2012年ヴェネチア国際映画祭 ブライアン賞、マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)受賞
2012年サンパウロ国際映画祭 批評家賞受賞
2012年トロント国際映画祭 スペシャル・プレゼンテーション部門正式出品
2012年東京国際映画祭 ワールドシネマ部門正式出品 2012年釜山国際映画祭 ワールドシネマ部門正式出品
2013年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞 助演女優賞受賞
2013年ナストロ・ダルジェント賞 6部門ノミネート(監督・助演男優・助演女優・脚本・美術・録音 )
眠れる美女
http://nemureru-bellocchio.com/
2013年10月19日(土)より、
シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開!
「眠り続ける」女を通して、描かれる三つの愛の形
2009年、ある女性の尊厳死事件がイタリア全土を揺るがした。21歳で事故に遭い、17年間昏睡状態にある女性エルアーナ・エングラーロ。彼女の家族は延命治療の停止を求めて、長い間裁判闘争を続けた結果、延命停止を認める判決を得るが、カトリック教会を始めとする世論の強い反発にさらされることとなった。この実際の事件を基に、ベロッキオは2年の歳月をかけてオリジナルの物語を創作した。それは自分自身の信念をも取り入れながら、多面的な視点からアプローチするものとなった。 大切な人が昏睡状態に陥ったとき、あなたならどうするだろうか。ベロッキオは、そんな永遠の命題への答えを、深く温かい洞察力で示唆に富む物語へと結実させている。妻を看取った政治家とそんな父に不信感を持つ娘、昏睡する娘の目覚めを願う元女優、自殺願望のある女を救おうとする医師、この三組の物語を同時展開させながら、生と死を見つめる人間のまなざしを丹念に追う。
巨匠ベロッキオが実際の事件を基に2年の歳月をかけて、丁寧に紡ぎ出した傑作
2011年ヴェネツィア国際映画祭でその業績を讃えられ栄誉金獅子賞を授与されたイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。『夜よ、こんにちは』『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』など、実際の事件を独自の解釈で描き、世界を熱狂させてきた監督が、今回注目したのはイタリア全土を揺るがした尊厳死事件だ。この事件を映画へと昇華するには時間が必要だと感じたベロッキオは2年の歳月をかけて、瑞々しく、鮮烈な愛の物語を完成させた。第69回ヴェネツィア国際映画祭を皮切りに、各国の映画祭での上映オファーが殺到した。現イタリア大統領ナポリターノ(2013年6月現在)も本作を鑑賞し、賛辞を送ったことが話題となった。
名優たちが繰り広げる、即興をも取り入れたスリリングな演技の応酬
悩める政治家ベッファルディを演じるは、イタリアの至宝トニ・セルヴィッロ。良心と政党の方針の間で揺れる心情を繊細に表現している。共演には、カンヌ国際映画祭で2度の女優賞に輝いた、フランスの大女優イザベル・ユペール、本作の演技でイタリアのアカデミー賞ともいわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞助演女優賞を獲得したマヤ・サンサら、円熟した役者が集結した。ほとんどが即興だという彼らの迫真の演技には思わず息を呑む。ヴェネツィア国際映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)を受賞した驚異の新星ファブリツィオ・ファルコにも注目してほしい。
マルコ・ベロッキオ監督メッセージ
この映画を着想したのはエルアーナ・エングラーロのとても長く、広く公にさらされた死を取り巻く、高ぶった感情からだった。
私はイタリア人たち、メディア、政治家、教会の保守的な叫びに、特にショックを受けた。彼らの反応は、彼女の父親に対して私が感じた孤独や賞賛とは、全く対照的なものだった。
しかし、私はこの論争の一面だけを捉えることによって、自分の想像力を摘み取ってしまう恐れがあるのではないかと気付いた。自分の水平線を広げ、自分の視点を広げる時間が必要だと考えた。
待たなければいけなかった。アイデアを具体的に再開し、過程を深め、エルアーナの件とは全く関連性のないストーリーを作りあげるまでに2年の歳月を要した。これらの新しいプロットはそれぞれが自立していて、エルアーナ事件よりもずっと前の出来事、私自身の全人生から引き出されたものだ。子ども時代、青春時代、家族、カソリック教徒として育ったこと、私自身の政治的妥協、道徳観、知的一貫性の重要さ、そして最後に、命の危険があり、それでもなお回復、再生の見込みがある状況に直面したとき、諦めることを拒否すること。ロッサとパッリドのように。
私の辿ってきた道が、その後、本作の様式、映像、ドラマの構造を決定したのだ。あるいは、そういった要素がまるで自立しているかのように進化していったのかもしれない。
撮影中、演技のほとんどは即興だった。だいたい脚本を追ってはいるが、編集の段階で省かれていった。
エルアーナの死がなければ、本作が目覚めることはなかっただろう。本作には偏見がなく、予測できる結末もないが、中立的な描き方をしているわけでもない。私はアートには中立など存在しないと思っている。この映画は誠実でイデオロギーに基づいてはいない。ある種の意見表明でもない。私は他の見方にも余地を残しているのだ。私は本作のテーマが熱い議論を生み出し、本作への共鳴を呼ぶことを祈っている。
出演:トニ・セルヴィッロ,イザベル・ユペール,アルバ・ロルヴァケル,ミケーレ・リオンディーノ,
マヤ・サンサ,ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ,ファブリツィオ・ファルコ
監督・原案・脚本:マルコ・ベロッキオ
脚本:ヴェロニカ・ライモ、ステファノ・ルッリ 製作:リカルド・トッツィ
撮影監督:ダニエーレ・チプリ 編集:フランチェスカ・カルヴェッリ 美術:マルコ・デンティチ
衣装:セルジョ・バッロ 音響:ガエターノ・カリート 音楽:カルロ・クリヴェッリ
2012年/カラー/スコープサイズ/115分/イタリア語/イタリア=フランス/原題「Bella Addormentata」
提供:新日本映画社/配給・宣伝:エスパース・サロウ/後援:イタリア大使館/特別協力:イタリア文化会館
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http://nemureru-bellocchio.com/
2013年10月19日(土)より、
シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開!
- 監督:マルコ・ベロッキオ
- 出演:ジョヴァンナ・メッゾジョルノ, フィリッポ・ティーミ, ファウスト・ルッソ・アレン, ミケーラ・チェスコン, ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ
- 発売日:2012/03/24
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- 監督:マルコ・ベロッキオ
- 出演:マルーシュカ・デートメルス, フェデリコ・ピッツァリス, アニータ・ラウレンツィ
- 発売日:2005/12/22
- おすすめ度:
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