新作情報

第22回 TAMA NEW WAVEコンペティション グランプリ&ベスト女優賞(上原実矩)
第15回田辺・弁慶映画祭 グランプリ&観客賞&フィルミネーション賞&俳優賞(若杉凩)

ミューズは溺れない

クリエイティビティへの熱い思いが炸裂。
青春映画の枠をも超えるマスターピースが誕生!

『ミューズは溺れない』画像 『ミューズは溺れない』場面画像1

公式サイト 公式twitter

2022年9月30日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

INTRODUCTION

思春期のもがき、アイデンティティのゆらぎ、創作をめぐる葛藤――
社会の海へ漕ぎ出そうとするふたりの、高校最後の夏を瑞々しく鮮烈に描き切った青春エンタテインメント

美術部に所属する朔子は、船のスケッチに苦戦している最中に誤って海に転落。それを目撃した西原が「溺れる朔子」の絵を描いて絵画コンクールで受賞、朔子の絵は学校に飾られるハメに。さらに新聞記者に取材された西原は「次回作のモデルを朔子にする」と勝手に発表。朔子は、悔しさから絵の道を諦め、代わりに壊れた鳩時計などを使って造形物の創作に挑戦するが、再婚した父と臨月の義母、そして親友の栄美と仲違いしてしまう。引っ越しと自宅の取り壊し工事が迫る中、美術室で向き合う朔子と西原。”できること“を見つけられないことに焦る朔子は、「なぜ自分をモデルに選んだのか?」と西原に疑問をぶつける……。

上原実矩『この街と私』×若杉凩『ジオラマボーイ・パノラマガール』×森田想『アイスと雨音』
2つの映画祭でグランプリを獲得。恐るべき新鋭監督・淺雄望(あさおのぞみ)の長編第一作!

主人公の朔子を演じるのは、300人のオーディションから選ばれた主演作『この街と私』が注目を集めた上原実矩。朔子と相対する西原役には『ジオラマボーイ・パノラマガール』など性別を問わず様々な役で活躍する若杉凩。朔子の親友・栄美役に『わたしの見ている世界が全て』でマドリード国際映画祭にて主演女優賞を受賞した森田想。そのほか、SF研究部の部員役に渚まな美、桐島コルグなどフレッシュなキャストの脇を川瀬陽太、広澤草などベテラン陣が固める。
監督は、大九明子監督などの元で助監督をつとめながら中・短編を製作してきた淺雄望。本作で、第22回TAMA NEW WAVEおよび第15回田辺・弁慶映画祭でグランプリを含む6冠を達成した。撮影監督に『話す犬を、放す』の大沢佳子、照明に『無限ファデーション』の松隈信一、美術に『SYNCHRONIZER』の栗田志穂など精鋭たちが揃った。変わりゆく世界に新たな光を放つ本作は、2022年日本映画の新しい波の中で、台風の目となるに違いない。

『ミューズは溺れない』テアトル新宿トーク日程(連日21:00~)

9/30(金)上映前 上原実矩・若杉凩・川瀬陽太・新海ひろ子・渚まな美・桐島コルグ・淺雄望監督
10/1(土)上映後 ゲスト:児玉美月(映画執筆家)・上原実矩・淺雄監督
10/2(日)上映後 ゲスト:大九明子(映画監督)・淺雄監督
10/3(月)上映後 ゲスト:佐久間宣行(テレビプロデューサー)・淺雄監督
10/4(火)上映後 ゲスト:万田邦敏(映画監督)・三宅隆司(映画研究者)・上原実矩・淺雄監督
10/5(水)上映後 ゲスト:ヴィヴィアン佐藤(ドラァグクイーン・美術家)・上原実矩・淺雄監督
10/6(水)上映後 淺雄監督ほか、弁セレ全監督

