映画祭 1968
叛逆の時を見つめることから
2012年1月28日(土)~2月3日(金)オーディトリウム渋谷にて上映!
1月28日(金)14:00~20『日大闘争』『続日大闘争』上映後 眞武善行:元日大芸術学部闘争委員会委員長
1月29日(日)19:50~20:10『光の雨』上映前 高橋伴明監督:代表作に『BOX 袴田事件命とは』『光の雨』
1月30日(月)19:25~45『マイ・バック・ページ』上映前 山下敦弘監督:近年の作品に『マイ・バック・ページ』『天然コケッコー』
1月31日(火)12:30~50『東風』上映前 上野千鶴子:社会学者、フェミニスト。近著に『ケアの社会学』(太田出版)
1月31日(火)22:20~40『日大闘争』『続日大闘争』上映後 塚本公雄:日大全共闘映画班。『続日大闘争』の撮影を一部担当。
2月1日(水)22:30~50『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』上映前 若松孝二監督:近年の作品に『キャタピラー』『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』
2月2日(木)17:55~18:15『パルチザン前史』上映前 大津幸四郎:『圧殺の森-高崎経済大学闘争の記録-』や『パルチザン前史』を撮影。
2月3日(金)20:50~21:10『圧殺の森-高崎経済大学闘争の記録-』上映前 笠井潔:ミステリ作家、批評家。代表作に「矢吹駆シリーズ」
『日大闘争』『続日大闘争』!
十数年ぶりに所在がわかり、修復のうえフィルム上映!
『日大闘争』『続日大闘争』
『東風』©1969 Gaumont - Polifilm - C.C.C. Filmkunst映画『マイ・バック・ページ』における学生運動は私たちには想像できない世界でした。
彼らは何のために戦ったのか。私たちが生まれる前に何があったのか。
そして何故こんなにも、この映画の終わり、学生運動の終わりはもの悲しい気持ちにさせるのか。
最初はそのような小さな疑問でした。
しかし、その疑問から始まりを調べて行くにつれ、この時代の異様な熱気が、その時代の映画から、
またはその時代を舞台にした映画からとめどなくあふれているように感じられました。
1960年代、世界は革命運動という流れに包まれていました。
映画もまた、その多くの革命と同様に、革命的な変化を遂げていました。
映画作家は撮影所から現場へカメラを持ち出し、その熱気をフィルムに収めました。
私たちはこの時代の熱気がこめられた数多くの映画の中から、選りすぐりの作品を一同に集め、上映することにしました。
あの運動の是非を、歴史的意味を映画から判断することはできない。
でも、ここに集まった映画は、あの時代がなければ生まれることはなかった。
私たちはこの映画祭で、学生運動の是非や偏見から捉えられがちなそれらの革新的な「映画」を、
今の学生の視点で、改めて評価したい。この映画祭の中には暴力と非合理性があるかもしれない。
しかし、そのフィルムに焼きついている「新しさ」を求めて、映画を上映します。
映画祭には当時を生きた人々、この時代をテーマに後に映画を撮った人々をゲストに招きます。
いくつもの時代が交錯する、現役の日芸生による企画です。
主催:日本大学芸術学部映画学科理論・評論コース3年、オーディトリウム渋谷
会場:オーディトリウム渋谷 日時:2012年1月28日(土)~2月3日(金)
チケット:前売り一般800円/学生800円 三回券2,100円 当日券一般1,200円/学生1,000円 三回券2,700円
公式サイト:http://eigasai1968.com/
『圧殺の森‐高崎経済大学闘争の記録‐』
( 監督:小川紳介/1967年、モノクロ、105分、16mm )
群馬県にある高崎経済大学を舞台に繰り広げられる学生闘争を追った作品。学校側の裏口入学が問題となり、学生たちの闘争心に火をつけ、彼らは学内にある学生ホールを占拠し学校と対立した。当事者たちの中に入り込み、彼らと同じ視点から描く小川ドキュメンタリーを確立した記念碑的作品。DVD未発売。
『絞死刑』( 監督:大島渚/1968年、モノクロ、117分、35mm )
ある日、死刑執行が何故か失敗した。在日韓国人である被告を、もう一度処刑台へ送るため執行人たちは奔走する。国家も個人も飲み込む「社会」という怪物の様々な姿を鋭く強烈なユーモアにしてしまった本作は、1968年度キネマ旬報ベストテン第3位、及び脚本賞に輝き、監督自身初のカンヌ出品作となった。『日大闘争』『続日大闘争』
( 製作:日大全共闘映画班/1968年、モノクロ、113分、16mm )
