子宮の記憶―ここにあなたがいる
(c)「子宮の記憶/ここにあなたがいる」製作委員会
2007年1月13日(土)シネスイッチ銀座にてロードショー
「僕は、"ほんとうの母親"に会いに行く」
病院で一人の新生児が連れ去られた――。
17年後、
成長した少年・真人は裕福な家庭で何不自由なく暮らしていたが、家族に愛されることなく、衝突ばかりの毎日を過ごしていた。
そんな真人は自分が誘拐されていた過去を知り、その犯人の女性が沖縄に住んでいる事を知る――。
沖縄に旅立った真人は、人里外れた海辺にある食堂で、かつて自分を誘拐した犯人、愛子と出会う。そして、
素性を隠したまま彼女の営む食堂で住み込みのアルバイトをすることに。いつもどこか寂しげで、なかなか周囲に心を開かない愛子も、
懸命に働き慕ってくる彼に次第に心を許すようになるのだった。
何も知らない愛子、そして、
彼女が本当の母親ではないかと考え始める真人。2人の間にはいつしか恋人とも親子ともいえない不思議な愛情が芽生え始めるが……。
主演は数々のドラマやCMに出演し、
『子ぎつねヘレン』(06)、『フラガール』(06)などの話題作が続く松雪泰子。共演は『美しい夏キリシマ』(03)でデビュー以降、
独特な存在感を魅了する柄本佑。『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)、『春の雪』(05)、『夜のピクニック』(06)
など数多くの映画に出演している。
松雪泰子が演じたのは、
過去に新生児誘拐という罪を犯した女性-愛子役。そしてそんな愛子を"ほんとうの母親"と信じ探しに行く真人役を柄本佑が演じる。
原作は「愛の領分」
で第125回直木賞受賞の藤田宜永、監督は「やまとなでしこ」(00)、「熟年離婚」(05)などの人気ドラマを手掛け、
『ホワイトアウト』(00)で空前のヒットを記録した若松節朗。6年の沈黙を破り本作でメガホンをとったのは原作
「子宮の記憶~ここにあなたがいる」の親子問題に言及した作品メッセージに強く惹かれたためだという。脚本には「黒革の手帖」(05)
などの人気ドラマを手掛ける神山由美子、音楽に癒しと透明感溢れる音色で定評の高いS.E.N.S.。また、キャストに寺島進、
余貴美子らのベテラン俳優が脇を固めている。豪華キャストとスタッフが集結し、
切なさと狂おしさに満ちた愛の軌跡の物語がここに誕生した。
裕福な家庭に生まれ、両親と3人暮らしの一見何不自由ない生活をしている17歳少年・真人
(柄本佑)。しかし、世間体ばかり気にする両親や上辺だけの愛情を注ぐ母親に失望しきっていた。
そんな真人は自分が誘拐されていた過去を知り、その犯人の女性が沖縄に住んでいる事を知る――。
沖縄に旅立った真人は人里外れた街で入院中の夫(寺島進)を見舞いながら小さな食堂を一人切り盛りしている女性・愛子(松雪泰子)
と出会う。そしてそこでかつて愛子が自分に名付けた"良介"という名を名乗り、住み込みのアルバイトをすることになる。
いつもどこか寂しげでなかなか真人に心を開かない愛子だったが、懸命に働き慕ってくる彼に次第に心を許すようになるのだった。そして、
愛子と真人の間にはいつしか恋人とも親子ともいえない奇妙な愛情が芽生え始める……。
そんなある日、沖縄に行った真人を追いかけて東京から友人の沙代(中村映里子)がやって来る。悩みがあるという沙代に付き合い、
話を聞くため一晩を過ごした真人ははずみで関係を持ってしまう。翌日、
東京へ帰ると言って別れた沙代はその晩の祭りの最中に海から遺体となって発見される-―自殺だった。
自分の責任を否めない真人の心の支えは"母親"つまり愛子以外の誰でもなかった。
事件をきっかけに二人の関係は思わぬ方向へと進んでいくが…。
松雪泰子(まつゆき・やすこ)
1972年佐賀県出身。「熱血!新入社員宣言」(91)で女優デビュー。テレビドラマ「白鳥麗子でございます!」(93)
で大きな注目を集め、「きらきらひかる」(98)、「救命病棟24時」(01)、「砂の器」(04)、『MOMDAY』(00)、
『アナザヘブン』(00)など数々のドラマや映画に出演し、女優としての地位を確立する。また「夜叉ヶ池」(04)、「吉原御免状」
(05)で舞台にも出演し、映画、ドラマ、舞台、CMとさまざまな方面で活躍している。近年の作品に『子ぎつねヘレン』(06)、
『フラガール』(06)などの話題作がある。
Comment
若松監督との撮影は素晴らしい時間でした。ストーリーもそうですが、私が演じた愛子という役、 そして作品全体のトーンがとても繊細なものだったので、 シーンごとにカットごとにお互いのプランを確認しあいながら撮影を重ねました。
梅雨の時期にもかかわらず本当に天気に恵まれ沖縄の自然のエネルギーに守られながら、撮影をすることができたと思います。
柄本佑(えもと・たすく)
1986年東京都出身。『美しい夏キリシマ』(03)の主役で俳優デビュー、キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、
日本批評家大賞新人賞受賞。
以降、独特な存在感と演技で『偶然にも最悪な少年』(03)、『ハサミ男』(04)、『69 sixtynine』(04)、
『真夜中の弥次さん喜多さん』(05)、主演映画『17歳の風景 少年は何をみたのか』(05)、『疾走』
(05)など話題の映画出演が続く。また主なドラマ出演作に「赤い月」(04)、「世界の中心で、愛をさけぶ」(04)、
「ウォーターボーイズ2005夏」(05)など。
本年公開作として『ちゃんこ』(06)、『チェケラッチョ!!』(06)、『初恋』(06)、『夜のピクニック』(06)、がある。
