不二子 (女優) 映画『赤い玉、』について【6/6】
2015年9月12日(土)よりテアトル新宿他にて全国ロードショー
公式サイト 公式twitter (取材:深谷直子)
――「不二子」という芸名も独特ですが、誰かに付けていただいたんですか?
不二子 そういうんじゃないんです。本当は本名を使いたかったんですが、先輩の女優さんに同じ名前の方がいらしたので変えなきゃいけなかったんです。それでふてくされ気味に「不二子」って勢いで言ったらそれでOKが出てしまって「ウソー!?」って。引っ込みがつかなくなっちゃったんです(苦笑)。
――そういう感じだったんですか。何かいわくのあるお名前なのかなと思っていたんですけど(笑)。でもすごく目立っていいですね。
不二子 まあそうですね。クレジットがのぼってくるときにも目立つからいいなとは思うんですが、ネットで検索すると「峰不二子」ばかり出てくるので、ちょっとこれはどうかな?と思っているとこ(苦笑)。
――あははは、不二子ちゃんは強力ですよね(笑)。でも峰不二子から取ったというわけでもないんですか?
不二子 ……実はそうなんです。そのときに好きな人がルパン三世に似ていたんです。だから若気の至り(笑)。
――可愛い(笑)。出られる作品も性や愛を描くものが多いですが、不二子さんご自身もやっぱり恋愛体質というか恋愛至上主義というか、そういうことはありますか?
不二子 多分そうだと思います。だから結婚できないんです。
――(笑)。不二子さんが出演されてきている作品は、監督も名だたる方ばかりですし、自主作品ばかりというわけでもありませんが、やはり特殊な題材で挑んでいるなと感じさせるものが多いと思います。そういう作品は予算もあまりかけられないものだと思うんですが、やっぱり監督や俳優の情熱で面白くしようというのが感じられます。不二子さんにも進んでそういう映画に出たいという気持ちがあるんですか?
不二子 大作にも出たいですけど、声をかけてくれないので(笑)。
――いえいえ、私も低予算の映画を応援したいというのがあって。いろいろ規制などもあってお金をかけた一般の映画がつまらなくなっている気がします。不二子さんには高橋監督や奥田さんのような志のある方と一緒にいい映画を作っていっていただきたいなと思いますね。
不二子 そうですね、おばあちゃんになるまでやっていきたいです(笑)。実は3年ぐらいあんまり仕事をしていなくて、久しぶりに映画に出たんですが、若いころに脱いだ映像と今回とではやっぱり全然違って。でも35歳なりの身体というのもいいなと自分で思って。
――3年間仕事をしていなかったのには何か理由があったんですか?
不二子 女優をやめちゃおうかと思っていて。でもやっぱり休んでいると女優をやりたいという気持ちもまた湧いてきて、本当に今回お声をかけていただけてよかったなと思います。
――不二子さんの存在もあっていい映画になったと思うので、復帰されて本当によかったです。これからはどんな女優を目指していきたいですか?
不二子 ちゃんとその人物が見える女優さんになりたいですね。女優である前にひとりの人間としてしっかり生きて、自分の中の引き出しをいっぱい作って、それを出しながらやりたいなと思います。
――ますます素敵な女優さんになられていくのを楽しみにしています。では最後に、『赤い玉、』を女性にも観てほしいなと思うので、ぜひ女性からの目線でお客さんへのメッセージをお願いします。
不二子 観る方によって受け取り方が変わってくる映画だと思うんですよね。この世代の男性が観たらドーンとくる映画だと思うし、若い女性が観たらどう思うのかというのは私はちょっとよく分からないんですけど、そうですね……。「男性をオスにしてあげられるいい女になろう!」って言いたいです(笑)。
( 2015年8月25日 シネ・リーブル池袋で 取材:深谷直子 )