神戸アートビレッジセンター [KAVC]では、8月17日（土）～8月22日（木）の5日間にわたり、「藤田敏八監督特集上映 ～「パキさん」が残したもの～」と題して、藤田敏八監督作品 6 作品の上映と関連イベントを開催する。

日本映画界が斜陽になり、各映画会社がそれぞれ活路を見いだそうと模索していた1970年代、後にロマンポルノに移行していった日活の前哨戦的な時期に、気だるく無軌道な若者達の姿を描いた青春映画を撮って多くの傑作を生み出したのが、「パキさん」の愛称で今もファンから親しまれている藤田敏八監督だ。
藤田監督は、日活がロマンポルノに移行した後も青春映画を撮り続け、当時「しらけ世代」と呼ばれた若者たちから強い支持を受けた。が、その期間は短く、時代とともにその熱狂は去ってしまう。本特集上映では、藤田敏八監督が映画史に残したものはなんだったのか、作品と映画製作当時を知る人物を通じて探っていく。
藤田敏八監督ファンも一度も観たことがないという人も、是非この機会に藤田敏八監督作品の魅力に触れてみて欲しい。

監督プロフィール

藤田敏八（ふじた としや）　映画監督、俳優。1932 年 1 月 16 日朝鮮 平壌で生まれ育つ。東京大学仏文科卒業。昭和 30 年、日活に助監督として入社。『非行少年陽の出の叫び』で監督デビュー。仲間内から『パキさん』の愛称で呼ばれる。『八月の濡れた砂』『赤ちょうちん』『バージンブルース』など時代を敏感に反映した作品を世に送り出し、若者の支持を得る一方、『ツィゴイネルワイゼン』では俳優として出演。以降、中年世代の終わらない青春像を描き、青春映画の騎手として活躍。1997 年 8 月 29 日 65 歳で没。

料金：一般 1200 円（前売 1000 円）、かぶっクラブ会員 1000 円（前売 900 円）
【三回券（当日・前売共に） 】一般 3000 円、かぶっクラブ会員 2700 円
※全て期間中のみ有効

『野良猫ロック　ワイルド・ジャンボ』(1970/日活)
© 日活出演：梶芽衣子　范文雀　地井武男　藤竜也　夏夕介　前野霜一郎　和田アキ子(特別出演)
虚名の巨人体制に反逆する現代の若者がスリルとスピードとパンチ溢れる行動をするアクション篇。 作品紹介
上映スケジュール：8月19日(月) 15:05～／8月21日(水) 12:55～／8月22日(木) 15:35～（終演後、岡田裕×大森一樹 トークイベント有）

© 日活『八月の濡れた砂』(1971/日活)
出演：村野武範　広瀬昌助　テレサ・野田　藤田みどり　渡辺文雄
夏の湘南を舞台に、若者の持つけだるい感性をスピードとセックス、バイオレンスによって描いた異色青春ドラマ。 作品紹介
上映スケジュール：8月17日(土) 12:15～／（終映後、石川セリライブ&トーク有）／8月18日(日) 12:55～／8月22日(木) 11:00～

© 日活『赤ちょうちん』(1974/日活)
出演：高岡健二　秋吉久美子　長門裕之
フォーク・グループかぐや姫の歌うヒット曲『赤ちょうちん』をモチーフに映像化した名作。藤田敏八監督と秋吉久美子による青春映画第1弾。 作品紹介
上映スケジュール：8月18日(日) 14:50～／8月19日(月) 16:50～／8月22日(木) 12:55～／（終映後、岡田裕×大森一樹 トークイベント有）

© 日活『妹』(1974/日活)
出演：秋吉久美子　林隆三
喧噪とした現代に、二人だけで寄り添って生きる、兄と妹の哀歓を描く。『赤ちょうちん』に続く青春映画第2弾。 作品紹介
上映スケジュール：8月17日(土) 15:00～／8月18日(日) 11:00～／8月21日(水) 11:00～

© 日活『バージンブルース』(1974/日活)
出演：秋吉久美子　清水理絵　長門裕之　野坂昭如
野坂昭如の同名ヒット曲をモチーフに中年男とバージン娘の逃避行を描いた青春映画第3弾。 作品紹介
上映スケジュール：8月18日(日) 16:45～／8月19日(月) 13:00～／8月21日(水) 16:40～

© 日活『帰らざる日々』(1978/日活)
出演：江藤潤　水島敏行　浅野真弓
めくるめく夏の日の栄光はガラスのようにもろく砕けて――。ほろにがい想い出にうずく青春の傷あと。中岡京平の第三回城戸賞受賞作「夏の栄光」を映画化。 作品紹介
上映スケジュール：8月17日(土) 16:55～／8月19日(月) 11:00～／8月21日(水) 14:40～