最新作に『コワイ女 『鋼-はがね』』(06、11月公開)、『フリージア』(07)などが控えている。
Comment
松雪さんとは今回が初めてのお仕事だったのですが、すごく綺麗な方でドキドキしたのですが、 お話ししていると面白い方だったので楽しく現場を過ごすことが出来ました。若松監督は演技について具体的な動きを指導される方で、 とてもやりやすかったです。本作に出演したことは貴重な経験となりました。
野村佑香(のむら・ゆうか)
1984年神奈川県出身。3歳でCMに初出演。以来、数々の雑誌、CMで活躍。同年代の小学生のファッションリーダーとなる。
『仮面ライダー』(94)で女優デビュー。『あした』(95)、『監金』(01)などの映画、ドラマ「木曜の怪談怪奇倶楽部」
(95~97)、「三姉妹探偵団」(98)、「チェンジ」(98)、「らせん」(99)、のほか舞台、CMなど多数出演。
中村映里子(なかむら・えりこ)
1988年山形県出身。数々の雑誌のモデルを務め、幅広く活動の場を広げる。映画『チェーン 連鎖呪殺』(06)で女優デビュー。
最新作に『猫目小僧』(06)がある。期待の新人映画女優。
寺島進(てらじま・すすむ)
1963年東京都生まれ。松田優作監督作『ア・ホーマンス』(86)で俳優デビュー。『その男、凶暴につき』(89)で注目を浴びる。
以降、『ソナチネ』(93)、『HANA-BI』(98)、『BROTHER』(01)などの北野武作品ほか数多く出演。
近年の作品には『誰も知らない』(04)、『血と骨』(04)、『交渉人 真下正義』(05)、『TAKESHIS'』(05)、
『有頂天ホテル』(05)、『花よりもなほ』(06)などの話題作に多数出演している。『ワンダフルライフ』(00)で高崎映画祭
最優秀助演男優賞、『交渉人 真下正義』(06)で日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞している。
余貴美子(よ・きみこ)
1965年神奈川県出身。『噛む女』(88)で本格的映画デビュー。主演映画に『うみそらさんごのいいつたえ』(92)、『ヌードの夜』
(93)、『GONIN2』(96)がある。
『あ、春』(99)、『学校Ⅲ』(99)で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞他、数々の映画賞を受賞。主な映画出演作に
『傷だらけの天使』(97)、『新・仁義なき戦い』(00)、『釣りバカ日誌11』(00)、『ドラッグストアガール』(04)、
『ホテルハイビスカス』(03)、『さよならクロ』(03)、『東京タワー』(05)、『椿山課長の七日間』(06)など。また、
07年公開作として『愛の流刑地』がある。
Staff Profile
原作:藤田宜永(ふじた・よしなが)
1950年福井県生まれ。早稲田大学文学部中退後、渡仏、エール・フランスに勤務。'80年帰国後、執筆活動に入り、
「野望のラビリンス」(86)で作家デビュー。「鋼鉄の騎士」(95)で日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞特別賞、
「巴里からの遺言」(96)で日本冒険小説協会大賞(短編部門)受賞。「樹下の想い」(97)などで恋愛小説にも新境地をひらき、
「求愛」(99)で島清恋愛文学賞、「愛の領分」(01)で直木賞受賞。ほか著書多数。夫人は直木賞作家の小池真理子。
Comment
原作を読んだ若松監督と松雪泰子さんの情熱が、この映画を作ったといっても過言ではありません。
撮影中、関係者全員が大いに盛り上がったと聞いています。そういう作品は絶対皆さんを喜ばせるはずです。
監督:若松節朗(わかまつ・せつろう)
1949年秋田県生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒。共同テレビジョン所属のテレビドラマ演出家・映画監督。松嶋菜々子主演の
「やまとなでしこ」(00)、5夜連続ドラマ「弟」(04)、「熟年離婚」(05)などの高視聴率番組を手掛け、織田裕二主演
『ホワイトアウト』(00)では上映第1週目で興行成績1位という空前のヒットを記録した。ほか、テレビドラマなど多数。
Comment
本作の原作は、私が日頃から心を痛めていた親子関係の希薄さから生じる痛ましい事件や問題について真摯に受け止めており、 映画監督の話をもらったときに運命的なものを感じ二つ返事で引き受けることにしました。また、 主演の松雪泰子さんは母でもなく恋人でもない女の匂いを出す演技を見事にくれました。 この作品の映画化を手掛けることができたことを誇りに思っています。
脚本:神山由美子
1958年、東京都生まれ。「悪女(わる)」(92)、「いちご白書」(93)、「じゃじゃ馬ならし」(93)、「オンリー・
ユー~愛されて~」(96)、「天うらら」(98)、「ファイティングガール」(01)、「初/体/験」(02)、「黒革の手帖」
(05)、「女の一代記」(05)など、数々のTVドラマの脚本を手がける。近年の映画作品に『アジアンタムブルー』(06)がある。
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子宮の記憶/ここにあなたがいる
2006年/カラー/35ミリ/115分/ヴィスタ
©「子宮の記憶/ここにあなたがいる」製作委員会
公式HPhttp://www.shikyu-kioku.com/
2007年1月13日(土)、シネスイッチ銀座にてロードショー
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