マイケル・ラドフォード監督
公式インタビュー
映画「トレヴィの泉で二度目の恋を」について
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2015年1月31日(土)より、Bunkamuraル・シネマほかにて全国順次ロードショー
アカデミー賞俳優のシャーリー・マクレーン&クリストファー・プラマー主演で、歳を重ねるごとに遠ざかってしまいがちな夢や愛が人生の黄昏時に再び輝き始める瞬間があること、人生はいくつになっても楽しむことができることを描いたチャーミングなラブストーリー『トレヴィの泉で二度目の恋を』でメガホンを取ったマイケル・ラドフォード監督の公式インタビューをお届けする。
妻を亡くし、生きる気力を亡くしたフレッドは娘のすすめでアパートに引っ越すことに。隣の部屋には、魅力的だがやや変わり者のエルサが住んでいた。映画『甘い生活』のマストロヤンニとアニタ・エクバーグのようにトレヴィの泉に行くこと、それがエルサの長年の夢だ。そんな二人の出会いは最悪だったが、やがてエルサは旋風のようにフレッドの心に入り込み、フレッドは人生を楽しむことを学んでいくが、そんな折、エルサが病に侵されていることを知り──。
Q:主演のエルサを演じるシャーリー・マクレーンについて
マイケル・ラドフォード監督(以下MR) 彼女はとてもタフな女性だ。映画ではやわらかさみたいなものを演じて欲しいと伝えた。彼女は驚いた、ケンカになったし口論もした。しかし真剣に役に向き合ってくれた。 シャーリーはムービースターのカリスマ性、スター性がある。
Q:フレッドを演じるクリストファー・プラマーについて
MR 彼はとても才能がある。84歳の今でも一人舞台をしているんだ!
Q:自分をフレッドに投影しましたか?
MR 僕は自分を意識してないんだ。それは妻やほかの人に聞いた方がいい! フレッドのユーモアは僕に近い。フレッドみたいに「人生を無駄に過ごしてきたんじゃないか」という恐怖は僕にもある!
Q:クリストファー・プラマー、シャリー・マクレーンの魅力はなんですか?
MR 二人の間にはケミストリーがあった。それはとても運が良かったよ! クリストファー・プラマーはとても若い。そして若い女性にモテるんだ!古典的な作品にでる俳優さんだね!シャーリー・マクレーンは真のムービースター!直観的、本能的に演じていて、自分がどう映っているか知っている。タイプは真逆の二人だよ
Q:オリジナルのどこに惹かれたのですか?
MR とても人間的でユーモアがあり感動的、センチメンタルなとこもいい!自分が好きなタイプの映画。名優たちと仕事ができるのも嬉しかった。 ユーモア、ロマンス、感動を伝えられると思ったんだ!
Q:この作品を撮ってて一番楽しかったことは?
MR 助演も含めて最高のキャストを集められた!主演二人のカリスマ性は凄かった!
Q:奇跡的だと思ったシーンは?
MR 二人がはじめて夜を過ごすシーンが心配だった、シニアのSEXを匂わすからね!そんなの見たくないと思う人がいるかもしれない!でもいざ撮影してみると凄いなと思った。
Q:イタリアに思い入れは?
MR 息子も生まれたし、結婚もした。なぜか逃れられない運命。イタリアが大好きだし、人生の一部。深いところでイタリアが好き。映画を作るにあたっては深く文化に入り込まなくてはいけない。イタリアが舞台だと作りやすい。
Q:映画の中で、なぜあんなにもアニタ・エクバーグ(フェリーニ監督作品『甘い生活』のヒロイン)にエルサ(シャーリ・マクレーン)は思い入れがあったのですか?
MR セリフでもあるが、エルサは若いころにアニタに似ているといわれていた。エルサはずっとニューオリンズにいたから、(「甘い生活」の中のアニタは)エルサの中で異国情緒あふれる夢になった。
Q:フェリーニを意識しましたか?
MR 映画のスタイルについては色々あるがフェリーニ風にはできなかった。フェリーニの作品とは逆で親密な小さい世界観にした。役者がいいので、長回しをやった。
Q:「甘い生活」のアニタの死について
MR ロンドンのテレビで知った。ローマのホスピスで亡くなったと聞いた。とても悲しい。撮影中にホスピスにいると知っていて悲しかった。元旦那はアニタにベタぼれだったんだよ。 シャーリー・マクレーンが22,23歳くらいの頃にアニタと撮った写真を見せてくれた。どこかのシーンで使おうかと思ったよ。シャーリー・マクレーンがトレヴィの泉でコスプレするシーンはシャーリー・マクレーンの提案だったんだ。
Q:アニタを一言で言うと?
MR アイコンである。彼女はイメージなんだ、映画的なイメージ!フェリーニは彼女の資質を捉えたんだ。演技はイマイチだったけど!
Q:シニアにむけて作ったのですか?
MR 時間もお金もあるから、今は世界的にシニア向けの作品が増えている。観ててフィールグッドな作品があってもいいんじゃないかと思ってね!
Q:日本にはシニアの恋の映画はありません。それについてどうですか?
MR すごく残念(5回くらい)!アメリカ、イギリスではシニアの恋の映画は増えているから。
Q:若い読者に向けて
MR 若い人のリアクションもよかった。実際にトレヴィの泉に行ったと、映画を見てくれた若いカップルが言ってくれた。恋する気持ちはいくつになっても変わらない。人生は常にサプライズなんだ。(この作品は)リアルなラブストーリーなんだ。 年を重ねたら人生楽しくないというのは違う。それを伝えたい。年齢を重ねても恋をするってことをみてもらえたら。
Q:日本について、そして今後日本の原作の映画化は考えていますか?
MR 村上春樹とは親交があり「国境の南、太陽の西」の映画化の話があった。 村上春樹は「アメリカで撮ってくれ」と言ったが、僕は日本的な映画で日本的なフィーリングがあると思った、いろいろあって実現はしなかったんだ。日本の小説も文化も好き。 吉本バナナも好き!いい本があれば映画化したい! 黒澤明、溝口健二、小津安二郎、大島渚などの作品が好き。最近のものよりは昔の作品が好き。宮崎駿の作品は好き。残念だけど(邦画)の公開本数は減っている。 ぜひ作りたい、日本で撮影したい。日本的な要素に惹かれているんだ。
監督:マイケル・ラドフォード『イル・ポスティーノ』『ヴェニスの商人』
脚本:アンナ・パヴィニャーノ,マイケル・ラドフォード
出演:シャーリー・マクレーン,クリストファー・プラマー,マーシャ・ゲイ・ハーデン,クリス・ノース,ジャレッド・ギルマン
原題:ELSA&FRED 日本語字幕:古田由紀子 提供:リヴァーサイド・エンターテインメント・ジャパン
配給:アルバトロス・フィルム ©2014 CUATRO PLUS FILMS, LLC
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2015年1月31日(土)より、Bunkamuraル・シネマ
ほかにて全国順次ロードショー
- 監督:クリスチャン・デュゲイ
- 出演:シャーリー・マクレーン, バルボラ・ボブローヴァ, マルコム・マクダウェル, セシル・カッセル, ヴァレリア・カヴァッリ
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- 監督:マイケル・ラドフォード
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