『ハイヒール革命!』
第25回レインボー・リール東京・舞台挨拶レポート【1/3】
ニューハーフのアイドルユニットでの活動などで知られるタレントの真境名(まじきな)ナツキの自伝的映画『ハイヒール革命!』が、去る7月17日、第25回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)で上映され、真境名と出演者の濱田龍臣、古波津陽監督が登壇する舞台挨拶が行われた。(取材:深谷直子)
2016年9月17日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
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真境名ナツキ プロフィール 1987年8月26日生まれ、東京都出身。本作で映画デビューを果たす。以前、ニューハーフユニット「カマちゃん倶楽部」のリーダーとして活躍。LGBTの世界ではアイコン的存在となりつつあり、今後は女優・タレントとして活動の場をひろげていく。 公式ブログ
トランスジェンダーである真境名が、家族や友達の支えを得て差別や偏見を乗り越えるさまを、ドキュメンタリーと再現ドラマを交えて描いた本作。ドキュメンタリーパートでは真境名がインタビュアーとして母親やかつての教師、友達などに話を聞き、自身の身に起きていたことを紐解いていく自分探し的な部分もあれば、パートナーとともに暮らす真境名の現在の姿を赤裸々に収めてもいる。
映画に初主演した感想を訊かれた真境名は、「だいぶトウの立った新人で申し訳ないです」とまず明るく断りを入れ、「光栄な機会を与えていただいてありがとうございます。プロデューサーと知り合って映画を作るということになったときは、劇映画でやろうというお話だったんですが、これは私の話だし、私自身が前に出て話すことがいちばんリアリティがあるんじゃないか?と思って、無理くりプロデューサーや監督に直談判して主演させていただいたんです。いろいろ大変な時期もありましたけど、主演させていただけてよかったなと思います」と、型破りなドキュメンタリー&ドラマという構成の映画になった経緯を語った。
ドラマパートで男の子から女の子へと変わっていく思春期の真境名役を演じた濱田龍臣は、「本当に貴重な体験をさせていただいて感謝しています。すごく面白かったですし、やっていても自分自身すごく楽しかったです。役作りは監督にアドバイスをいただいたり女性スタッフさんにいろいろ聞いたりして、いろいろ勉強したつもりです」と語った。
大河ドラマ「龍馬伝」(10)で坂本龍馬の幼少時代を演じた人気の若手俳優である濱田に自身の役を演じてもらったことについて、真境名は「知らない方がいないぐらい有名な俳優さんで、しかも似ても似つかないイケメンが私を演じる!?って動揺がすごくて(笑)。友達に話したら『全然似てないじゃん、大事件だよ!』ってみんなが言うのでだんだん緊張してきちゃって。実際に会ったときはすごく話しやすくて、私がイメージしていた子役のイメージのまま大きくなっていてビックリしちゃいました。演技については全然アドバイスしていないです。私は顔にも出やすいし、見てのとおりで『すべてにおいてエモーショナルに生きているタイプよ』ということだけを伝えました」と振り返った。
さらに、ドラマに出演した俳優本人としての濱田が真境名と対話をするというドキュメンタリーシーンも本作には収められている。そこで初めてあらたまって対面した真境名について、濱田は「聞くことがすべて衝撃の事実でしたが、本当に気さくな方で、見ているだけで笑顔になれる方でした」と語った。
出演::真境名ナツキ、濱田龍臣、秋月三佳、小宮有紗、藤田朋子、西尾まり
監督:古波津陽 脚本:福島敏朗 主題歌:ミヤモリ「Everything」(IVY Records)
製作:益田祐美子、山本ヒカル、中江康人、余田光隆、神野嘉文 プロデューサー:代情明彦、伊藤太一
撮影:柏崎佑介 照明:モリタケンジ 録音:茂木祐介 美術:三ツ松けいこ
編集:小原聡子、伊藤了太、古波津陽 助監督:高橋雄弥 衣装:SERIKA ヘアメイク:石川奈緒記
音楽:松岡政長、YOSHIZUMI
製作:「ハイヒール革命!」製作委員会(平成プロジェクト、山栄、AOI Pro.、TBSサービス、テアトルアカデミー)
制作プロダクション:AOI Pro. © 2016「ハイヒール革命!」製作委員会 配給・宣伝:新日本映画社
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