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愛を読むひと

第81回アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞!!
――主要4部門 作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞ノミネート――

6月19日(金)より、
TOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国ロードショー

INTRODUCTION

世界中が涙した大ベストセラー小説「朗読者」待望の映画化!

『愛を読むひと』11995年、当時はまだ無名だったドイツの作家が書いた小説が、世界中で一大ブームを巻き起こした。「朗読者」──無機質な響きのタイトルとは裏腹に、ページをめくる手を早めるミステリアスな展開と、胸をかきむしるような愛の物語が人々の心を捉え、出版からわずか5年間で20以上の言語に翻訳された。作家や評論家は特別な言葉で綴った賛辞を贈り、読んだ人たちは口をそろえて「感動した、涙が止まらなかった」と語る。熱狂の渦はさらに拡がり、アメリカでは200万部を越える大ベストセラー、日本でも海外文学としては異例のミリオンセラーを記録した。年齢や国境を越えて、幾多の人々の“生涯心に残る一冊”になった「朗読者」、遂に待望の映画化が実現した。

「愛している」の代わりに、本を読んだ──
少年の日の恋が、無償の愛へと変わるまでを描く、至高のラブストーリー

『愛を読むひと』21958年、ドイツ。15歳のマイケルは、具合の悪いところを助けてくれた、21歳年上のハンナと恋におちる。マイケルは毎日のようにハンナの部屋に通い、二人は激しく求め合った。やがてハンナは彼に本の朗読を頼み、それが二人の愛し合う前の儀式となる。チェーホフ、ヘミングウェイ、カフカ……ハンナを喜ばせたい一心で読み聞かせた名作の数々、全てが輝いて見えた一泊の自転車旅行──マイケルは初めての大人の恋にのめりこんでいくが、ある日突然、ハンナは姿を消してしまう。
8年後、衝撃の再会が待っていた。法学専攻の大学生になったマイケルが法廷で見たハンナは、戦時中の罪を裁かれる被告人の一人だった。ハンナは、ある秘密を隠し通すために不利な証言を認め、自分だけ無期懲役の判決を受ける。自由を犠牲にしてまで隠したい秘密とは、いったい何だったのか? 時は流れ、ハンナとの出逢いから20年。結婚と離婚を経験したマイケルは、彼女の最後の朗読者になることを決意し、朗読を吹き込んだテープを刑務所に送り続けるのだが……。
暴かれたハンナの過去への怒りと悲しみ、彼女の秘密に気づきながら助けられなかった悔恨、今なお忘れられない愛の記憶……様々な想いに引き裂かれながら、朗読を続けるマイケル。情熱的な欲望から始まった恋は今、無償の愛にたどり着いた。覚悟があるから、愛は美しい──『愛を読むひと』は、愛が手軽になってしまった現代に生きる私たちに、人を愛することの美しき重みを教えてくれる。

ケイト・ウィンスレット、新たな代表作の誕生

『愛を読むひと』3ハンナを演じるのは、『いつか晴れた日に』『タイタニック』でアカデミー賞にノミネートされたケイト・ウィンスレット。本作で念願の最優秀主演女優賞を受賞、ゴールデン・グローブ賞など数々の賞も受賞している。原作者は映画化を許可した時から、ハンナ役に彼女を思い描いていたという。36歳から30年間にわたるハンナの人生をまさに生き抜き、間違いなく本作が代表作となった。
少年時代から大学生までのマイケルには、ドイツ期待の新進俳優デヴィッド・クロス。70年代以降のマイケルには、『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』でアカデミー賞にノミネートされたレイフ・ファインズ 。テープレコーダーに向かって、ハンナのために何冊も何冊も朗読を続けるその姿は、魂をかき乱す気高くも切ない愛のシーンとなった。
その他、『ショコラ』のレナ・オリン 、『ヒトラー/最後の12日間』のブルーノ・ガンツアレクサンドラ・マリア・ララが、重要な脇役を演じている。

