アンドリュー・ガーフィールド (俳優)
公式インタビュー
映画『ブレス しあわせの呼吸』について【1/2】
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2018年9月7日(金)角川シネマ有楽町他全国ロードショー
『ブリジット・ジョーンズの日記』などの製作者が、自らの両親の実話を映画化した本作は、1950年代にアフリカでポリオに感染して全身マヒになりながらもポジティブかつエネルギッシュに人生を謳歌した父親ロビン・カヴェンディッシュと、彼に無償の愛を注ぎ込んだ妻ダイアナの激動の半生、彼らを支え続けた兄弟や友人たちとの絆を描いた感動作だ。本作でロビンを演じたアンドリュー・ガーフィールドの公式インタビューをお届けする。
運命の恋に落ち、家族や友人に祝福されて結婚し、最高に幸せな日々を送っていたロビンとダイアナ。ところが、出張先のナイロビで、突然ロビンが倒れてしまう。診断結果はポリオ、首から下が全身マヒとなり人工呼吸器なしでは息もできない。時は1959年、医師からは「余命数カ月」と宣告される。英国に戻り息子が生まれたが、ロビンは絶望の中にいた。病院を出たいと望むロビンのために、医師の反対を押し切り自宅で看病する決意をするダイアナ。彼女の決断は、ロビンの運命を大きく変えていく――。
――初めて本作の話が来たときのことを教えてください。
アンドリュー・ガーフィールド:僕は旅行中で、返事がすぐに欲しいと言われたのを憶えている。早速脚本を読んだところ、たくさん泣いて、大好きになった。このストーリーに感動したんだ。ロビンとダイアナの足跡をたどりながら、どう生きるべきかのロードマップのように感じられたんだよ。“運命がもたらす状況の中で、どうやって喜びに満ちた生き方をするのか”と、心を大きく動かされたんだ。 他によくある実話とは全く違うものに感じられた。甘ったるいとか、感傷的といったような感じは全くなかった。とても正直で、具体的で、知恵に溢れていた。“どう生きるか”という問いに答えてくれる。そして、喜びがある生き方を歩めるだろうかという問題がある。それが僕の関心を引いたんだよ。僕は電話で監督のアンディ・サーキスと話し、いくつか気にかかることを伝えた。アンディは僕が抱いていた懸念を素早く静めてくれた。これがただの伝記映画になること、つまり、伝記映画によくある展開になることは嫌だと思った。アンディは、“いや、僕たちが作るのはそういう映画じゃない”と言ってくれ、それを聞いてほっとしたんだよ。
――脚本について具体的に教えてください。
アンドリュー・ガーフィールド:ウイリアム・ニコルソンの脚本を読み、ただただ圧倒された。僕をキャスティングしたいと言われたら、絶対に受けるべきだと思った。そういう気持ちになるのは珍しい。特に脚本を読んだだけではね。ウイリアムの脚本は美しくて詩的で、穏やかに展開していく。どのキャラクターもすごく愛しくてね。まるで魔法にかかったように夢中で読んだ。脚本は魔法であふれてた。そのあとジョナサン・カヴェンディッシュ(本作プロデューサーで、映画で描かれる夫婦の息子)とロスで会ったんだけど、魔法はさらに強くなった。ジョナサンのご両親への一途な愛情と、プロデュ―サーとしてこの映画にかける情熱を、ひしと感じたんだ。そして、僕が父親役に適任だと思ってくれていることに胸がいっぱいになったよ。
――身体面の演技についてはいかがでしたか?
アンドリュー・ガーフィールド:ロビンという役は身体の面で制限があって、大変だった。でも解放感もあった。一番おもしろい経験をしたのは、クレア・フォイだと思う。クレアはロビンの妻のダイアナ役で、ロビンの手足となって動く。ロビンはダイアナを通して世の中とつながるんだ。そうやって妻に頼るのは、男にとって、特に強い責任感とリーダーシップを持ち、順調な人生を歩んできた男にとっては、自尊心が押しつぶされるような気持ちだっただろう。自分の男としてのアイデンティティを手放さなければならなかったんだから、本当にキツかったと思う。でも次第に、解放感も感じていったはずだ。
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監督:アンディ・サーキス 脚本:ウィリアム・ニコルソン 撮影:ロバート・リチャードソン
プロデューサー:ジョナサン・カヴェンディッシュ
出演:アンドリュー・ガーフィールド、クレア・フォイ、ヒュー・ボネヴィル
字幕翻訳:松浦美奈 配給:KADOKAWA 後援:ブリティッシュ・カウンシル
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