新作情報

2011年カンヌ国際映画祭批評家協会賞
エキュメニック賞スペシャル・メンション パルム・ドッグ審査員特別賞 2011年シカゴ国際映画祭グランプリ
2011年ルイ・デリック賞作品賞 2012年ロッテルダム国際映画祭特別招待

ル・アーヴルの靴みがき

『ル・アーヴルの靴みがき』1 『ル・アーヴルの靴みがき』2

http://www.lehavre-film.com/

2012年4月28日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー!

INTRODUCTION

港町ル・アーヴルの裏通りに花を咲かせた
名匠アキ・カウリスマキの人間賛歌

北フランスの港町ル・アーヴル。パリでボヘミアン生活を送っていたマルセル・マルクスは、いまはル・アーヴルの駅前で靴をみがくことを生業としている。家には献身的な妻・アリエッティと愛犬ライカが彼の帰りを待っている。その小さな街で暮らす隣近所の人々の温かな支えも、彼にとってはなくてはならない大切な宝物だ。そんなある日、港にアフリカからの不法移民が乗ったコンテナが漂着する。警察の検挙をすり抜けた一人の少年イドリッサとの偶然の出会いが、マルセルの人生にさざ波をおこす。しかし同じ頃、妻のアリエッティは医師より、余命宣告を受けるのだった……。
世知辛い世の中にあって「“カウリスマキ界隈”では、奇跡は本当におきてしまう」とカンヌ国際映画祭で絶賛を浴び、“最高のハッピー・エンディング映画”として映画史に名を刻むであろう、アキ・カウリスマキ監督最新作が到着しました。100分以内に収まるミニマルな様式で庶民の慎ましい生活を描く“いつもながら”のカウリスマキ節と、“いつにも増して”愛おしい温もりに満ちた物語が、あらゆる観客を至福のひとときに誘う、ヒューマン・ドラマの傑作の誕生です。吹き荒れる嵐のなかにあっても、ル・アーヴルの港には、いつまでも善意と信頼のあかりが灯っているでしょう。拠り所を失った人々に対する映画の優しい抱擁をぜひご堪能ください。

『ル・アーヴルの靴みがき』3 『ル・アーヴルの靴みがき』4

庶民の人情と善意が奇跡をたぐり寄せる
至福のハッピー・エンディング・ムービー!

アキ・カウリスマキ監督にとって『街のあかり』(06)以来5年ぶりの新作で、『ラヴィ・ド・ボエーム』(91)に次ぐ2本目のフランス語映画となる『ル・アーヴルの靴みがき』は、大西洋に臨む北フランスの美しい港町で撮影が行われた。監督デビューした1980年代から一貫して社会の片隅でひっそりと生きるアウトサイダーを見つめてきたカウリスマキ監督は、今回はヨーロッパの深刻な不法移民問題に目を向けつつ、パン屋、雑貨店、バーなどが建ち並ぶル・アーヴルの裏通りに暮らす市井の人々の人間模様を描出。人生の黄昏時に差しかかった初老の男と行き場のない孤独な少年の出会いを軸に、現代のメルヘンというべき魅惑的な映像世界を紡ぎ上げた。
何かと世知辛い今の時代を、貧困や病に見舞われて生きるマルセル&アリエッティは、吹けば飛ぶようなちっぽけな存在だ。カウリスマキはそんなふたりのかけがえのない夫婦愛、気のいい隣人たちとの友情、そして難民の少年への無償の善意を、説教臭さもうさん臭さもまったく感じさせない素朴なタッチで映し出す。金融危機、政治の停滞、格差の拡大といった暗い世相に覆われた現代に、あえて庶民の優しさや誠実さをみずみずしくもペーソス豊かに謳い上げたその人間讃歌は、ル・アーヴルの路地に希望のあかりを灯らせ、カウリスマキ的な哀愁と侘びしさをまとった世界をきらきらと輝かせていく。やがて訪れる奇跡のように晴れやかな旅立ちと再生のラスト・シーンは、しばし忘れえぬ“最高のハッピー・エンディング”として観る者の胸に染み入るに違いない。