アカデミー賞常連組が名を連ねる、ハリウッド最高のスタッフたち

世界的ベストセラーの映画化という重圧を担ったのは、スティーヴン・ダルドリー監督。長編デビュー作『リトル・ダンサー』、2作目の『めぐりあう時間たち』、そして3作目の本作と、すべてアカデミー賞監督賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。格式高い原作のイメージを守りつつ、官能的なシーンや物語の衝撃的な展開では、映像の持つ力を存分に発揮した。
『めぐりあう時間たち』に続き、本作でもアカデミー賞にノミネートされた脚色のデヴィッド・ヘアは、原作にはない希望が優しく香るシーンをラストに書き加えた。ドイツでのロケで、時代によって異なる雰囲気を見事に撮り分けた撮影は、『ミッション』でアカデミー賞を受賞したクリス・メンゲス。衣装は、『イングリッシュ・ペイシェント』で同賞を獲得したアン・ロス。
また、プロデューサーとして名を連ねたのは、『イングリッシュ・ペイシェント』でアガデミー賞監督賞を受賞したアンソニー・ミンゲラ と、『愛と哀しみの果て』で同賞を受賞したシドニー・ポラック 。惜しくも二人は2008年、映画の完成を待たずに、相次いでこの世を去った。本作は映画界の巨星二人が、最後に見た夢でもある。

6月19日(金)より、
TOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国ロードショー

Production Note

大物プロデューサーたちが映画化を望んだ世界的大ベストセラー

『愛を読むひと』4ドイツでは、教科書にまで取り上げられている小説「朗読者」。アメリカで出版されるやいなや、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラーリストのトップを飾った。これは、ドイツの小説としては、初めてのことである。ロサンゼルス・タイムズ紙も「格式高く美しく、心をかき乱し、最後には間違いなく衝撃に打ちのめされる小説」と絶賛した。
さらに、オプラ・ウィンフリーの人気ブッククラブのリストに選ばれて幅広い注目を集めた。ウィンフリーは、「たった218ページの本がこれほど感情をかき立てるとは、誰が想像したでしょう?」と問い掛けている。一方で、恋におちる主人公のハンナとマイケルの年齢差が物議を醸した。ウィンフリーは、「この関係を好きにならなくても小説を好きになることはできる。私もこの関係を容認はしない。でも、もしこの少年をもう少し年上にしたら、全く別の物語になってしまったでしょうね」と語っている。
1996年、この小説の映画化権を、ハーヴェイ・ワインスタインとミラマックス映画が取得する。ワインスタインの強い希望で、アンソニー・ミンゲラと製作パートナーのシドニー・ポラックが関わり、ミンゲラが脚本と監督を担当することになった。
それから10年後、ミンゲラはスティーヴン・ダルドリーから、自分が監督できる可能性があるかどうかを尋ねられる。ダルドリーは、「『朗読者』は、ずっと心に残る小説だ。そんな小説を映画にしたいと思っていた」と語る。自分がこの作品を監督するには、まだかなり時間がかかると悟ったミンゲラは、必ず次の作品として作ること、そして自分とポラックがプロデューサーとして残ることを条件に、ダルドリーが監督することに同意した。

過去と現在を行き来する構成に変えて、新たなエピソードを書き加えた脚本

ダルドリー監督は、『めぐりあう時間たち』で仕事を共にしたデヴィッド・ヘアに脚本を依頼、ヘアもこれを快諾した。「ダルドリーとのつながりは非常に深く、共に戦争を戦った仲間のようだ。互いの強さも弱さもわかっている」と、ヘアは語る。
3部に分かれ、年代順に展開する原作とは異なり、『愛を読むひと』の脚本は、時代を飛び越える。始まりは、1995年。結婚と離婚を経た主人公のマイケルが、久しぶりに娘に会おうとしている。時代はすぐに1958年に遡り、マイケルとハンナの初めての出会いが描かれる。そして物語は、50年代から順に進みながら、時折95年の“現在のマイケルと娘の交流”がはさまれる。この娘とのエピソードが、原作にはない映画のオリジナルで、作品に未来の希望を与えている。戯曲家、演出家、作家でもあるヘアは、「映画館に入った瞬間、すぐに予測できるキャラクターと物語展開を見せられるのはうんざりだ」と言う。「どんなジャンルにも属さないものだけに興味があり、自分の作品でもそれを目指している
脚本の最終稿を書き上げれば、全く製作と関わらない脚本家がたくさんいる中で、ヘアはダルドリー監督の映画製作プロセスに喜んで参加した。「ダルドリーは、深いレベルの協力をする人間としか仕事をしない。一緒に仕事をした中で一番徹底した監督だ。何事も偶然にレンズを通すようなことはしない」 原作者のベルンハルト・シュリンクも少なからず映画に関わり、ハンナとマイケルが自転車旅行中に入る戸外のカフェのシーンに、エキストラとして出演している。シュリンクは「自分の小説を優れた監督、優れた脚本家に委ね、素晴らしいことが起こるのを期待した。実際に素晴らしいことが起こった」と語っている。

