インタビュー
内藤瑛亮監督/『ドロメ【男子篇】』『ドロメ【女子篇】』

内藤 瑛亮 (監督)
映画『ドロメ【男子篇】』『ドロメ【女子篇】』について【1/6】

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2016年3月26日(土)よりシネマート新宿にて2作品同時公開、以降全国順次

男子高と女子高の演劇部員が山奥の学校で合宿を行う。異性との出会いに胸をときめかせ、厳しくも楽しい合宿生活を送る彼らのまわりで、不可解な現象が次々に起こっていく。どうやら泥まみれの観音像の伝説と関係あるらしいが……。ホラー界きっての問題児として活躍する内藤瑛亮監督の最新作『ドロメ』は、恋あり友情ありの王道青春ストーリーにモンスターを乱入させ、男女それぞれの視点からの2本立てでミステリアスに描く異色のホラー・コメディ。恐怖の演出に手加減はないが、小関裕太、森川葵らフレッシュな俳優陣によるオフビートな笑いとエモーショナルな成長物語に心の底からワクワクする、内藤ワールドの新境地だ。内藤監督に本作の成り立ちや演出術について、映画に込める想いまでをたっぷりと語っていただいた。 (取材:深谷直子)
内藤 瑛亮 1982年生まれ、愛知県出身。映画美学校のフィクションコース11期生修了。 短編デビュー作『牛乳王子』(08)が、国内外の映画祭で高く評価される。以後『先生を流産させる会』(12)、『パズル』(14)、『ライチ☆光クラブ』(16)などの話題作を連発。新たな才能として注目を集める気鋭の若手映画監督。
Story 海が見渡せる山の上にある男子高、泥打高校と山の麓にある女子高校、紫蘭高校は来年から共学になることが決定している。来年の統合を見据えて両校の演劇部は合同合宿を男子高校で行う事となった。颯太(小関裕太)たち男子校部員は女子部員との出会いに胸を膨らませ、女子校部員たちを待ち、小春(森川葵)たち女子校部員は男子部員との出会いに期待と不安を抱きながら男子校へと山道を向かう。道中、女子たちは崖の下で泥まみれになった観音像を見つける。男子校に辿りつき、いよいよ男女合同合宿が始まったのだが、恐ろしく、そして奇妙な出来事が次々に部員たちを襲っていく。そして、次第にそれは昔から山に言い伝えられている“ドロメ”の仕業であるという事が明らかになって行く…。果たして“ドロメ”の正体とは!?
内藤瑛亮監督 『ドロメ』――『ドロメ』は今までの内藤監督の残酷路線とは打って変わって、すごく明るいホラー・コメディになりました。男女それぞれの視点から描く「ダブルアングル・ホラー」というスタイルも独特ですが、まずは作品の成り立ちから教えてください。

内藤 「2本立てのホラーを撮ってほしい」という依頼があって、内容に関しては結構自由度が高かったんです。僕の好きなように作っていいと。で、最初は陰惨なホラーを考えていたんですけど、『先生を流産させる会』(11)からずっと、今進行中の企画も含めて少年少女の陰惨な物語が続いているので、同じような話を繰り返していると作り手として劣化していくんじゃないか?という危機感もあって。それを1回断ち切って明るい少年少女を撮ってもいいんじゃないかなと思って、こういうコメディ調のホラーになっていきました。

――2本立てを【男子篇】【女子篇】というダブルアングルでやることにしたのは?

内藤 2本立てというのは最初から条件としてあったんですけど、予算的には1本分撮るのもちょっと大変というぐらいの低予算だったんです。それで2本撮るにはどうしたらいいかと考えて、1つの物語を2つの視点から描くというやり方なら、ほぼ1本分の予算でも何とかなるんじゃないかなと。そういう逆転の発想でたどり着いて、男子と女子が合宿しているワンシチュエーションものを、その男子目線・女子目線で描こうと。作っていく中でこだわったのは、1本観ただけでは解決されない謎があり、もう1本観ればそれが分かる。でも1本観ただけでも話としては成立する、というものにしたいなと思いました。

――「幽霊もの」というのも今までの監督の作品にはなかったように思います。「泥打(どろぶち)観音」というのは、監督の地元のほうに実在する観音様だそうですね。

内藤 そうです、愛知県の豊田市ですね。泥まみれの化け物を出そうというアイディアが初めにあって、何かしら裏付ける設定がほしいなと思って、泥にまつわる民話や伝承を探していたら地元にあったと(笑)。実際に取材に行ってお参りをしてきましたが、伝承が面白かったんですよね。劇中で出てくる伝承は途中までは実際のとおりで、田んぼの中に観音像がいて、村人が社に安置するんだけどまた田んぼの中に戻っていて、「この観音は泥が好きなんだな」と考え、社に安置して泥をぶつけるようになったと。そこまでは実際の伝承と一緒で、使わなかった部分としては、泥まみれの観音像を洗った人がいて、その人が死んじゃったらしいんですよね……。

――え~っ、怖い(笑)。

内藤 そう、親切心でやっているのに(笑)。そこは使わなかったんですけど、いい願い事をする人ばかりじゃないだろうという僕の考えがあって、悪い願い事をする人もいて、その悪意が観音像に蓄積してドロメという化け物になった、という僕の創作で物語を繋げていきました。

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ドロメ【男子篇】ドロメ【女子篇】 (2016年/カラー/5.1ch/ビスタ/【男子篇】92分/【女子篇】98分)
監督:内藤瑛亮『先生を流産させる会』『パズル』 脚本:内藤瑛亮、松久育紀『先生を流産させる会』
主演:小関裕太,森川葵
出演:中山龍也,三浦透子,大和田健介,遊馬萌弥,岡山天音,比嘉梨乃,菊池明明,長宗我部陽子,木下美咲,東根作寿英
製作:「ドロメ」製作委員会(日本出版販売,TCエンタテインメント,TBSサービス,是空,レスパスビジョン)
配給:日本出版販売 宣伝:太秦 ©2016「ドロメ」製作委員会
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2016年3月26日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次、
2作品同時“シンクロ”ロードショー!
3月26日(土)より福岡中洲大洋、
4月2日(土)より大阪・シネマート心斎橋、名古屋シネマスコーレ、以下上映決定!
横浜シネマ・ジャック&ベティ、広島・横川シネマ、京都みなみ会館、
桜井薬局セントラルホール以降全国順次公開予定!

2016/03/27/13:31 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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