキャラのコラボレーション『あすなろ参上!』(全6話一挙特別上映)や、第8回大阪アジアン映画祭でABC 賞と来るべき才能賞に輝いた『ポーとミーのチャチャ』の関東圏初上映、そして鈴木則文監督『パンツの穴』も上映される。
なお、開催前日の1月18日(土) には入場無料の前夜祭が開かれ、原田裕司監督『壁女』や千葉県内の大学映画サークルなどの作品上映、アイドルユニット・hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)のライブが実施される。また、期間中には千葉市で撮影したロケのパネル展、オリジナルグッズやカフェによるフード販売が行われるので、本映画祭を通して千葉の魅力に触れてみてはいかがだろうか。

プログラム

1月17日(金)前夜祭 入場無料 開場18:15 開演18:30 終演21:20
原田裕司監督『壁女』、千葉商科大学しねま研究部ほか作品上映
hy4_4yh(アイドルグループ)ライブ

1月18日(土) 全5プログラム
◆『ソウル・フラワー・トレイン』(97分) 開場10:50 開演11:00 終演12:40
山戸結希監督特集①(合計約85分) 監督来場 開場13:10 開演13:20 終演15:10
『あの娘が海辺で踊ってる(完全版)』『Her Res』『映画バンもん!』
山戸結希監督特集②(51分) 監督来場 開場15:20 開演15:30 終演16:55
『おとぎ話みたい』
上智大学在学中に映画研究会を立ち上げ、2012年、独学で撮影した処女作『あの娘が海辺で踊ってる』が第24回東京学生映画祭審査員特別賞を受賞し、自主上映が異例の大ヒットを記録。雑誌「FRIDAY」の“今年来る顔16人”に選出される、最も注目すべき若手映画監督のひとり。最新作『5つ数えれば君の夢』が2014年公開予定。 繊細かつ怒涛の感情表現が切実に迫り来る。心を鷲掴みにする。時に想いは時間や空間をも越え、飛翔する。その輝く結晶の4作品(2プログラム)、千葉に舞い降りる。

真利子哲也監督作品集(合計約100分) 監督来場 開場17:10 開演17:20 終演19:30
『NINIFUNI』『FUN FAIR』『宿木』
◆『パンツの穴』(113分) 開場19:40 開演19:50 終演21:45
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭にてグランプリを受賞した『極東のマンション』『マリコ三十騎』など短篇5作品を、ちば映画祭VOL.4にて特集上映し大好評を得た、真利子哲也監督の3作品を上映。

1月19日(日) 全4プログラム
◆『故郷の詩』(71分)監督来場 開場10:50 開演11:00 終演12:45
◆『あすなろ参上! 』(82分) 監督来場及びイベント 開場13:20 開演13:30 終演15:40
田崎恵美監督作品集 (合計約85分) 監督来場 開場16:00 開演16:10 終演18:05
『海にしずめる』『ふたつのウーテル』『アンナと二階の部屋』


◆『ポーとミーのチャチャ』(101分) 開場18:20 開演18:30 終演20:10
お茶の水女子大学に在学中の2007年に早稲田大学映画研究会に入り、自主映画を監督するようになる。待望の最新作『海にしずめる』ほか、カンヌ国際映画祭短編コンペティション部門にて上映された『ふたつのウーテル』など珠玉の短篇を上映。
上映タイトル一覧

1月18日(土)上映

『ソウル・フラワー・トレイン』( 2013年/日本/97分/千葉県初上映 )
監督:西尾孔志 脚本:上原三由樹、西尾孔志 出演:平田満、真凛、咲世子、大和田健介、大谷澪、楠見薫、和田めぐみ、入矢麻衣、浅野彰一、駿河太郎

『ソウル・フラワー・トレイン』© 2013ALEWO お父さん、本当の私を認めてください――
定年退職をした父・天本は、大学へ通う娘ユキに会いに1人大阪へ行く。道中、ユキと同じ年頃の女性・立花あかねと出会い、初対面の彼女に大阪案内をしてもらうことになる。そして娘を訪ねる旅は、“初めて見る”“知らない”街や人びとをめぐる旅となる。
娘を訪ねる旅の行方は?素朴な父親と娘の古き良きホームドラマが、“初めて見る”“知らない”一面からめくるめく動き出す、なんという魅力!

