大西 信満 (俳優) 映画『華魂 幻影』について【2/5】
2016年4月30日(土)より、新宿K’s Cinemaにて公開
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佐藤寿保監督 ――佐藤監督はとても熱い方らしいですね。
大西 まったくブレないんですよね。初めてご一緒させていただく監督だし、今まで縁がなかったジャンルの作品だから、現場に入る前は不安な部分もあったんですけど、不思議なぐらいすんなりと行きました。ディスカッションを重ねたわけでもないのにそうできたので、素晴らしい出会いだったなと思います。
――佐藤監督の過去の作品は観ていたんですか?
大西 そんなには観ていないですね。前作の『華魂 誕生』(14)は今回のお話をいただく前から観ていました。
――ホラー色の強い作品だったので、その続編に大西さんが出演することを知ったときは私も驚いたのですが、観たらすごいハマり役だなと思いました。
大西 僕がすごく思うのは、映画を紹介する上で、ホラーだとかエロだとかグロだとかのジャンル分けをせざるを得ない部分ってあるけれど、この映画をそこに括ってほしくないなということで。観ていただけたら分かると思うけど、それは一部分でしかなくて、核になる部分というのはそういうところじゃないわけで。そこがうまく伝わって、イメージだけでこの映画を観ないという人を減らせたらと思っています。
――沢村という役についてはどのように捉えましたか?
大西 先ほども話したように、沢村はこの中で唯一普通の人間であって、まわりの人間がどこか破綻していたりする中で色がない感じでずっといて、だけど過去に闇のようなものを抱えていて。演じる上では、役を作るとかいうよりは、まわりが派手めな分、抑えて抑えてなるべくシンプルにいようとホンを読んだ段階で思っていて、現場でも基本的にはその線で行ったつもりです。自分が何かしなくてもまわりがどんどん動いていく作品なんですよ。途中で過去のフラッシュバックが出てきて大きく展開していくんですけど、そんなに細かな色付けは必要なくて、シンプルなほうがいいかなと思いました。
――大西さんは今までも過去に秘密を抱えているような人物を演じることが多かったんですが、今回はその記憶が消えてしまっていて自分自身でも過去に何があったのか分からないという役でした。ひとりでに涙が出てくるのを不思議がったりしながら、そこに迫っていくというのがサスペンスフルで、抑えた演技ばかりでなくコントロールもかなり必要だったのでは?と思います。
大西 すごく集中して現場に臨めたので、それは自然にできましたね。監督がまったくブレないというのもあったし、タイトなスケジュールではあったんですけど気持ちよくどんどん現場が進んでいって、なんか自分自身も乗せられて勝手に進んでいったという感じです。監督が何ておっしゃるか分からないですけど、僕はすごく佐藤監督に身を預けられたんです。
出演:大西信満 イオリ 川瀬陽太 愛奏 吉澤健 真理アンヌ 三上寛 他
監督・原案:佐藤寿保 プロデューサー:小林良二 脚本:いまおかしんじ 音楽:大友良英
共同研究:東京工芸大学 制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション 製作:華魂プロジェクト
© 華魂プロジェクト
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