映画の快楽、快楽の映画
アラン・ロブ=グリエ
レトロスペクティブ
<ヌーヴォー・ロマン>の旗手アラン・ロブ=グリエ、
幻の映画監督作 6 本がついに公開!
2018年11月23日(金・祝)より、
シアター・イメージフォーラムほか全国順次開催
アンチ・ロマン、アンチ・リアリティ、アンチ・イデオロギー。
終わりなき反逆と遊戯の果て、めくるめくエロティシズムの陶酔へ――。
20世紀の世界文学を揺るがしたムーヴメント<ヌーヴォー・ロマン(新しい小説)>の代表的作家として知られる、アラン・ロブ=グリエの幻の映画監督作品を集めた特集上映「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」が、11月23日(金・祝)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次開催される。
1953年に長編小説『消しゴム』を発表したアラン・ロブ=グリエは、60年にアラン・レネ監督『去年マリエンバートで』(第22回ヴェネツィア映画祭金獅子賞)のオリジナル脚本の執筆を契機に映画界にも参入し、63年に『不滅の女』で映画監督デビュー。倒錯的なエロティシズムを描き出す諸作で、作品を発表するたび大きな注目を集めた。フランス芸術界でもっとも誉れ高いアカデミー・フランセーズの会員である一方、つくった映画は輸出禁止になるという、文学・映画界が誇る<偉大な問題児>たるロブ=グリエ。今回のレトロスペクティブでは、80年代に日本劇場公開された『囚われの美女』(83)のほか、今回劇場初公開となる『不滅の女』(63)、『ヨーロッパ横断特急』(66)、『嘘をつく男』(67)、『エデン、その後』(70)、『快楽の漸進的横滑り』(74)の6作品をラインナップした。
公開直前トークイベント
「永遠の前衛、アラン・ロブ=グリエの嗜み方」
ゲスト:菊地成孔(音楽家/著述家/映画評論)、滝本誠(美術・映画・ミステリ評論家)
日程:11月21日(水)20時~(開場:19時30分)
場所:本屋 B&B(東京都世田谷区北沢 2-5-2 ビッグベン B1F)
入場料:前売 1,500 円 + 1 drink/当日店頭 2,000 円 + 1 drink 公式サイト
コメント
- 「ロブ=グリエに触れたとき、いつも自分のいる位相が激しく揺らぐ。その快楽の為に、独りで黙って本を読み、映画を観る。それに勝る神秘体験は、残念ながらこの世界にはない。」中原昌也(ミュージシャン/作家)
- 「この回顧展によって、ついにアラン・ロブ=グリエは、驚異的な映画作家としての全貌をあらわにするだろう。 その想像世界は、ブニュエルやフェリーニのそれに匹敵する外連味をもって輝いている。」 中条省平(映画評論家)
- 「その昔、ロブ=グリエの長篇小説『覗く人』をフーフー言いながら読んだ私は、彼の映画も、スゴいけど退屈な実験映画なのではないかと尻込みしていた。ところが、『ヨーロッパ横断特急』を見て驚いた。面白い!」平野啓一郎(作家)
2018年11月23日(金・祝)より、
シアター・イメージフォーラムほか全国順次開催
- 『不滅の女』【劇場初公開】
(1963 年/フランス=イタリア=トルコ/モノクロ/スタンダード/101 分 原題: L’IMMORTELLE)
出演:フランソワーズ・ブリオン、ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ、カトリーヌ・ロブ=グリエ
イスタンブールに休暇でやってきた男は、白い車を乗り回す謎の美女と出会う。“夢の国”トルコでのアバンチュールを楽しむが…。従来の「劇映画」の概念を大きく逸脱した過激な語り口が世の驚愕と憤怒を同時に招来した、いまだ「新しさ」に満ちた記念すべき監督デビュー作。©1963 IMEC - 『ヨーロッパ横断特急』【劇場初公開】
(1966 年/フランス=ベルギー/モノクロ/ヴィスタ/95 分 原題: TRANS-EUROP-EXPRESS)
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、マリー=フランス・ピジェ、クリスチャン・バルビエール
パリからアントワープへと麻薬を運ぶ男の波乱万丈な道中を多重なメタで構築し、“ヨーロピアン・アバンギャルドの最重要作品”と絶賛され、公開時ヒットを記録。スリラー映画の枠組みを借りてシリアスとコミカル、嘘と真実、合理と非合理の境界を軽やかに行き来する快作。©1966 IMEC - 『嘘をつく男』【劇場初公開】
(1968 年/フランス=イタリア=チェコスロバキア/モノクロ/スタンダード/95 分 原題:L’HOMME QUI MENT)
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン
ナチス傀儡政権下のスロバキア共和国。戦乱にあけくれる小さな村に、レジスタンスの英雄ジャンの親友だと名乗る男が現れる…。ボルヘスの短編「裏切り者と英雄のテーマ」を下敷きに、 L・ピランデッロへのオマージュを込めつつ、「物語」の地平のかなたへ観るもの全てを誘う。©1968 IMEC - 『エデン、その後』【劇場初公開】
(1970 年/フランス=チェコスロバキア=チュニジア/カラー/ヴィスタ/98 分 原題: L'EDEN ET APRES)
出演:カトリーヌ・ジュールダン(『あの胸にもう一度』)、ピエール・ジメール、リシャール・ルドウィック
カフェ・エデンにたむろするパリの学生たち。倦怠と退廃、リビドーが充満するコミュニティに、突如現れた男が話す、知らない遠い国の話…。豪奢に浪費される極彩色、儀式のような SM 遊戯。“『不思議の国のアリス』と『O 嬢の物語』の恐るべき邂逅“と評された初のカラー作品。©1970 IMEC - 『快楽の漸進的横滑り』【劇場初公開】
(1974 年/フランス/カラー/ヴィスタ/106 分 原題: GLISSEMENTS PROGRESSIFS DU PLAISIR)
出演:アニセ―・アルヴィナ、ジャン=ルイ・トランティニヤン、マイケル・ロンズダール、イザベル・ユペール
ルームメイト殺しの容疑で逮捕された美しい女アリス。心臓にハサミが突き刺さっている被害者の体には、書きかけの聖女の殉教の絵。一体なにが…?モラルも常識も超越したセンセーショナルな内容により、各国で上映禁止、フィルムが焼かれる事件まで発生した問題作。©1974 IMEC - 『囚われの美女』(1983 年/フランス/カラー/ヴィスタ/85 分 原題: LA BELLE CAPTIVE)
出演:ダニエル・メグイシュ、ガブリエル・ラズール、シリエル・クレール(『婚約者の友人』)、ダニエル・エミリフォーク
場末のナイト・クラブ。なまめかしく踊るブロンドの美女を、男が見つめている。男の名はヴァルテル。地下組織で情報の運び屋をしている。シュルレアリスム画家ルネ・マグリットの多数の絵画をモチーフに、幻想と官能が交錯する不条理サスペンス。日本で唯一の劇場公開作。©1983 ARGOS FILMS
2018年11月23日(金・祝)より、
シアター・イメージフォーラムほか全国順次開催
- (著):アラン・ロブ=グリエ
- 発売日:2009/4/3
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- (著):アラン・ロブ=グリエ
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