映画音楽家 林光の世界
東京・六本木・ATG外伝 その1
――大島渚、新藤兼人から渥美清、勝新太郎まで――
http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/atg/
『裸の島』『少年』『名もなく貧しく美しく』『やくざ絶唱』
『秋津温泉』……林光が映画音楽を手がけた、
日本映画史上の傑作・秀作ベスト12作品を上映!
昨年(2007)11月に4週にわたり開催され、好評を博した日本映画史にその名燦然と輝かせるATGが残した映画の特集上映〈東京・六本木・ATG〉。その外伝ともいうべき特集上映〈映画音楽家 林光の世界-大島渚、新藤兼人から渥美清、勝新太郎まで-〉を11月8日(土)より11月21日(金)までの2週間、シネマート六本木で開催します。日本を代表するクラシック音楽界の作曲家である林光。喜寿を迎えた今年(2008)は集大成ともいうべきCD20枚と本がセットとなった「林光の音楽」が刊行、盟友 新藤兼人監督の新作も公開されるなど、より大きな注目が林光に浴びせられています。そうした中、行われるのが、この特集上映です。
これまでに手がけた映画音楽は「大小合わせて130本かもう少し」と発言している林光。その130本には新藤兼人、大島渚、増村保造、吉田喜重、松山善三など多くの巨匠、名匠たちの作品が含まれています。この特集上映ではそれらの作品の中から、林光の視点を通した12作品をセレクトしました。いずれも日本映画史上に輝く傑作・秀作ばかりです。その内容は1960年代から1970年代のものがほとんどであり、新藤兼人、大島渚、羽仁進、吉田喜重などATGとかかわりの深い監督の作品が中心となっています。〈東京・六本木・ATG外伝〉とした理由もそこにあります。
11月9日(日)には林光氏もゲストとして登場。自らの映画音楽の秘密について語っていただきます。また、11月19日(水)にはスタディストという肩書きの通りの幅広い知識を持つ、岸野雄一氏が林光の映画音楽の魅力について語ってくださります。その他のゲストも現在調整中です。
ゲストトーク
- 11月9日(日)14:00の回上映後&16:20の回上映前
ゲスト(予定) 林光&スペシャルゲスト - 11月19日〈水〉19:20の回上映後
ゲスト〈予定〉 岸野雄一〈スタディスト・音楽家〉 - その他、調整中
- 前売り券: 1,100円【劇場窓口、チケットぴあ】
- 当日料金:一般 1,300円/学生・シニア 1,000円/サービスデーあり
11月8日(土)より11月21日(金)まで、シネマート六本木で開催
11月8日(土)~10日(月)
『名もなく貧しく美しく』11:30
『裸の島』14:00
『第五福竜丸』16:30
『真田風雲録』19:20
11月11日(火)、12日(水)
『恋の夏』11:30
『白昼堂々』14:00
『アンデスの花嫁』16:30
『第五福竜丸』19:20
11月13日(木)、14日(金)
『秋津温泉』11:30
『恋の夏』14:00
『やくざ絶唱』16:30
『少年』19:20
11月15日(土)
『秋津温泉』11:30
『少年』14:00
『白昼の通り魔』16:30
『やくざ絶唱』19:20
11月16日(日)
『裸の島』11:30
『少年』14:00
『白昼の通り魔』16:30
『白昼堂々』19:20
11月17日(月)
『アンデスの花嫁』11:30
『少年』14:00
『白昼の通り魔』16:30
『白昼堂々』19:20
11月18日(火)、19日(水)
『真田風雲録』11:30
『白昼の通り魔』14:00
『三文役者』16:30
『やくざ絶唱』19:20
11月20日(木)、21日(金)
『名もなく貧しく美しく』11:30
『秋津温泉』14:00
『三文役者』16:30
『裸の島』19:20
『第五福竜丸』(1959年/モノクロ/107分/近代映画協会)
監督・脚本:新藤兼人 脚本:八木保太郎出演:宇野重吉、乙羽信子、小沢栄太郎
毎日映画コンクール音楽賞 受賞
キネマ旬報日本映画ベスト10 第8位
林光が盟友新藤監督とコンビを組んだはじめての作品。ビキニ環礁沖での水爆実験のため被爆したマグロ漁船「第五福竜丸」の乗員と家族の物語をドキュメンタリータッチで描いていく。
『裸の島』(1960年/モノクロ/95分/近代映画協会)