「学生運動のない大学」の学生が、大学当局の20億円使途不明金問題をきっかけに、68年5月に全共闘を結成。244日におよぶ校舎占拠、9月30日の大衆団交「勝利」の瞬間までを描く『日大闘争』。『続日大闘争』はその後を追った続編。叛逆のバリケードの中で闘い、生きた学生を日大生自らが撮影した二本立て。十数年ぶりのフィルム上映。
『緋牡丹博徒』( 監督:山下耕作/1968年、カラー、98分、35mm )
女任侠スター藤純子のシリーズ第一作。”緋牡丹のお竜”が女ながらの義理と人情のしがらみの中に生き、きりっとした中にも女らしさを秘めた物腰が実に魅力的。22歳で主役を張った藤純子は、全国から拍手喝采で受け入れられ、不動の人気を獲得する。監督には名匠山下耕作を迎え、東映任侠映画は頂点に達した。『東風』( 監督:ジャン=リュック・ゴダール/1969年、カラー、97分、35mm、Blu-ray上映 )
「ヌーヴェル・ヴァーグ」の旗手ゴダールが、1969年当時のイタリアにおける五月革命の余波を映画に収めた作品。ゴダールが「ジガ・ヴェルトフ集団」を名乗り映画と政治の関係性を積極的に題材にしていた時期であり、同作では音と映像が氾濫する実験的な手法で、階級闘争、映画そのものの革命にまで迫る。『パルチザン前史』( 監督:土本典昭/1969年、モノクロ、120分、16mm )
水俣病の映画で知られるドキュメンタリーの巨匠、土本典昭監督が撮った。土本典昭監督が小川プロで撮った唯一の作品。「日本のゲバラ」と呼ばれた革命家・滝田修と緊密な関係となり、京大闘争を中心に権力・機動隊と闘う様子が収められる。「学生運動」の域を超えた内乱を目の当たりにする。DVD未発売。『死者よ来たりて我が退路を断て』
( 製作:グループびじょん/1969年、モノクロ、65分、16mm、DVD上映 )
日大芸術学部は堅牢なバリケードを築き、1968年の秋から学生たちは「芸」と記されたヘルメットを被り、権力と戦っていた。日本映画新社の有志が「グループびじょん」としてその中に潜入し、機動隊が突入する翌年の2月までの間に渡って撮影した、自主制作の記録映画である。
『69 sixty nine』( 監督:李相日/2004年、カラー、114分、35mm )
ベトナム反戦運動、エンタープライズ闘争、そして大学紛争が激化していた1969年。長崎・佐世保の高校生ケン(妻夫木聡)は、憧れの女性レディ・ジェーン(太田莉菜)のハートを射止めるためにフェスティバルを企てる。次第にそれは大事件に発展していき…。脚本は演劇界の鬼才・宮藤官九郎。『フラガール』で大ブレイクする直前の李相日監督の愛すべき傑作。『光の雨』( 監督:高橋伴明/2001年、カラー、130分、35mm )
物語の登場人物たちによって、小説『光の雨』が“映画化”されていく。「革命」「革命戦士」「自己批判」「総括」「アジテーション」「オルグ」「セクト」「赤色パルチザン」そして、「連合赤軍」。現在と過去が交差することで、「運動」から一歩距離を置いた視点が生まれる。「当時」を知らない私たちに最も近い立場から、「あの時代」を考えさせてくれる。『ドリーマーズ』( 監督:ベルナルド・ベルトルッチ/2003年、カラー、117分、35mm、R-15+ )
1968年、5月革命前夜のパリ。アメリカ人留学生マシューは、不思議な双子の姉弟と出会い親密な関係になっていく。『ラストエンペラー』を世に放った巨匠ベルナルド・ベルトルッチがどうしても撮りたかった革命世代への感化。当時抗議行動をしたジャン=ピエール・レオーが、同じ動作を見せる現在の姿も感動的だ。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
( 監督:若松孝二/2008年、カラー、190分、35mm、R-15+ )
第58回ベルリン国際映画祭の最優秀アジア映画賞・国際芸術映画評論連盟賞など、様々な賞を受賞。日本中を騒然とさせた、あさま山荘事件。あの事件はなぜ起こったのか。連合赤軍側からの視点で、彼らの生き様や事件までの道程を力強く描く。鬼才・若松孝二監督が「この作品を撮らないことには死ねない!」と語ったほどに力の入った傑作。
『マイ・バック・ページ』( 監督:山下敦弘/2011年、カラー、141分、35mm )
全共闘運動衰退期、若きジャーナリスト沢田(妻夫木聡)と革命家、梅山(松山ケンイチ)二人の出会いが引き起こした衝撃の事件。原作は映画評論家、川本三郎が“ある60年代の物語”として自身の体験をもとに綴った同名小説。この事件が終わった後に生まれた監督と脚本家が、現代的感覚で再現した2011年一番の話題作。2012年1月28日(土)~2月3日(金)オーディトリウム渋谷にて上映!
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