『あの娘が海辺で踊ってる(完全版)』( 2012年/日本/50分/千葉県初上映 )
監督/脚本:山戸結希 出演:加藤智子、上埜すみれ、若月悠、福本一馬

第24回東京学生映画祭 審査員特別賞 ひと夏の成熟。~感情を揺さぶる渾身の処女作~
熱海に住む女子高生2人、男子高生2人の夏のストーリー。AKBに憧れる自意識過剰な美少女舞子は海辺の田舎町で浮いている。日本舞踊が趣味の「ホトケの菅原」だけが唯一の友達であり、強烈な依存関係に陥っている。そんな中、三味線部の笹谷、古野との出会いは契機となる。その音色が響いた時、彼女達が迎えるひと夏の成熟を描く――。
思春期の少女の複雑な心情をダイナミズム溢れる撮影と音楽で紡ぎ出す。暴力的なキャメラは主人公の心象風景そのものへと一体化し、遂には空や海までもが呼応し始め、映画の少女に加担する。

『Her Res~出会いをめぐる三分間の試問3本立て~( 2012年/日本/12分/千葉県初上映 )
監督/脚本:山戸結希 出演:飯島みなみ、上埜すみれ、今村貴子、由比絵理子、加々美文康

試問形式で問いかける、運命の人との正しい出会い方
凄まじい情報量が応酬する各3分×3つの物語と、クライマックスで爆発する終問歌の奇跡。かつての8mm映画のごとく危うさに満ちた画面をハイスピードに潜り抜け、デジタル時代の懐かしい少女に新しく出会う、言葉にならないポップで異様な映画体験。

『映画バンもん!~あなたの瞬きはパヒパヒの彼方へ~( 2012年/日本/20分/千葉県初上映 )
監督/脚本:山戸結希 出演:バンドじゃないもん!、稲葉友

実験性と娯楽性、少女のおかしみときらめきが激しく儚く交差する
ある日突然、美少女戦士バンドじゃないもん!になってしまったごく普通の13歳の少女の戦いと葛藤の日々。過去2作から引用されたモチーフが、撮影の猪本雅三(『M/OTHER』など)によって光に彩られ、音楽・編集と加速的に共謀し、エモーショナルに狂い咲く。

『おとぎ話みたい』( 2013年/日本/51分/千葉県初上映 )
監督/脚本:山戸結希 出演:趣里、岡部尚、おとぎ話、小林郁香、椎名琴音、前田多美、井土紀州

MOOSIC LAB2013グランプリ&最優秀女優賞&ベストミュージシャン賞
どのように愛すべきか?どのように夢見るべきか?そして恒久の退路、愛か、夢かの別れ道。
全ての夢見る少女の決定版――

知らなかった、知る由もなかった!かつて少女は映画を撮らなかった。かつて少女は、ほんとうの映画を観ることはできなかったのです!私たちの自画像のような映画は無かった、私自身を鏡のようにスクリーンを見つめられたら、私の輪郭を物語の中に崇められたら、陥れられたなら。どれだけ幸せだったでしょうか、どれだけ救われたでしょうか?見たかった光、聞きたかった音楽、触りたかった、あの途方へ。愛と夢の渦中に生きているあなたよ。真実の少女映画、必ずあなたに届けます。『おとぎ話みたい』だって、いつでも笑ってばかりの君に。

『NINIFUNI』( 2011年/日本/42分/千葉県初上映 )
監督/脚本:真利子哲也 共同脚本:竹馬靖具 出演:宮﨑将、山中崇、ももいろクローバー、玉井英棋、宇野祥平、守屋文雄、松浦祐也 ※ももいろクローバーは2011年4月より「ももいろクローバーZ」に改称されていますが、本作では出演時の名称を使用しています。

『NINIFUNI』© ジャンゴフィルム、真利子哲也 第64回ロカルノ国際映画祭Fuori Concorso部門招待作品
第41回ロッテルダム国際映画祭 Spectrum Shorts部門招待

