ドゥミとヴァルダ、
幸福についての5つの物語
2017年7月22日(土)より、
シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
ヌーヴェル・ヴァーグ左岸派を代表する映画監督であり、夫婦でもあったジャック・ドゥミとアニエス・ヴァルダの特集上映が、7月22日よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次開催される。
独特な感性で「ロマンチックな詩人」とも呼ばれたジャック・ドゥミ監督は、今年公開されて話題を呼んだミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』にも大きな影響を与えた『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』 といった、鮮烈な印象を残す作品を多く残し、1990年に59歳で惜しくも亡くなった。
対して「ヌーヴェル・ヴァーグの祖母」の異名を持つアニエス・ヴァルダ監督は、長年の功績が評価されて2015年にオリヴェイラ、イーストウッドらに続き史上6人目となるカンヌ国際映画祭パルム・ドール名誉賞を受賞したほか、フランス人アーティスト JR と共同監督を務めた新作ドキュメンタリー『Visages, villages』が、 2017年のカンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に選出されるなど、89歳を迎える現在も現役監督として映画を撮り続けているレジェンドの一人。
本特集では、今回初めて劇場で正式に公開されるドゥミ監督作、ジャンヌ・モロー主演の『天使の入江』や、ベルリン映画祭銀獅子賞を受賞したヴァルダ監督の衝撃的人間ドラマ『幸福~しあわせ~』など、二人の瑞々しい感性がほとばしる初期5作品を上映。ヴァルダ監督の監修によって完全修復されたドゥミ監督の長編デビュー作『ローラ』など、全作品が美麗なデジタル素材でスクリーンに甦る。また、ヴァルダ監督が2015年に、ファッションブランドMiu Miuのショートフィルムプロジェクト“女性たちの物語”で製作した短編最新作『LES 3 BOUTONS(3つのボタン)』 も特別に同時上映される。
1961年/フランス/モノクロ/88分/シネスコ 原題:Lola ©mathieu demy 2000
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 撮影:ラウル・クタール 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:アヌーク・エーメ
その奇跡のようなきらめきから、「ヌーヴェル・ヴァーグの真珠」と讃えられる長編デビュー作。大西洋に面した港町ナント。キャバレーの踊り子ローラは、初恋の男性を待ち続けている…。訪れては去り、出会ってはすれ違う他愛のない日常も、ドゥミの手にかかれば、甘美で切ないおとぎ話へと羽ばたいてゆく。やわらかに降り注ぐ光のもと、街角で生きる人々の恋と青春を、溢れる情緒で謳いあげた永遠の名作。1963年/フランス/モノクロ/85分/ビスタ 原題:La Baie des anges © cine tamaris 1994
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 撮影:ジャン・ラビエ 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:ジャンヌ・モロー
パリの銀行。退屈な日常。ハンサムな青年。南仏のリゾート。放蕩。いわくありげなブロンドの美女…。ニースの美しい保養地、通称“天使の入江”のカジノを舞台に、ギャンブルに魅せられた男女の、エレガントでデカダンな夏の逃避行を描く愛のドラマ。二人を繋ぎとめるのは、ルーレット任せの偶然?それとも、愛?ヌーヴェル・ヴァーグのミューズ、ジャンヌ・モローの「ファム・ファタール」ぶりは必見。1991年/フランス/カラー&モノクロ/120分/ビスタ 原題:Jacquot de Nantes © cine tamaris 1990
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 出演:ジャック・ドゥミ
「わたしは残しておきたい。輝くばかりのジャックの少年期と夢見るようなあのまなざしを。」“ジャコ”は友人から映写機を借りたことで、映画に夢中になっていく。ある日、街の映画館に「白雪姫」がやってきた。少年の日の夢だけを信じて貫いたひとりの男が、死を目前にして目の前にいる…。生涯の伴侶であるドゥミの創造の源泉を、最愛の妻ヴァルダがフィルムに焼き付けた優しく切ない名作。1961年/フランス=イタリア/モノクロ/90分 原題:Cleo de 5 a 7 © agnes varda et enfants 1994
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 撮影:ジャン・ラビエ 音楽:ミシェル・ルグラン
出演:コリーヌ・マルシャン
もしかして私、ガン?今は5時。医者を会うまでの2時間どうしよう。占い師も恋人も作曲家も、みんな無神経で誰も私のことをわかってくれない…。診断結果が分かる7時までの間、不安と希望を行き来しながら、夏至のパリを彷徨うポップ・シンガー、クレオの心象風景を、リアルタイムで追いかけた、キュートで哲学的なガーリームービーの金字塔。M・ルグラン、ゴダール、A・カリーナがカメオ出演。1964年/フランス/カラー/80分 原題:Le Bonheur © agnes varda et enfants 1994
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 撮影:ジャン・ラビエ、クロード・ボーソレイユ
出演:ジャン=クロード・ドルオー、クレール・ドルオー
「男ってなんてバカなの」「女は、何考えているのかさっぱりわからない」そんな類のテーゼを根本から吹き飛ばす衝撃的な人間ドラマ。圧倒的なストーリーテリングと緩急自在の語り口で、一組の夫婦の皮肉な物語を無邪気にみつめる。人は誰しも幸福を求める生き物、でも、しあわせって一体なに?珠玉の短編小説のような深い余韻を残すヴァルダの代表作。ベルリン映画祭銀獅子賞受賞。2015年/カラー/11分 © Miu Miu ※『幸福 ~しあわせ~』との同時上映
監督・脚本:アニエス・ヴァルダ 出演:ジャスミン・ティレ
農場で暮らす少女ジャスミン。山羊の世話をしている彼女のもとに、思わぬ贈りものが届く。そこから、夢と現実、都会と自然を行き交う不思議な冒険が始まる。
2017年7月22日(土)~より、
シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
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