アダン・ホドロフスキー (俳優)
映画『エンドレス・ポエトリー』について【3/3】
2017年11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
公式サイト (取材:深谷直子)
――この映画もほかのホドロフスキー監督の作品同様、性描写が激しいですね。アレハンドロが生理中の女性とセックスするというシーンもあり、「血は聖なるものだ」という台詞が印象的でした。また、局部も露わにしていますが、抵抗なく演じられたのでしょうか?
アダン この小人症の女性とのセックスシーンの撮影日に、彼女が「裸になりたくない」と言い出したんです。どうしてか尋ねたら「生理になっちゃったから」と。それを聞いた父は「じゃあもっと血を増やしてそのまま撮ろう!」と言いました(笑)。それで彼女も了承して撮ったシーンなんです。私の方が「大丈夫かな?」と心配していました。
裸になることに関しては、まったく抵抗はありません。アダムとイブの時代から裸は恥ずかしいものとされ、洋服で隠すようになりましたが、生まれたままの姿は誇っていいものだと思います。ただ、他の映画のように性の対象としての女性の姿というのは公平なものだとは思いません。映画の中で脱ぐことは、それが現実的なものである限り神聖なものだと思いますが、商業映画で女性の身体を性の対象にすることには反対です。
――注目してほしいシーンはありますか?
アダン うーん……。たくさんあるので考えないとわからないですね。全部観てほしいです(笑)。
――(笑)。映画の中にはビールを飲むシーンが結構ありましたが、ホドロフスキー監督は今はお酒を飲まないとのことですね。アダンさんはいかがですか?
アダン 当時の父がお酒を飲んでいたのは詩人たちの仲間に入るためで、元々はお酒やタバコやドラッグには反対でした。アメリカで70年代に『ホーリー・マウンテン』(73)が公開されたときに、観客はマリファナとかコカインとかLSDとかを監督にプレゼントしてきて、全部受け取ってはいたんですけど、あとで捨てていました。当時『ホーリー・マウンテン』はLSDをやりながら観るもの、という感じになっていましたけど、どちらかというとやっている人を揶揄して、耳にコカインを入れたりグラスいっぱいのLSDを食べたりというのを描いています。そうして「自分は世界の王様だ」と思っている人たちに「違うんだ」と言っているのが父の哲学で、いつもアンチ・ドラッグを唱えていたんです。私も試したことはあるけどタバコも吸わないしお酒も飲みません。
――ではビールを飲むシーンは演技で?
アダン ああ、ビールをたくさん飲むシーンでは本当に酔っ払っています。酔っぱらったことがないので、酔っ払うというのがどういうふうになることかわからなくて(苦笑)。撮影前にビールを15杯ぐらい飲んで本当に酔っぱらって、そのあと3日間寝込んでいました(笑)。あれ以来一滴も飲んでいません。
( 2017年10月28日 新宿・ラ・ケヤキでの合同取材 取材:深谷直子 )
監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー 撮影: クリストファー・ドイル
出演:アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・ターブ、イェレミアス・ハースコヴィッツ ほか
© 2016 SATORI FILMS, LE SOLEIL FILMS Y LE PACTE Photo:© Pascale Montandon-Jodorowsky
公式サイト 配給・宣伝:アップリンク
2017年11月18日(土)より、新宿シネマカリテ、
ヒューマントラストシネマ有楽町、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
- 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
- 出演:アレハンドロ・ホドロフスキー, ミシェル・セドゥー, H.R.ギーガー, クリス・フォス, ニコラス・ウィンディング・レフン
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