世界は僕に気づかない。別々の世界が交差するとき、そこに見えるものは?
殺風景な地方都市。だだっ広い国道を、轟音をたてて車が走り去って行く。1つの事件が起こる。事件に関与した青年は、奪った車で国道を彷徨いつづける。一方、同じ頃の同じ地をアイドルグループが撮影で訪れていた。
その青年、そのアイドルグループ、そしてその風景から映像の力を目の当たりにする衝撃作にて、傑作。まさに震撼。
『FUNFAIR』© 2012「同じ星の下、それぞれの夜」製作委員会

『FUN FAIR』( 2012年/日本/38分/千葉県初上映 )
監督/脚本:真利子哲也
出演:山本剛史、スン・ジェニー、アズマン・ハッサン

はじめてのおつかいは、ヤギと一緒!
華僑の少女・チェチェは、母に結婚指輪を届けるため、ペットのヤギと一緒に母の働くFUN FAIR(移動遊園地)に向かうが、道に迷ってしまう。彼女と日本人ビジネスマンとマレー系の自転車タクシーの運転手が出会い、言葉の通じない三人のFUN FAIRへの小さな旅がはじまる。
マレーシアを舞台に、3人のやりとりの面白さ、美しい映像、楽しい音楽など優しさの魅力が溢れる。そしてチェチェ役のジェニーちゃんの愛くるしさにノックアウト!
『宿木』© 仙台短篇映画祭2013

『宿木』( 2013年/日本/16分/千葉県初上映 )
監督:真利子哲也 脚本:守屋文雄
出演:佐々木雅仁、岸建太朗、和田詠介、和田健太郎、和田かおり

ホヤの神の怒り――
お父さんが電話で声を荒げて話していることで目を覚ましたユキオ(8歳)。お父さんはユキオを車に乗せ夜の仙台の街を猛スピードで走っていく。ユキオは昨晩ホヤを食べることが出来なかったことが原因で捨てられるのではないかと思う。

『パンツの穴』( 1984年/日本/113分 )
監督:鈴木則文 脚本:中本博通・茜ちゃん(松本廣) 出演:山本陽一、菊池桃子、田中浩二、矢野有美 ほか、岩本宗規、笠原潔、山中康仁、河合宏、豊原功補、服部真湖、清水章吾、小島三児、出光元

『パンツの穴』© ㈱ヒューマックスシネマ THIS IS 青春エンターテイメント!“クソまみれの純情”巨編
博多から東京八王子近辺の中学校へ、ムキンポのあだ名を持つ少年が転校してきた。友達と組んでイタズラしたり、憧れの美少女に思いを寄せたり、新しい生活にもすぐに慣れた。そんなある日、ムキンポは高校生の番長グループとトラブルを起こしてしまい、彼らと対決せざるをえない羽目になる……。
中高生向け月刊誌「BOMB!」の読者体験の投稿欄を原案に、鬼才・鈴木則文監督がパワフルに映画化した、ちょっとエッチな青春エンターテインメント。当時16歳の菊池桃子の映画デビュー作。

1月19日(日)上映作品

『故郷の詩』監督来場予定 ( 2012年/日本/71分/千葉県初上映 )
監督/脚本:嶺 豪一 出演:嶺豪一、飯田芳、林陽里、岡部桃佳、後藤ひかり、山本圭介、佐藤悠玄、中村祐太朗、広木健太、森岡龍

『故郷の詩』 第24回東京学生映画祭 グランプリ&観客賞
第34回ぴあフィルムフェスティバル 審査員特別賞

大学生活はむちゃくちゃだった!だから楽しく、そしてほろ苦い。
映画のスタントマンを夢見る大学生・大吉は、故郷に彼女を残し上京、寮で生活を送っている。同郷の映画監督志望の天志と一緒に作品を撮ろうとするが、ほとんどは酒やナンパに明け暮れる日々。
熊本出身の学生のための寮『有斐学舎』を舞台に、青春の焦燥や迷い、監督も生活していた寮への想いをエンターテイメントとして昇華させた広く楽しめる作品。くらえジャッカス魂!!

