インタビュー
福永壮志監督監督『リベリアの白い血』

福永 壮志 (監督)
映画『リベリアの白い血』について【2/7】

2017年8月5日(土)よりアップリンク渋谷にて大好評上映中!ほか全国順次公開

公式サイト 公式Facebook (取材:深谷直子)

『リベリアの白い血』場面1 『リベリアの白い血』場面2
――そうですね。移民として生活をしているひとりひとりにも祖国での暮らしやどんな想いでそこを出てきたのかという背景がありますし、普段使っている製品も、裏側を考えると遠い国のいろいろな人の手がかけられているんですよね。映画では、ゴムでできている製品としてサンダルやタクシーのタイヤが出てきますが、製造過程に想いを馳せるとそれが両方とも移動の手段だというのをとても皮肉に感じました。元のゴムを作っている人は、そこを出られないで閉じ込められているという。

福永 そうですね。ニューヨークで生活していると、タクシードライバーって日常的に関わる人たちで、話を聞いたりするんですけど、本当に多種多様な人がいていろんな経緯があってそこに至っているんです。でもそういうことって心の余裕がないとなかなか考えないですよね。でも彼らにはそれぞれいろんな苦労があって、それを乗り越えてそこにいる。そして今おっしゃったように製品もいろんな人の手がかかって目の前にあるという。そういう普段忘れてしまいがちな事実をドキュメンタリーを見たときもすごく突きつけられたので、それを映画で、フィクションの物語を通して表現したいと思いました。

――村上さんがリベリアに目を向けられたのにはどういういきさつがあったのでしょうか?

福永 村上は、もともとは国連のプロジェクトでゴム農園の撮影があるということで、その準備でいろいろ調べたりしていたんですが、結局そのプロジェクトはなくなってしまったんです。でもそのときにはリベリアへ行くという気持ちが彼の中で高まっていたので、プロジェクトがなくなったからと言ってそこで止まらなかったんですね。自分の目でその現場を見たいと、また、ちょうどそのとき彼も自分のドキュメンタリーを撮りたいというのがあったのでそれと一致して、自主制作としてやろうということになったんです。最初は2007年のことなんですが、完全に単身でカメラひとつ持ってリベリアに行きました。

――そのドキュメンタリーは最近完成したそうですね。

福永 はい。彼もずっと撮影監督としてやっている人なので、その仕事がだんだん忙しくなって自分のプロジェクトに取り掛かれなくなり、ずっと未完成のままになってしまっていたんです。で、今回の映画の撮影中に不幸があって、未完成のまま置き去りになってしまったその作品をそのままにはどうしてもしたくなかったので、その映像を彼とずっとドキュメンタリーの制作をしていたアメリカ人のジャド・エールリッヒ監督のところに持って行って再編集して、村上が体験したもの、見たものを追憶する短編ドキュメンタリーとして完成させました(=『ノート・フロム・リベリア』・15)。そのあといろいろな映画祭で上映しています。

――では私たちにもその作品を観る機会があるかもしれないのですね?

福永 あります。日本では今回の初日にイベント上映する予定ですし、できるだけいろんなところで観てもらいたいなあと思っています。

――そうなんですね。ぜひ拝見したいです。『リベリアの白い血』もそのような村上さんの遺志を引き継いで完成させた映画ということで、そこにも並々ならぬ想いがあったと思いますが、未知の国であったリベリアのことがありありと感じられる作品になりました。ゴム農園で働く人たちの暮らしぶりや、内戦に関わった人たちの想いなども克明に描かれていましたが、どうやって調べたのですか?

福永 最初はやっぱりリサーチから入り、いろいろなところで調べ物をしました。また、ニューヨークにはリベリア移民の方々が多く住む地域などもあるので、そういう方々に直接会ってインタビューをして、いろんな話を聞いていきました。内戦については、それに触れるかどうかというのは調べている間に決まったことなんですけど、現代のリベリアを生きる人間を描く上でやっぱりそこはどうしても避けられなかった。別に過激な内容を盛り込みたかったというわけではなく、やはりリベリアにとってものすごく大きな事件であり、終わったのも2003年で僕らが撮っていたのが2013年だからたかだか10年前の話であって、リベリア人はそれをいろいろ抱えながら生きているので、そこは入れようというのは勉強していくうちに決断に至りました。

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アップリンク渋谷にて連日ゲストトークショー開催
8月12日(土) 13:40の回【上映後舞台挨拶】登壇:福永壮志監督
15:30の回【上映後舞台挨拶&短編併映】『ノート・フロム・リベリア』(25分)登壇:福永壮志監督
21:05の回【上映後トークショー】登壇:中井圭(映画解説者)、小林涼子(女優)、福永壮志監督
8月13日(日) 15:30の回【上映後舞台挨拶】登壇:福永壮志監督
20:50の回【上映後トークショー】登壇:菊池健雄(映画監督)、福永壮志監督
8月14日(月) 15:30の回【上映後舞台挨拶】登壇:福永壮志監督
20:50の回【上映後トークショー】登壇:カラテカ 矢部太郎(お笑い芸人)、福永壮志監督
8月15日(火) 20:50の回【上映後トークショー】登壇:山本政志(映画監督)、福永壮志監督
8月16日(水) 20:50の回【上映後トークショー】登壇:亀山亮(写真家)、福永壮志監督
8月17日(木) 20:50の回【上映後トークショー】登壇:入江悠(映画監督)、福永壮志監督
8月18日(金) 20:50の回【上映後トークショー】登壇:武正晴(映画監督)、福永壮志監督
リベリアの白い血
(原題: Out of My Hand/2015年/米国/88分/リベリア語・英語/ビスタサイズ/5.1ch/カラー/DCP)
出演:ビショップ・ブレイ,ゼノビア・テイラー,デューク・マーフィー・デニス,
ロドニー・ロジャース・べックレー,ディヴィッド・ロバーツ,シェリー・モラド
監督:福永壮志 撮影:村上涼,オーウェン・ドノバン
音楽:タイヨンダイ・ブラクストン (元 BATTLES) 製作総指揮:ジョシュ・ウィック,マシュー・パーカー
製作:ドナリ・ブラクストン,マイク・フォックス 共同製作:早崎賢治,マーティー・ラング
脚本:福永壮志,ドナリ・ブラクストン 照明:ロイ・ノウリン,トム・チャベス
録音:マイク・ウルフ・シュナイダー 音響:アン・トルキネン,イーライ・コン
編集:ユージン・イー,福永壮志 美術:スティーブ・グリセ,イオアニス・ソコラキス
衣装:キャシディ・モシャー 配給・宣伝:ニコニコフィルム 協力:Uplink ,Normal Screen,松下印刷,蔦 哲一朗
後援:アフリカ日本協議会,アジア・アフリカ協会 © 2017 ニコニコフィルム
公式サイト 公式Facebook

アップリンク渋谷にて大好評上映中!
8月26日、27日 福永監督の地元・北海道伊達市
伊達信用金庫コスモスホールにてプレミア上映会(監督挨拶あり) 公式情報
9月2日よりディノスシネマ札幌劇場(初日監督挨拶)、ディノスシネマ室蘭、
9月9日より亡くなったカメラマン・村上涼さんの育った四国・高松ソレイユ2にて
2週間限定上映(初日監督挨拶)ほか全国順次公開

2017/08/09/21:42 | BBS | トラックバック (0)
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