インタビュー
アダン・ホドロフスキー/『エンドレス・ポエトリー』

アダン・ホドロフスキー (俳優)
映画『エンドレス・ポエトリー』について【1/3】

公式サイト

2017年11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、
ヒューマントラストシネマ有楽町、
アップリンク渋谷ほか全国順次公開

カルトの巨匠、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の新作『エンドレス・ポエトリー』が11月18日より公開される。23年ぶりの監督作となった『リアリティのダンス』の続編であり、故郷トコピージャから首都サンティアゴへと移り、芸術家たちと交流しながら様々な葛藤を抱えるアレハンドロの青春時代を描いている。現在88歳の監督は、この自伝的作品を5部作として考えているというが、それが決して無謀な望みではないことは映画を観たら信じられるはずだ。生命力と神秘性に満ち、かつてない軽やかさにあふれる青春映画。今なお人生を楽しみ、少年のような好奇心で自らを探求する冒険の旅はまだまだ続く……。圧倒的なエネルギーを生み出すホドロフスキー・マジックを楽しんでほしい。今回、ホドロフスキー監督の来日は叶わなかったが、若きアレハンドロを瑞々しく演じた監督の末の息子、アダン・ホドロフスキーが初来日を果たした。家族への想いや音楽について、共演者のことなど気さくに話しながら、マジックの一端を明かしてくれた。 (取材:深谷直子)
アダン・ホドロフスキー 1979年、フランス生まれ。ホドロフスキーの末の息子。『サンタ・サングレ 聖なる血』(1989年)で映画初出演。その後多くの短編を監督する一方で、ジャック・バラティエ監督の『Rien, voilà l'ordre』(2003年)、ジュリー・デルピー監督の『パリ、恋人たちの2日間』(2007年)など、様々な作品に出演。また、ミュージシャン「Adanowsky」としても活躍しており、『リアリティのダンス』(2013年)や本作のオリジナル・サウンドトラックを作曲している。
STORY 君が、詩が、僕の行く道を照らしてくれる──燃えさかる蝶のように。
物語は、ホドロフスキー一家が故郷トコピージャから首都サンティアゴへ移住するところから始まる。青年アレハンドロは、自分への自信のなさと抑圧的な両親との葛藤に悩み、この環境から脱し何とか自分の道を表現したいともがいていた。
ある日、アレハンドロは従兄リカルドに連れられて、芸術家姉妹の家を訪れる。そこでは、古い規則や制約に縛られない、ダンサーや彫刻家、画家、詩人など若きアーティストたちが共に暮らしていた。彼らと接していく中でアレハンドロは、それまで自分が囚われていた檻から、ついに解放される。エンリケ・リンやニカノール・パラといった、後に世界的な詩人となる人物たちとの出会いや、初めて恋に落ちたステジャ・ディアスとの邂逅によって、アレハンドロの詩的運命は、新たな世界へと紐解かれていく。
アダン・ホドロフスキー1 『エンドレス・ポエトリー』場面/生きろ
――『エンドレス・ポエトリー』を青春映画としておもしろく拝見しました。神秘的なアレハンドロ・ホドロフスキー監督も、普通に悩める青春時代を送っていたんだなあ……と感じる生々しい物語、人物像となっていました。お父様のこういう時代のお話は、以前から聞かれていましたか?

アダン・ホドロフスキー(以下アダン) 父は私にとってもすごく神秘的です。父から若いころのこともいろいろ話してもらっていましたが、映画の撮影で実際に祖父の店があった場所や父が歩いた場所に立って、初めてそのときの父の気持ちが伝わってきた気がします。あの時代、若い詩人たちが集まって青春を謳歌していましたが、父は「ここにいてはだめだ、みんな酔っぱらいだ。このままでは思うような人生にはならない」と葛藤していました。父には他の人にはない、生まれながらの才能が備わっていたのでしょう。そして父親から自由になるのと同時に今までの自分からも自由になろうとしていたのだと思います。映画の中で、アレハンドロがピエロの衣装を着て大きな翼を広げているのは、父親からも今までの人生からも自由になり、やっと翼が開いたということです。

――アダンさんはご家族とどんな接し方をされてきたのでしょうか?

アダン 生まれたときからアートに囲まれていたので、意識しないままに「自分はアーティストになるんだ」と思っていました。小さいときからベートーヴェンなどの曲を聴くと、それと同じメロディをピアノで弾くことができたんです。自分の人生はすべて即興で、父の血をとても濃く継いでいると思います。この映画と同じように詩人でありたい、映画を作りたい、音楽をやりたいとずっと考えていました。母からの影響も大きいです。私が小さかったころ、母はピアノを弾きながら泣いていて、「なぜこんなに美しい曲なのに母は泣くんだろう?」と考えていました。そのあと父と母は離婚し、母は出ていって母のピアノだけが家に残りました。私はピアノそのものが悲しいものになってはいけないと思ったので、9歳のときに友達と一緒にピアノを庭に埋めて、その上にサクランボの木を植えました(笑)。いつかその家にも戻りたいですね。サクランボが音符の形になっているかもしれないので食べに行きたいです。

――(笑)。この映画の中にも、子供時代のアレハンドロが母親から贈られたヴァイオリンを燃やすシーンがありましたね。恋人の赤い髪を燃やしてしまうというシーンもあって、在るものが壊れる、なくなる、というのが映画のテーマであるように感じました。

アダン 父は今でもタロットの研究をしていますが、タロットでは「死」は本当に死ぬことではなく、一種の変容、生まれ変わることなんです。一般的にアーティストは世界に足跡を残そうとしますが、そのあと何が起こるかを考えている人はあまりいません。名声のために有名人であり続けたい、歴史の中で不死でありたいという気持ちがあると思うんですが、それはエゴです。父が目指しているのは、何かを変革するための種をまくこと、あとに何か残していくことであり、それが本当のアーティストではないかと思います。

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『エンドレス・ポエトリー』 『エンドレス・ポエトリー』場面1 エンドレス・ポエトリー ( 2016年/フランス、チリ、日本/128分/スペイン語 /1:1.85/5.1ch/DCP )
監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー 撮影: クリストファー・ドイル
出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ ほか
© 2016 SATORI FILMS, LE SOLEIL FILMS Y LE PACTE Photo:© Pascale Montandon-Jodorowsky
公式サイト 配給・宣伝:アップリンク

2017年11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、
ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開

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  • 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
  • 出演:アレハンドロ・ホドロフスキー, ミシェル・セドゥー, H.R.ギーガー, クリス・フォス, ニコラス・ウィンディング・レフン
  • 発売日:2016/04/18
  • おすすめ度:おすすめ度4.0
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2017/11/16/21:21 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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