百恵 紳之助

　「あー、夢でもいいから酒井若菜とセックスしてぇ」と「素肌」 でオナニーばかりしている筆者にとってはこれはもうたまらん映画だった。何がたまらんって嫉妬で狂いそうになる。 これだけ酒井若菜がかわいく撮れているのであるからして、 これはもう松尾スズキと酒井若菜の間に恋愛感情が成立していたとしか思えないぞなもし。しかも松尾スズキリードで。 しかもとってもとってもとってもエッチな男に陵辱されているのに落ちていってしまう女のように。

　「ああ･･･もう、松尾さんの言うことなら何でも聞いちゃいそう！」という酒井若菜の声が今にも聞こえてきそうである。 なんだか松田龍平とのキスシーンでもなぜか松尾スズキとキスしているような気さえしてくるのである。

　とにかく酒井若菜のおっかけには正視に堪えがたい映画だったのではないだろうか。が、 しかし画面からほとばしっている酒井若菜の色気に思わず敗北感を感じてしまうことは必至であり、もし酒井若菜が自分の彼女であれば、 今晩は自虐プレイで決まりであるところだが、そんなことはありえないので自虐オナニーに走るしかない。 それほどまでにこの映画の中の酒井若菜は誰かにホレているときの、ホレたくないのになぜか落ちていくときの（よく分かんないけど）、 女の色っぽさが全開だったように見受けたのだがいかがだろうか。考えすぎであることを祈るばかりである。しかしまぁ、 主演女優が濡れ場でオッパイ出さなかったこに激怒した作品は数あれど、 これほどオッパイ出さなかったことに我がオッパイをホッと撫で下ろしつつ、冷静に考えると、「オッパイくらい出してやるよ、ホレ」 のほうがまだマシだったと思う作品はかつてない。（そんなよく分かんない作品あるわけないよね！）

　まあ、あんまり酒井若菜がどうたら言っていてもしょうがないので松田龍平だが、今まで出演した映画の中でベストアクトではないだろうか。 どちらかと言うと、今までは冷めているというか、クールというか、何を考えているのかよく分からないような役が多かったと思うのだが、 今回は生き生きと演じていたように思う。ボロカッコいい衣装も決まっていた。ただ、 若干松尾スズキ調の台詞回しが板に付いていないような気もしないでもなかったが、そんなに大した問題ではないか。

　聞くところによる数多い酒井若菜とのキスシーンでは松尾スズキ監督から「あっちで練習しといて」とか言われたそうである。で、 そのキスシーンの数々は練習の成果のみ、二人の間には血と汗の滲む練習以外なにもなかったんだ！ と思い込みたくなるくらいにグゥのネも出ない、恋人同士にしか見えない、 原田知世が林隆三とのキスシーンで見せた凄くイヤそうな顔をなぜか思い出してしまうくらいに完璧なキスシーンであり、 筆者も思わず酒井若菜でなくていいから誰かとキスしたい･･･なんて思ってしまったくらいに、チウチウしたくなってしまうシーンである。･･ ･やはり話は悔しいが、酒井若菜のほうに戻ってしまった。しかし松田龍平はどんどんお父さんにそっくりになっていくなぁ！ 役の幅の広げ方はお父さんよりずっと早いしこの先スンゲェ役者になっていくんだろうなオーラバリバリだ。
とにかく自虐プレイ好きの酒井若菜ファンには必見の映画である。最後の砦は牛川とこだけだな、こりゃ。 松尾監督の次回作は短編のポルノらしいが、それに出演したら大空にダイブ。

(2004.10.20)