ブラック・ブレッド
本年度アカデミー賞外国語部門スペイン代表、ゴヤ賞最多9部門受賞作
人間の欲望と嘘の果てに棲息する、真実と空想が交錯するダーク・ミステリー
2012年6月23日(土)より、銀座テアトルシネマ、
ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー
2011年、スペインのアカデミー賞にあたるゴヤ賞で、ペドロ・アルモドバル監督作『私が、生きる肌』、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作『ビューティフル BIUTIFUL』を押しのけ、作品賞ほか最多9部門を獲得。本年度、米アカデミー賞スペイン代表にも選出された2011年スペイン映画界最大の話題作が、遂に日本上陸を果たした。
舞台は激しい内戦を終えた1940年代のスペイン・カタルーニャ。勝ち組と負け組が共存して暮らし、戦いの傷跡が生々しく残るこのカタルーニャの森で、11歳の少年アンドレウは血まみれになった親子の遺体を発見する。彼らが最期の瞬間に残したのは「ピトルリウア」という謎の言葉。それは子どもたちの間で語り継がれる、洞穴に潜んだ翼を持つ怪物の名前だった。だが、最愛の父に殺人の容疑がかけられた時から、アンドレウの世界は音を立てて崩れはじめる。警察の追及を逃れるため、姿を消した父。祖母の家へ引き取られたアンドレウは、そこで大人たちがひた隠しにする惨たらしい現実を目の当たりにする。小学校の教師と関係を持つ指先を失った従姉。裸で森を駆け抜ける隔離された美しい青年。そして激しい戦いを生き延びるため、嘘を積み重ねて暮らしてきた村の人々。理想を失わない父の姿に誇りを抱いてきたアンドレウは、やがてさまざまな謎が明らかになる中、おそろしい事実を知ることになる。
人間の欲望を暴き出し、真実と嘘が交錯する緊張感に満ちた世界を作り上げたのは、“スペインのデヴィッド・リンチ”と称される鬼才アグスティー・ビジャロンガ。ゴヤ賞のみならず、ガウディ賞最多13部門を受賞し、サン・セバスチャン国際映画祭主演女優賞ほか数々の映画賞を独占した、そのマジック・リアリズム的な演出と映像美は批評家たちの高い評価を集めた。主人公のアンドレウを演じたのは、本作の製作チームに見出され、衝撃的な主演デビューを果たした弱冠14歳のフランセスク・コロメール。そしてスペインを代表する名優セルジ・ロペスが、アンドレウ一家を追い詰める欲にまみれた町長を演じている。
どこまでも続く、あの黒く深い森の奥でいったい何があったのか? 次々と絡み合う謎を解きほぐすうち、アンドレウは人間の心に潜む大きな闇をのぞくことになる。同じく内戦後のスペインを舞台にした『パンズ・ラビリンス』同様、その濃密な物語は人々から人間性を奪った社会を告発する視点も欠かさない。神話的な世界が現実と溶け合うカタルーニャの風景の中、残酷な真実を前にして、少年が最後に下す決断とは? 衝撃のダーク・ミステリーは、そのやるせない結末で観客の心を震わせるにちがいない。
富める者は白く柔らかいパンを食べ、貧しき者は硬く味のない黒パン――。
それでも少年は幸せだった。あの日が来るまでは……。
カタルーニャの小さな村の森の中で、少年アンドレウが発見した親子の死体。スペイン内戦によって勝者と敗者が共存するこの村では、心に深い傷を負った大人たちがひた隠しにする真実があった。翼を持った青年、不吉な言葉をささやく従妹、そして子供たちの間で語り継がれる幽霊・ピトルリウアの伝説……神秘的な空気をまといながら絡み合う、様々な“謎”。どこまでも続く、黒く深い森の中でいったい何があったのか?すべての“謎”がとけたとき、アンドレウが決断したおそろしい結末とは……?
出演:フランセスク・クルメ、マリナ・コマス、ノラ・ナバス、セルジ・ロペス
2010年/スペイン,フランス/原題:Pa Négre /113分/デジタル/35mm/カラー/カタルーニャ語,スペイン語/ヨーロピアンビスタ/
ドルビーステレオSR 配給:アルシネテラン 協力:松竹、セルバンテス文化センター東京 後援:スペイン大使館
©Massa d'Or Production Cinematografiques i Audiovisuals, S.A
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2012年6月23日(土)より、銀座テアトルシネマ、
ヒューマントラストシネマ渋谷他、全国順次ロードショー
- 監督:ギレルモ・デル・トロ
- 出演:イバナ・バケロ, ダグ・ジョーンズ, セルジ・ロペス, マリベル・ベルドゥ
- 発売日:2008/03/26
- おすすめ度:
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