大西 信満/『華魂 幻影』

大西 信満 (俳優) 映画『華魂 幻影』について【5/5】

2016年4月30日(土)より、新宿K’s Cinemaにて公開

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

大西 信満2――佐藤監督とは映画についてのお話をされたりもしたんですか?

大西 いや、していないです。そういう個人的な想いを話すような時間もなかったので。でも映画に監督の生きざまが焼き付いているなとすごく感じます。いろんな規制がある中で上手くやろうとかどうこうじゃなく、生きざまがちゃんと出ていて、映画と映画に関わる人間への優しさがあって、さらに問題提起が横たわっていて。自分自身もいろいろな規模の作品に出させてもらってきて思うのは、作品の良し悪しは予算じゃなく、結局はやる人の熱量の問題だなと。大作が悪いと言う気はまったくなくて、支持を集める人たちが作るという前提の部分に「外れることが少ないだろう」という信用感があって、それで予算が集まって大作になるわけで。一方インディーズの場合は、監督も俳優も「それ誰?知らない」っていうような人で、未知のものに対する信用感がないから、なかなかそれを選択することに戸惑ってしまう。それもごくごく普通のことで、でも250館いっぺんに開くようなメジャーの作品とインディーズの作品とで、予算とかいろんなものが違うけど、じゃあ想いが違うか?と言ったらそうとも言い切れないということはすごく思うし。宣伝量とかも違うわけだからメジャーにお客さんの目が行くのは当然のことで、インディーズの作品はどんどん太刀打ちできなくなっていく状況の中で、「インディペンデントの作品でも面白いものがあるよ」というのを伝えていくのが大事だなとすごく思います。

――本当に映画を愛する方にはぜひ観てほしい作品ですね。『華魂』は4部作として構想されているとのことで、このあともとても楽しみになりました。1作目と2作目も全然違う過激さを持ちつつ、人間ドラマになっているのが素晴らしかったです。

大西 そうですね。弱者に対する人間賛歌になっているし、滅びゆくものへの鎮魂歌になっているし。そういう意味では佐藤監督はすごく優しい人だなあ……と思ったりもするし、ここまで振り切った感があるのがすごく貴重なことだと思うし。タイトルだけ見て「面白そう」と思ってもらえるような作品ではないから、最初は小さく始まっても、何周かしていく中で広がっていけばいいなと思います。

――この作品に出られたことで、ご自身の俳優としての展望に変化はありましたか?

大西 バジェットだとかが作品の質とイコールではないということをこの作品であらためて思ったので、いい作品に出ていきたいし、それを広げていきたいなと思います。そうした先輩方から受け継いだことをちゃんとやっていくというのは義務でもあると思うし、それが責任感となり自分の力にもなっていくわけだし。ただ好きというだけではやり切れない部分はどうしても出てくるものだから、それは勝手に自分に課してやっていく俳優でありたいなと思います。

――今後の活動も楽しみにしています。では最後にお客さんへのメッセージをお願いします。

大西 メッセージは……、「だまされたと思って劇場に足を運んでくださいませ」というだけですね(笑)。思っているよりめちゃくちゃだし、思っているより真面目だし、思っているより面白いです。もちろん好みだとかはあると思うんだけど、まったく違った好みや価値観だとしても、生で触れてみることは決して悪くない体験になると思います。

( 2016年4月5日 新宿ケイズシネマで 取材:深谷直子 )

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華魂 幻影 2016年/日本/カラー/ステレオ/83分
出演:大西信満 イオリ 川瀬陽太 愛奏 吉澤健 真理アンヌ 三上寛 他
監督・原案:佐藤寿保 プロデューサー:小林良二 脚本:いまおかしんじ 音楽:大友良英
共同研究:東京工芸大学 制作・配給・宣伝:渋谷プロダクション 製作:華魂プロジェクト
© 華魂プロジェクト
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2016年4月30日(土)より、新宿K’s Cinemaにて公開

2016/04/28/20:35 | トラックバック (0)
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