上西 雄大 (監督・主演)
映画『ひとくず』について【4/4】
2020年3月14日(土)より 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
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――みなさん熱演をされていました。俳優はテンアンツの方が多いんですか?
上西 そうです。僕らは劇団で本当に小さなコヤから始めて苦労を共にしてきましたので、最後までみんなで同じ船で行こうと思っています。
――映画の舞台は関西なのでしょうか?
上西 日本のどこにでも虐待の問題はあると身近に感じてほしいと思って、街がどこかは特定していません。標準語でやっているのも、虐待は全国で起こっていることであり、大阪だけの話にしたくなかったからです。撮影は大阪でしましたが、みんな大阪弁を喋らずに。
――劇団員以外にも曲者の俳優さんがたくさん出演していて。木下ほうかさんが怪演を見せてくれました。
上西 木下さんに出てもらえるとは思っていなくて。一か八かで台本を読んでもらったら、あるとき「今大阪にいるから話そうか」と電話があって、夜中の12時から2時までファミレスで話をして、最後「じゃあ出るよ」と言ってくださって、握手を交わして泣きました。そのときのレシートは記念にずっと持っています。そのあと田中要次さんも出てくださることになり、夢のような気持ちでこの作品に入っていきました。やっぱり一人でも多くの方に観ていただきたい映画だし、そうじゃないと意味がないと思っていて、そうすると僕らだけでは力が及ばないところがあるので、有名な方にも出ていただきたいと思って。木下ほうかさんと田中要次さんという、お芝居が大好きで尊敬しているお二人が脚本を読んで出ると言ってくださったのは本当に嬉しかったです。
――本当にエネルギッシュな作品になりました。監督としても名監督だと思いますが、演じる人の気持ちがわかって演出できるというのが大きいのでしょうね。
上西 それはあると思います。何を表現してほしいかというのをきちんと渡そうとしていますし、役者にとってはOKを出されて終わる前にどこまでできたかというのがあると思うので、納得できるものを撮れるまで、できる限りリテイクできればなあと思っています。このときはテイク10とか20とか、いいのを撮れるまでやろうというのがありました。
――並々ならぬ想いが見事に作品に現れ、映画祭ではすでに高い評価を受けています。公開されてより多くの方に届くことを願っています。
上西 一人でも多くの方に見ていただくのが望みです。虐待に対して怒りが湧くのではなく、家族のあたたかさを感じてほしいです。それで虐待に対しても感情が残り、子供が泣いているのを見て「何かな?」と気にするようになってもらえたら尊いことだと思います。
( 2020年2月13日 西麻布・テンアンツで 取材:深谷直子 )
出演:上西雄大,小南希良梨,古川藍,徳竹未夏,城明男,税所篤彦,川合敏之,椿鮒子,空田浩志,中里ひろみ,
谷しげる,星川桂,美咲,西川莉子,中谷昌代,上村ゆきえ,工藤俊作,堀田眞三,飯島大介,田中要次,木下ほうか
監督・脚本・編集・プロデューサー:上西雄大
エグゼクティブ・プロデューサー:平野剛,中田徹 監修:楠部知子 撮影・照明:前田智広,川路哲也
録音:仁山裕斗,中谷昌代 音楽プロデューサー:Na Seung Chul 主題歌:吉村ビソー「Hitokuzu」
制作:テンアンツ 配給・宣伝:渋谷プロダクション
協賛:㈱リゾートライフ,ドリームクロス㈱,串カツだるま,カンサイ建装工業㈱,高橋鋭一,
平野マタニティクリニック,㈱エフアンドエム,㈱中島食品,ALEMO㈱,㈱USK,㈱ラフト
© YUDAI UENISHI
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