内藤 瑛亮 (監督)
映画『ドロメ【男子篇】』『ドロメ【女子篇】』について【3/6】
2016年3月26日(土)よりシネマート新宿にて2作品同時公開、以降全国順次
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――今回はみんなで実際に合宿のように寝泊まりをしながら撮影したそうですね。
内藤 そうですね、11日間。基本的に男子と女子のそれぞれのキャッキャ感を大事にしたかったので、俳優たちにもかしこまった感じではなくて、遊んでいるというノリでいてほしいと思いました。撮影期間中はこの『ドロメ』の世界に合宿して遊んでいると思ってほしいという感じでしたね。
――合宿自体が演出なんですね。
内藤 はい、今回は映画全体としてチャーミングな印象を与えたかったので、演技がカチッと決まっているというよりはある程度ゆるさがあったほうがチャーミングさが出るんじゃないかと思って、芝居をするときも演技の中に遊びをひとつアイテムとして入れました。寒いけどアイスを食べながら話すとか、ほうきを手のひらに立たせながら話すとか、遊びながらおしゃべりしてもらいました。あと、鼻歌を歌っているところとか、みんなで花火をやっているところなんかは、動線だけ何となく決めておいてあとは自由にやってもらう感じでした。
――セリフも生の会話っぽいものが結構ありましたね。
内藤 アドリブする余白を作っておいて、リハーサルでやって面白かったところを採用したり、撮影を準備しているときに俳優同士でワイワイ言っているのを拾って再構成してセリフにしていますね。例えばまずいカレーを食べるシーンの「普通、カレーにコンニャク入れる!?」「ほぼ水じゃん!」とかいうのは、準備しているときに俳優たちが言っていたんですよね。そのフレーズが面白かったから、芝居に取り入れました。完全にアドリブでやっているシーンもあって、焦げたホットケーキが切れないというシーンがそうですね。素材を与えて俳優たちに自由にやってもらって、ハプニングを期待して待ち、そこから監督としてよきところを調整していく感じですかね。あそこで小春がちょっと笑っちゃうんですけど、それはそれで可愛いからいいかな?と思って強引に入れてみたり(笑)。そういう演技のほころびみたいな部分を積極的に取り入れていきました。
――演劇部という設定にしたのはなぜですか?
内藤 合宿をするという設定にして、部活を何にしようかな?と考えたときに、僕は高校の演劇部の先生もやっているんですね。だから自分がよく分かるし、俳優さんにも何となく分かる世界観かなあと。『シラノ・ド・ベルジュラック』の劇を入れたのは、秘めた恋心の話なので、小春と颯太のドラマに繋げて活かせるなあと思って。で、最後にモンスターと戦うときも、舞台用の衣装を着ていれば戦闘服っぽくて「さあ戦うぞ!」というノリが出せるんじゃないかと考えました。
監督:内藤瑛亮『先生を流産させる会』『パズル』 脚本:内藤瑛亮、松久育紀『先生を流産させる会』
主演:小関裕太,森川葵
出演:中山龍也,三浦透子,大和田健介,遊馬萌弥,岡山天音,比嘉梨乃,菊池明明,長宗我部陽子,木下美咲,東根作寿英
製作:「ドロメ」製作委員会(日本出版販売,TCエンタテインメント,TBSサービス,是空,レスパスビジョン)
配給:日本出版販売 宣伝:太秦 ©2016「ドロメ」製作委員会
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