『あすなろ参上!』監督来場予定 ( 2013年/日本/82分/千葉県初上映 )
監督/脚本:真利子哲也
出演:ひめキュンフルーツ缶、山田裕二(UZ YARMAN)、玉井英棋、山本剛史、ナノキュン
『あすなろ参上!』© マッドマガジンレコード 徳間ジャパンコミュニケーションズ

愛媛のゆるキャラ(タルト人、しまぼう、バリィさん)全国区を夢見るご当地アイドルとゆるキャラが繰り広げる青春爆発ストーリー!
愛媛のアイドルグループ「アスナロA」は、プロデューサーの芳賀とともに精力的な活動をしている。地元のゆるキャラを助けようとしてライブに遅刻するなど、ゆるくて純情な彼女たち。一方、芳賀は東京からやってきた大手レコード会社の黒岩に、ゆるキャラとアイドルを組み合わせた新ユニットの結成を提案される。無理難題を強いられ解散の危機が迫るアスナロAだったが……。

『海にしずめる』( 2013年/日本/53分/千葉県初上映 )
監督:田崎恵美 脚本:横川僚平、田崎恵美 出演:遠藤新菜、三浦英、石橋征太郎、北村岳子、真柳美苗、小宮一葉、田村健太郎、宮部純子、カトウシンスケ、藤田健彦、藤田みか

『海にしずめる』 娘かもしれない少女の訪問 ―なかったことに出来ますか?―
過去に目を瞑り現在を生きる兄弟の元へ、ある日1人の少女がやって来る。自分の本当の父親を知りたいと言うその少女は、兄弟のかつての幼馴染みの女に瓜二つであった。互いに心当たりのある兄弟は、父親かもしれない自分に困惑する。
動かしようのない過去の“棘”が痛む。一方、それでも現在の営みは存在する。事実を前にした家族への眼差しの妙。その優しさの均衡や、軽やか且つ落ち着いた余韻は素晴らしく、好きだ。物語の後半部分を撮影した千葉県富津市のロケーションも印象に残る。

『ふたつのウーテル』( 2010年/日本/15分/千葉県初上映 )
監督/脚本:田崎恵美 出演:水口早香、澤田栄一

第64回カンヌ国際映画祭 短編コンペティション部門ノミネート
『ふたつのウーテル』第5回田辺弁慶映画祭 特別招待作品

はじめてつながる二つの命
明里は、母の遺品のトラックで、自分を捨てた父親に会うため町を後にする。一方、その父親の新しい家庭の長男である広太は、自分の立場と父親に嫌気がさしていた。異母兄弟のふたりが出会い、気まずい小旅行が始まった。二つの昼と夜を越えてつながりだす姉弟の絆を、抑えた演出と冷静に見つめる落ち着いたカメラワークとで描いた作品。
『アンナと二階の部屋』

『アンナと二階の部屋』( 2009年/日本/15分/千葉県初上映 )
監督/脚本:田崎恵美
出演:本多由佳、橋口勇輝、小山駿助、橋本沙瑛、千石麻里子

第32回ぴあフィルムフェスティバルエンタテインメント賞&企画賞/第3回TOHOシネマズ学生映画祭ショートフィルム部門グランプリ
「平成・借りぐらしのダメ女」ともいうべき奔放な女性――
恋人ありの男と付き合うこと以外、損得の判断でしか日々を生きていない女。そんな彼女を軽やかに泳がせる、生きた人間描写の弾む楽しさ!

『ポーとミーのチャチャ』( 2012年/台湾/中国語(字幕)/101分/関東圏初上映 )
監督:ヤン・イーチェン、ジム・ワン 脚本:ヤン・イーチェン
出演:ホアン・ペイジア、ポール・チャン、オウヤン・ルン、ジャン・シーイン、リー・チーチ

第14回台北映画祭 最優秀作品賞&最優秀脚本賞
第8回大阪アジアン映画祭 ABC賞&来るべき才能賞(ホアン・ペイジア)

『ポーとミーのチャチャ』台湾発!双子が織りなす青春ラブコメディ
双子のポーとミーは身長も体重も成績も同じで、誰も見分けがつかない。しかし初恋をきっかけにそれぞれのアイデンティティに悩むことになる……。
第8回大阪アジアン映画祭や第5回沖縄国際映画祭で上映された台湾映画を関東圏で初上映!(もしかして国内最後?)思春期の少女を、双子という設定をフルに活かし、明るく楽しく爽やかに描く。そしてその双子を二役で演じたホアン・ペイジアさんの可愛さと言ったら!!
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2014年1月17日(土)~19日(日)まで、千葉市民会館にて開催

2013/12/29/11:16 | トラックバック (0)
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