内藤瑛亮監督 8 年ぶりの新作映画
許された子どもたち
2020年5月9日(土) 6月1日(月)ユーロスペース他
にて全国順次公開(予定)
信じることが愛なのか、守ることが罪なのか。
倫理観が試される――。
少年たちは同級生を殺した。だが、裁かれなかった。
とある地方都市。中学一年生で不良少年グループのリーダー市川絆星(いちかわ・きら)は、同級生の倉持樹(くらもち・いつき)を日常的にいじめていた。いじめはエスカレートしていき、絆星は樹を殺してしまう。警察に犯行を自供する絆星だったが、息子の無罪を信じる母親の真理(まり)の説得によって否認に転じる。そして少年審判は無罪に相当する「不処分」を決定する。絆星は自由を得るが、決定に対し世間から激しいバッシングが巻き起こる。
そんな中、樹の家族は民事訴訟により、絆星ら不良少年グループの罪を問うことを決意する。
果たして、罪を犯したにも関わらず許されてしまった子どもはその罪をどう受け止め、生きていくのか。大人は罪を許された子どもと、どう向き合うのか。
本作は 1993 年「山形マット死事件」や、2015 年「川崎市中 1 男子生徒殺害事件」など実際に起きた複数の少年事件に着想を得たオリジナル作品である。『先生を流産させる会 』『ライチ☆光クラブ 』『ミスミソウ 』など、その衝撃的な内容により作品が発表されるたび物議を醸す監督・内藤瑛亮が8年の歳月をかけて構想し、自主映画として完成させなくてはならなかった問題作。
本作を制作するにあたり、10 代の出演者を対象にワークショップを開催し、少年犯罪や贖罪の在り様について共に考えを巡らせた。撮影は 2017 年の夏から冬、そして 2018 年春と長期間に渡り行われた。季節による風景の変化や役者の成長を取り込み、作品に豊かな広がりを加えていった。いじめや少年事件という社会問題を通じて、現代に蔓延する生きづらさを鋭く切り取った本作は、観る者の価値観や倫理観を激しく揺さぶるに違いない。
~内藤瑛亮監督が本作品込めた思い~
「あなたの子どもが人を殺したら、どうしますか?」
しかし、いじめは一人に対して大人数が起こす事象なので、自分の子どもは「加害者」になる可能性の方が高いです。あるいは、自分自身はいじめと認識していなくても、かつて誰かをいじめていた可能性もあります。誰しもが加害者性を備えています。「被害者」になってしまうのではないかと不安を抱えながら、一方で「加害者」になる可能性について避けてしまう――。本作はそうした矛盾を描いた作品です。
監督:内藤瑛亮
1982 年生まれ。愛知県出身。映画美学校フィクションコース 11 期生修了。特別支援学校(旧養護学校)に教員として勤務しながら、自主映画を制作する。短篇『牛乳王子』が学生残酷映画祭・スラムダンス映画祭はじめ国内外の映画祭に招待される。初長編『先生を流産させる会』がカナザワ映画祭で話題となり、2012 年に全国劇場公開され、論争を巻き起こす。教員を退職後は、夏帆主演『パズル』や野村周平主演『ライチ☆光クラブ』、山田杏奈主演『ミスミソウ』など罪を犯した少年少女をテーマにした作品を多く手掛ける。2020 年、約 8 年振りとなる自主映画『許された子どもたち』を制作。
(主な監督作品)『先生を流産させる会』(12)、『高速ばぁば』(13)、『パズル』(14)『ライチ☆光クラブ』(16)、『ドロメ 女子篇/男子篇』(16)、『鬼談百景』(16)、『ミスミソウ』(18)
出演:黒岩よし,名倉雪乃,阿部匠晟,池田朱那,大嶋康太,清水 凌,住川龍珠,津田 茜,西川ゆず,野呈安見,
春名柊夜,日野友和,美輪ひまり,茂木拓也,矢口凜華,山崎汐南,地曵豪,門田麻衣子,三原哲郎,相馬絵美
監督:内藤瑛亮
プロデューサー:内藤瑛亮,田坂公章,牛山拓二 脚本:内藤瑛亮,山形哲生
撮影監督:伊集守忠 照明:加藤大輝,山口峰寛 録音・整音:根本飛鳥
録音:小牧将人,南川淳,黄永昌,川口陽一 編集:冨永圭祐,内藤瑛亮
音楽:有田尚史 サウンドデザイン:浜田洋輔,劉逸筠 助監督:中村洋介
制作:泉田圭舗,佐野真規,山形哲生
2020 年/日本/カラー/1.90:1/5.1ch/131 分
配給:SPACE SHOWER FILMS ©2020「許された子どもたち」製作委員会
2020年5月9日(土) 6月1日(月)ユーロスペース他
にて全国順次公開(予定)
- 監督:内藤瑛亮
- 出演:宮田亜紀, 小林香織, 高良弥夢, 竹森菜々瀬, 場涼乃
- 発売日:2012/10/10
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- 監督:内藤瑛亮
- 出演:山田杏奈, 清水尋也, 大谷凜香
- 発売日:2018/10/03
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