脳内i-pod・サウンドトラックコーナー繁忙記

『大激闘』#09 #10、『大都会』最終回、
そして…『大都会PART II』放送開始!

第十九回

佐藤 洋笑

家権力の威を借りたゴミクズどもが表現を検閲しようとしたり、川内康範先生が逝去されたり、声を上げずにいられない気持ちに駆られる出来事が多々ありましたが、あのヒトのココロひとつ繋ぎとめられないオレの言葉に何の価値があるのかと思い至り、二週間ほど意識を失っていました。

――途方に暮れる間もなく、あのヒトに忘れさられるこのオレです。


3月27日

そんな時でも、いや、だからこそ――“10 秒に1発撃ち、1分に一人死ぬスーパーポリスアクション”『大激闘 マッドポリス'80』#09「殺人刑務所」(脚本:峯尾基三 監督:西村潔)を観る。

ジャパンマフィアの壊滅に執念を燃やす我らが渡瀬恒彦の首に巨額の懸賞金が掛けられた。度重なる襲撃を潜り抜け、突き止めた陰謀の黒幕は、MPが刑務所送りにしたはずの、自分だけが楽しい夕食でおなじみ、金子信雄組長だった――。

まあ、あらすじのブっ飛びぶりにも皆さんいい加減に慣れてきたかと思いますので、四の五の申しませんが、『仁義なき戦い 代理戦争』以来の因縁を持つ山守組長こと金子信雄と広能組の末端・倉元猛こと渡瀬恒彦のガチンコ勝負が時空を越えて実現するとは…。ネコさん配下のJMおよび汚職警官はというと菅貫太郎、鹿内孝、アイアンクロー兼カー将軍の石橋雅史、超獣攻撃隊TACの副隊長・沖田駿一ら絶望的に豪華なメンツ。菅貫さんや鹿内さんは既に二度目の登板のような気がしますが…。まあ、それはさておきTACでも二丁拳銃を振りかざしていたスナイパー沖田への凄惨な拷問、恒さんが中西良太とのコンビで『狂った野獣』を再現したかのような走るバイクから疾走するトラックへ飛び移るアクションなど見所満載。スゴイぞ、マッドポリス!

しかし!なんと散々に盛り上げておきつつ今回は大量殺戮なし。マッドポリスは至極法治国家らしい方法でもってネコさんの野望を打ち砕きます。常々人命を軽視した展開でオレを楽しませてくれた峯尾基三氏の脚本だというのにどうしたことでしょう。まあ、この方はヨコハマで五人の刑事遊撃捜査班が面白半分に犯人を射殺しまくる大傑作『大追跡』においても、突如本格的なアリバイ崩しの佳作「大逆転」を放ったりしている方なので、毛色の変わった作品を送り出してもさほど不思議でもないのでしょうが、いつものMPの活躍に慣れていると裏の事情を勘繰りたくなるほどです。実際、本放送時にはあまりのぶっ飛んだ内容から番組内容の検討が行われだした時期のはずですし…。そーいや、本話の予告編で、何故かタイトルが“マッドポリス'80”とのみコールされていたのですが、当時は“大激闘”の冠をはずし、『マッドポリス'80』を正題とする案もあったと報道されていますので、何らかのオトナの事情が働いたのやも知れません。

…と、淋しいココロのなせる技か、グチャグチャ書き連ねましたが、落ち着いて観ればは東宝アクションの名手・西村潔の演出が快調な好篇でした。いつになく恒さんが軽妙に見えたのはこの方の演出ならではでしょう。ラストのネコさんの表情もファン必見です。

とまれ、闘えマッドポリス! 来週も、撃て!殺せ!ブチ壊せ!