ウィンスレットの成熟を待っていたかのような、映画化のタイミング

『愛を読むひと』5 原作者のシュリンクは、最初からハンナ役の女優に、ケイト・ウィンスレットを思い描いていた。「ウィンスレットは常に第1候補だった」と彼は言う。「官能的で、現実味のある、まさにハンナのような女性だ
ウィンスレットは、原作との出逢いをこう語る。「本を読むのは遅いほうなの。でもこの小説は途中でやめることができなくて、1日で読み終えたわ」だが、当時ウィンスレットはまだ27歳で、この役に挑むには若すぎると感じていた。「もう少し年上なら、この素晴らしい役が出来るのにと思ったわ
そのため、ダルドリー監督が2007年初頭に連絡をしてきた時には、彼女は本当に驚いたと語る。「信じられなかった。感激したわ。最初は不安だったけれど、監督と話しているうちに、私にも出来るかもしれないと思い始めたの」彼女は、この役を演じるにあたって、肉体的にも内面的にも、十分に成熟していたのだ。
ただし、肉体的な面では、技術的な助けが必要だった。ハンナが30代半ばから60代後半に至るまでのプロセスを助けたのが、ヘアメイクデザイナーのイヴァナ・プリモラックである。「歳をとったハンナを作り出すメイクと特殊ボディメイクに4時間かかったわ」とウィンスレットは振り返る。彼女は簡単だが効果の薄いパッド付きの衣装を着る代わりに、年取ってたるんだ身体を表現するためのラテックスのボディスーツを身に着けた。彼女が歩き回っている間、他の人間はその容姿にショックを受けたようだが、「私は鏡を見るのも、自分が鬼婆に見えるのも気にならなかった」と笑いながら言う。「それがこのキャラクターにもっと深い奥行きを与えてくれたの。私に全て演じさせてくれたことに感謝しているわ
ハンナを演じる上で、高度な演技力を要求されることの一つに、“二つの秘密の伏線”がある。収容所の看守をしていたという過去と、自由を手放してでも隠し通した秘密と。二つの秘密が暴かれた時、観客を驚かせると同時に、納得させなければならない。たとえば、自転車旅行で立ち寄った教会で、歌う子供たちを見て、ハンナは泣きじゃくる。観客の目はマイケルの視点と重なり、少し奇妙に思いながらも、きっと感動しているのだろうと考える。しかし、裁判で、あまりにも悲しい本当の理由が明かされる。
撮影を終えて、ウィンスレットはこの役を演じたことは、「女優としても、自分の人生にとっても、本当に貴重な体験だった」と語る。「この映画のとてもユニークなところは、答えがないことなの。とても美しくて純粋なラブストーリーだわ

「天からの贈り物」と監督に絶賛されたドイツの新進俳優

ダルドリー監督は、少年時代のマイケル役に、ドイツ人の若者を見つけようと心に決めていた。何度もオーディションが繰り返された結果、これが3本目の映画出演となるデヴィッド・クロスが抜擢された。
言語指導のウィリアム・コナーチャーの指導の下、クロスは毎日7時間に及ぶ練習を行った。それは英語の習得に留まらず、ラテン語でホラティウスを、ギリシャ語でサッフォーを、さらに本作で朗読する様々な文学の読み方を学ぶ作業だった。
ラブシーンは、配役時に15歳だったクロスが18歳になってから撮影するように、スケジュールが組み立てられた。「僕にとって初めてのベッドシーンだった」とクロスは恥ずかしそうに語る。「監督の指示はとてもシンプルだから、俳優にとっては非常に助かる。一番難しいのは、物語の研究、他の俳優とのリハーサル、キャラクターの感情についての話し合いなど、準備段階だ。でもいったん撮影が始まると、すごく楽しかったよ
ウィンスレットのことはほとんど知らなかった」とクロスは認める。『タイタニック』でしか見たことがなかったのだ。「彼女は率直で、経験豊かな人だ。彼女との共演は、最高だった」とクロスは語る。ウィンスレットは、クロスに積極的にアドバイスをしたという。「たぶんこんな気持ちだと思うから、こうしてみたら」という彼女の意見を、クロスは素直に自分の演技に取り入れて、飛躍的に成長した。ダルドリー監督も「非常に複雑なこの役に、豊かな感情と鋭い知性を持つ若者を得られた。天からの贈り物だ」とまで絶賛している。