監督・脚本:新藤兼人出演:乙羽信子、殿山泰司
モスクワ映画祭音楽賞 受賞
キネマ旬報日本映画ベスト10 第6位
過酷な自然条件の孤島で畑仕事をしながら、黙々と暮らす家族の姿を描いたヒューマンドラマ。台詞は一切なく、自然音と林光の音楽で語れる世界は圧巻の一言。新藤監督、林光の代表的傑作。
『名もなく貧しく美しく』(1961年/モノクロ/129分/東宝)
監督・脚本:松山善三出演:高峰秀子、小林桂樹
ブルーリボン賞 脚本賞 受賞
キネマ旬報日本映画ベスト10 第5位
脚本家として活躍してきた松山善三監督のデビュー作。聾唖の夫婦が太平洋戦争から戦後にかけての困難を乗り切っていく姿を描いた感動的なメロドラマ。言葉のない主人公に林の音楽が効果的だ。
『秋津温泉』(1962年/カラー/112分/松竹)
監督・脚本:吉田喜重 出演:岡田茉莉子、長門裕之キネマ旬報日本映画ベスト10 第10位
女優岡田茉莉子の出演100本記念として、吉田喜重監督により撮られた悲恋メロドラマの逸品。男と女の情事を時代の変遷に重ねた演出も素晴らしい、松竹ヌーヴェルバーグの代表作。
『真田風雲録』(1963年/カラー/100分/東映)
監督:加藤泰 原作・脚本:福田善之出演:中村錦之助、渡辺美佐子
真田十勇士の物語を独自に解釈した、ミュージカル時代劇。オリジナルは福田善之の戯曲。異色な展開、ミッキー・カーチスなどのキャスティング、ロック・・・、カルトに相応しい1本。
『白昼の通り魔』(1966年/モノクロ/99分/松竹)
監督:大島渚 脚本:田村孟 出演:川口小枝、小山明子、佐藤慶キネマ旬報日本映画ベスト10 第9位
林光が新藤監督と共に印象深いと語る大島渚監督とはじめてコンビを組んだ作品。頻発する白昼の通り魔事件、知人であった犯人の男と襲われた女の関係を軸に人間の内面を抉るドラマ。
『アンデスの花嫁』(1966年/カラー/103分/東宝)
監督・脚本:羽仁進出演:左幸子、アンセルモ福田
キネマ旬報日本映画ベスト10 第6位
羽仁進監督がアンデスでのオールローケーションで描く、ペルーへと嫁いだ日本人花嫁の異文化との邂逅、成長のドラマ。直感を働かせアンデスの風土を描いたという林の音楽も見事。
『白昼堂々』(1968年/カラー/81分/松竹)
監督:野村芳太郎 出演:渥美清/倍賞千恵子/田中邦衛傑作喜劇『拝啓天皇陛下様』(1963)を生んだ渥美清と野村芳太郎のコンビによる“スリ集団”を主人公とした人情喜劇。この翌年、『男はつらいよ』で兄妹となる渥美、倍賞のスリ夫婦も見もの。
『少年』(1969年/カラー/97分)
監督:大島渚出演:渡辺文雄、小山明子、阿部哲夫
キネマ旬報日本映画ベスト10 第3位
当時、世間を大きく揺るがせた「当たり屋」事件をもとに、大島監督が描くロードムービー的ドラマ。少年の細やかな心理描写、それに添う林の音楽が素晴らしい。大島、林コンビ最後の作品。※ニュープリント
『やくざ絶唱』(1970年/カラー/94分/角川映画)
監督:増村保造 脚本:池田一朗出演:勝新太郎、大谷直子、田村正和
大ヒット作『兵隊やくざ』(1965)の勝新太郎と増村監督のコンビが描く、血のつながりのない妹を異常なほど溺愛するばかりにトラブルを起こすヤクザの物語。増村らしさに満ちた愛憎劇。
『恋の夏』(1972年/カラー/100分/東宝)
監督:恩地日出夫 脚本:山田信夫出演:ルノー・ベルレー、小川知子
『伊豆の踊子』、『あこがれ』など青春映画で新境地を開いた恩地監督が描く、フランス人男性と日本人女性の国境を越えたラブストーリー。恩地監督と林光にとっては待望の唯一のコンビ作品。
『三文役者』(2000年/カラー/126分/東京テアトル)
監督・原作・脚本:新藤兼人出演:竹中直人、荻野目慶子、吉田日出子
キネマ旬報日本映画ベスト10 第6位
新藤作品には欠かせぬ役者であった名バイプレイヤー殿山泰司の死までの半生を描いた近代映画協会設立50周年記念作品。殿山、新藤監督にオマージュを捧げた林光の音楽も聞き所。
チケット
- 前売り券: 1,100円【劇場窓口、チケットぴあ】
- 当日料金:一般 1,300円/学生・シニア 1,000円/サービスデーあり
11月8日(土)より11月21日(金)まで、シネマート六本木で開催
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