3月28日

『大都会―闘いの日々―』#31「別れ」(脚本:倉本聰、監督:村川透)を観る。

ついに訪れたカタストロフ・世界の大惨事。深い絆を結びながらも迫り来る不幸の中、離れ離れになる黒岩君と篠ヒロコ――。オチは知っていました。もう何度目の視聴かわかりません。でも、これが効く。孤独な30男のココロに絶望的なぐらいに効く。大都会の歯車の一端でしかない登場人物たち。その唯一の癒しであった愛が報われない様を情感たっぷりに描き出した最終回。細かいことは申しません。圧倒されました、ココロが折れるほどに。今、黒岩君の気持ちが一番よくわかっているのは老刑事・丸山米三でも、妹・仁科明子でもない。このオレです。そんな錯覚に陥るほどの感動に言葉がありません。オレも黒岩君よろしくヤケ酒あおりつつ唄ってみます。♪まーいにーちー、まーいにぃちー、ぼくらはてっぱんのぉ~…♪


4月3日

年度替りの時期を迎えてもなお、失ったモノ、失ったヒトへの想いに耽る日々が続く。

そんな時でも、いや、だからこそ――“10 秒に1発撃ち、1分に一人死ぬスーパーポリスアクション”『大激闘 マッドポリス'80』#10「処刑儀式」(脚本:高田純 監督:野田幸男)を観る。

ラスト サムライ 特別版 〈2枚組〉石井輝男映画の常連・名和宏率いるジャパンマフィア傘下の総会屋=企業ジャックの特殊部隊。陰謀の所在をかぎつけたマッドポリスが見た物は『ラスト・サムライ』で一山当てた福本清三ら、女装した暗殺集団が繰り広げる恐怖パーティだった――。

前回のキャスティングが実録路線の再現だとしたら、今回はピンキー・バイオレンスの再現。名匠・野田幸男監督にしか許されないキャンプの殿堂がここに誕生。オープニング、名和いきつけのキャバレーのホステスとして、何の説明もなく福本センセが女装して座っている辺りからオレのハートはメロメロ。福本センセが標的の会社重役を電気椅子の刑にかけるときの恍惚の声が耳から離れません。以降ド派手カーチェイスあり、銃撃戦あり、反体制ありの問答無用の“マッポ'80”ワールドが炸裂。予告に出てきた“時限装置”が本編のどこにも出てこないのも東映らしい展開かと。

ってなワケで、急に迷いを振り払ったように炸裂する暴力と悪趣味。シリーズの中でさほど語られることのない一編ですが、“マッポ'80”独特の“ヤバさ”が全面展開している隠れ傑作。東映ワールドについて一度でも利いた風なことを抜かしてみたいアナタなら必見の一本です。ちなみに本話、本放送当時の最高視聴率を記録しております。

とまれ、闘えマッドポリス! 来週も、撃て!殺せ!ブチ壊せ!

なお、今後の放送予定はこちら

次回は、野田演出の元、チンピラといえばコノ人!な魅力溢れる中西良太が主演を張る「爆殺マシーン」です。


4月4日

深く静に沈殿するような「別れ」から一週間。我らが黒岩君が松田優作を引き連れて帰ってきた!

――というわけで『大都会PART IIhttp://intro.ne.jp/contents/2007/08/22_1117.html)』#01「追撃」(脚本:永原秀一、監督:舛田利雄)を観る。

別れのダメージが相当に深かったのか、部長刑事に昇進したというだけではすまない非情な捜査を展開する渡哲也のカッコよさが圧巻。とはいいつつも、被害者家族に不幸を告げる酷な役割を果たす前に缶ビールで勢いをつけたりするあたりの小技がタマラン。こうした丁寧な人物描写を前提におきつつ繰り広げられるド派手アクションがハードボイルドな空気を高める。クライマックスの芝浦あたりの大カーチェイスの緊迫感は今じゃ再現不可能でしょう。災難にあった鶏百羽に哀悼の意を表しつつも、すでに五回ほど見返しているオレなのです。

とまれ、日本の刑事ドラマの最高峰とも言われる本作との20年ぶりの再開でオレのココロも大分救われました。今後一年、なんとか生き延びる理由が見つかった感じです!

なお、今後の放送予定はこちら

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2008/04/10/12:43 | BBS | トラックバック (0)
佐藤洋笑 ,脳内i-pod
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