原作以上に、脚本に惹き付けられたレイフ・ファインズ

『愛を読むひと』6年を重ねたマイケルを演じるのは、レイフ・ファインズだ。すでにミンゲラがファインズに原作を渡し、ダルドリー監督とヘアも彼に即決したが、ファインズ本人は、原作以上に脚本に惹き付けられた。「非難、裁き、罪、愛、性についての非常に複雑な感情の問題を、バランスよく捉えている。結局は、人間性を描いた物語なんだ」と彼は言う。「優れた脚本はしばしばシンプルに見えるが、そのシンプルなシーンには大きなものが含まれている。この脚本の美しさは、言葉の中にある。それは普通の会話のように思えるが、その底には、全く違う意味が重なり合っている」また、マイケルが自分の過去に折り合いをつける重要な役として描かれているからこそ、この役を演じたいと思ったと言う。
ファインズは、ダルドリー監督と共に役作りの準備をした。「監督はいつも問い掛けていた。素晴らしいことだ」とファインズは振り返る。「マイケルはハンナのことを本当はどう思っているのか? 自分が関係を持った人間をどう裁くのか? その関係は今も自分の心に残っているのか? こういった質問を繰り返したが、それはとても大切なことだった。答は一つじゃないからだ。こういった問い掛け全てを、監督はきちんと育んでいった。時間をかけて一つ一つのシーンを俳優に理解させ、撮影中に演技を変更することさえ許してくれた。彼に信念があるからだ。素晴らしい仕事の仕方だ。俳優に自由を与えてくれるのだからね

ドイツでの撮影に、徹底的にこだわったダルドリー監督

ダルドリー監督は、ドイツでの撮影にこだわった。世界的にも有名なドイツの物語だからこそ、そこを舞台にしたかったのだ。ベルリンに滞在し、2年間かけて優れたドイツ人スタッフとドイツ人俳優を探した。
ドイツ人スタッフと共に、ドイツで製作するのが、この映画を作る唯一の方法だった」とダルドリー監督は語る。「ドイツの舞台・映画で活躍する素晴らしい人たちとの仕事に胸が躍った。伝説のブルーノ・ガンツもそうだ
数シーンはニューヨークで撮影されたが、主な撮影は、ベルリン、ゲルリッツ、ケルンといったドイツの都市でおこなわれ、いくつかの野外シーンはドイツとチェコ共和国の国境にある田園地方で撮影された。

完成を観ずに亡くなった、二人の偉大なプロデューサー

2008年初頭、本作の製作中にプロデューサーのアンソニー・ミンゲラとシドニー・ポラックが亡くなった。ミンゲラは3月に54歳で、そのたった2ヵ月後にポラックは73歳で亡くなった。「二人は大きな大黒柱だった」とダルドリー監督は語る。そして「この偉大な人たちのことを知る我々全員が、二人が完成した映画を観ることなく亡くなったことに打ち砕かれた」と付け加える。
しかし、多くの意味で、彼らの精神がこの作品を導く手助けをした。「いつもダルドリーと僕は、『ポラックは僕らがしていることに満足しているかな?ミンゲラは気に入ってくれるだろうか?』と互いに問い掛けていた」と、ヘアは振り返る。二人の死後も、その存在感は、撮影現場や編集室に残っていたと言う。「我々のこの映画に対する意欲を、二人はきっと誇りに思ってくれていてくれるだろう

C R E D I T

スタッフ
監督:スティーヴン・ダルドリー 脚本:デヴィッド・ヘア 原作:ベルンハルト・シュリンク (原作「朗読者」)
製作:アンソニー・ミンゲラ 製作:シドニー・ポラック 撮影:クリス・メンゲス、ロジャー・ディーキンス
美術:ブリジット・ブロシュ 編集:クレア・シンプソン 音楽:ニコ・ムーリー 衣装:アン・ロス

キャスト
ケイト・ウィンスレット(ハンナ・シュミッツ役) レイフ・ファインズ(マイケル・バーグ役1970~90年代)
デヴィッド・クロス(マイケル・バーグ役1950年代~60年代) レナ・オリン(イラナ・メイザー/ローズ・メイザー役)
ブルーノ・ガンツ(ロール教授役) アレクサンドラ・マリア・ララ(若き日のイラナ・メイザー役)

2008年/アメリカ/英語/カラー/ヴィスタ/SRD・SR/124分/
原題:THE READER/日本語字幕:戸田奈津子
提供:ショウゲート、博報堂DYメディアパートナーズ 配給:ショウゲート
原作:ベルンハルト・シュリンク著「朗読者」(翻訳:松永美穂、新潮文庫刊)
(c) 2008 TWCGF Film Services II, LLC. All rights reserved.
http://www.aiyomu.com/

6月19日(金)より、
TOHOシネマズ スカラ座ほかにて全国ロードショー

朗読者 (新潮文庫) (文庫) 朗読者
2009/05/03/11:30 | トラックバック (0)
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