『ル・アーヴルの靴みがき』5 『ル・アーヴルの靴みがき』6

レトロな映像世界に愛おしさを吹き込む
フィンランド&フランスの名優たち

マルセル・カルネ、ルネ・クレール、ジャック・タチ、ロベール・ブレッソン、フランク・キャプラ、小津安二郎らの古典映画のエッセンスを21世紀に甦らせたかのようなカウリスマキ・ワールドは、卵一個のオムレツ、パイナップル、カフカの短編集、桜の花、そのほか幾つものレトロな小道具に彩られ、ワン・シーンごとに観る者を魅了してやまない。加えて、くすんだ青と赤の色彩が印象的な室内装飾が独特の情緒を醸し出し、カウリスマキの“趣味”全開の古めかしいロックンロールなどの音楽センスも大いに胸を弾ませる。ちなみに過去に“労働者3部作”や“敗者3部作”を手がけてきたカウリスマキは、この最高傑作との呼び声も高い『ル・アーヴルの靴みがき』を新たな“港町3部作”の出発点に位置づける構想を語っており、今後の展開にも期待を膨らませずにいられない。
フィンランド&フランスの混成キャストによるアンサンブルも実に味わい深い。妻とワインの支えなしには生きられない靴みがきのマルセルを演じるのは、『ラヴィ・ド・ボエーム』『白い花びら』(99)のベテラン俳優アンドレ・ウィルム。妻アルレッティに扮するのは『浮き雲』(96)、『過去のない男』(02)などでおなじみのカウリスマキ作品のミューズ、カティ・オウティネン。そしてフランスからは『サン・ジャックへの道』(05)、『画家と庭師とカンパーニュ』(07)のジャン=ピエール・ダルッサンが警視役で、オタール・イオセリアーニ監督作品『汽車はふたたび故郷へ』(10)への出演も記憶に新しい伝説的コメディアン、ピエール・エテックスが医師役で参加している。また、唯一の“悪役”たる密告者を演じるジャン=ピエール・レオーの登場シーン、俳優犬一家の血を引く名犬ライカの微笑ましい助演もお見逃しなく!

2012年4月21日(土)~27日(金)、
渋谷ユーロスペースにて特集上映『おかえり カウリスマキ』開催!

C R E D I T
脚本・監督・プロデューサー:アキ・カウリスマキ
助監督・キャスティング:ジル・シ 撮影:ティモ・サルミネン 照明:オッリ・ヴァルヤ 録音:テロ・マルムベルグ
美術:ヴァウター・ズーン 衣裳:フレッド・カンビエ メイク:ヴァレリー・テリー=ハメル 編集:ティモ・リンナサロ
ロケーション・マネージャー:クレール・ラングマン 制作主任 レミー・パラディナス、マーク・ルウォフ
ラインプロデューサー:ステファン・パルトネ、ハンナ・ヘミラ
製作総指揮:ファビエンヌ・ヴォニエ、レインハード・ブランディング
出演:アンドレ・ウィルム、カティ・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン、ブロンダン・ミゲル、ジャン=ピエール・レオー、ライカ
2011年/フランス・フィンランド/フランス語/93分/原題:Le Havre/35mm/カラー作品/1.85:1/ドルビーSRD/
字幕翻訳:寺尾次郎 提供:ユーロスペース+キングレコード/配給:ユーロスペース
©Sputnik Oy photographer: Marja-Leena Hukkanen
http://www.lehavre-film.com/

2012年4月28日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー!

街のあかり/DVD
街のあかり [DVD]
  • 監督:アキ・カウリスマキ
  • 出演:ヤンネ・フーティアイネン.マリア・ヤンヴェンヘルミ.イルッカ・コイヴラ
  • 発売日:2007/12/21
  • おすすめ度:おすすめ度4.5
  • Amazon で詳細を見る
ラヴィ・ド・ボエーム/コントラクト・キラー /DVD
ラヴィ・ド・ボエーム/コントラクト・キラー [DVD]
  • 監督:アキ・カウリスマキ
  • 出演:アンドレ・ウィリアムズ, マッティ・ペロンパー
  • 発売日:2002/05/24
  • おすすめ度:おすすめ度5.0
  • Amazon で詳細を見る

2012/04/10/22:05 | トラックバック (0)
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