『ミューズは溺れない』場面画像2 『ミューズは溺れない』場面画像3
COMMENTARY
  • 内田英治(映画監督)
    高校生たちのひりひりと掻きむしられる感情に、一瞬の隙なく見入ってしまった。素晴らしいストーリーに演技。はっきりいって傑作。
  • 大九明子(映画監督)
    嬉しい!先に観た方が口々に「傑作」と言うではないか。遅れをとって悔しい。私は何度もこの映画をスクリーンで観るチャンスを逸してきて、先ほどようやく緊張しながらパソコンで観た。面白かった!
    ほっとすると同時に言いたい、私ほどこの映画の出現を待ちわびたものはいないはずだと。淺雄さんと出会ってからの10年ほど、ここ数年は特に、私、絶対この人のつくる映画を観たい、と待っていた。「この人はそのうち映画監督になる人なんですよ」と、本当に私、(何人かには)言ったことあるし。(本当です!)
    私は待っていたんです、この映画の出現を、淺雄望さんがその名の通り望みを叶えて映画監督になる日を。ジェンダーギャップが叫ばれる監督という職業、女性の監督は多い方がいい、しかも私なんぞと親しくしてくれる奇特な仲間が増えたらなおのこといい。さあ皆さん、この映画を楽しみましょう!作る喜びにあふれたこの映画を。キラッとした女性だらけのこの映画を。軽やかな後味を楽しんで!私には、たからものみたいな映画でした。
  • 万田邦敏(映画監督)
    語ろうと思えばいくらでも複雑めかして語れる人間関係にまつわる現代的なテーマを、まったく素直に感情と行動のドラマとして描いている点が、凄い。登場する女子高校生たちは、生き生きとしているのではなく、まさに生きている。その様は、つねに問われ、答えられてきた「青春とはなんだ」の、一番新しい答えのひとつとなっている。「雰囲気」と「日常感」とは無縁に、「いま」と「自分たち」にきちんと向きあっている若者の映画は、久しい。歓迎しよう。
『ミューズは溺れない』場面画像3
  • 前田弘二(映画監督)
    周囲に合わせようとするあまりに自分を出せない。
    自分を貫いて周囲から浮いてしまう。
    きっとみんな、舟はどちらかに少しだけ傾いているだけなんだ。
    淺雄監督は不器用な二人の心情の変化を繊細に描きながら、時にダイナミックに仕掛け、観る者にエールを送る。
    隅々まで奏でる音の使い方もユニークで面白く、演出の手腕に何度も唸りました。
    色んな思いを抱え、創作の熱が止まらなくなっていく上原実矩さん演じる朔子の姿が、すっごくかっこよかった。
  • ミロコマチコ(画家)
    この世には気が合う人はいないんだ、と思っていたあの頃。誰かや何かに合わせて、自分を押し殺し、鬱屈としていた。そんな私を解放してくれたのは絵だった。ぶつかり、傷つけ合いながら、ひとつずつ認め合っていく高校生たちの姿は、ひとつもとどまることなく揺れ続ける海のように、キラキラと眩くて、夢中になれる何かが、人との出会いや新しい感覚を私に繋げてくれたことを思い出す。
    「そうだ、私は私でいいんだ」って認めたくなる。
  • 森直人(映画評論家)
    「とりあえず目の前にあるものを繋げてみよう」という意志の船出から、誰も見たことのない映画が丁寧に出来上がっていく。音の設計、自己実現の葛藤、スクラップ&ビルド。様々な試みや主題を乗せ、多感な思春期模様の中で紡がれるドラマは『燃ゆる女の肖像』にも負けていない。描く側と描かれる側――クリエイションを通した人間信頼。「搾取」ではないミューズの形もある。
  • 松崎健夫(映画評論家)
    表層的な印象として『ミューズは溺れない』は、女子高生の日常を描いた青春映画のように見える。他方、分類によって“線引き”されず、むしろ“グラデーション”によって彩られるセクシャリティの在り方。或いは、血縁に依らない家族像や廃れゆく地方の現実など、モチーフが重層的に積み重ねられている。表層的な部分だけに、真意や核心があるわけではないのだ。それゆえ、ミューズは溺れる、けれど、溺れないのである。
『ミューズは溺れない』場面画像4
  • 堀潤之(映画研究者)
    冒頭でヒロインが海に落ちる埠頭での淡い視線の交換から、希望と祝祭感にあふれたラストの浜辺まで、淺雄望はほとんど王道ともいえる「ガール・ミーツ・ガール」の物語を繊細かつ大胆に提示してみせる。少女たちの心の揺れ動きにぴったりと寄り添うキャメラがとらえる、ぎこちなくもまばゆい青春の情景の数々は、見る者の脳裏にいつまでも刻み込まれるだろう。
  • 川村りら(俳優)
    「思い通りの線なんか、そう簡単に引けない」ことを認めた人間の強さ。感情の丁寧な積み重ねの果てに、フィクションを超えた真実が映る瞬間がこの映画にはある。少女の心に引き戻され、今この作品と出逢えた幸福を噛みしめている。
  • 佐久間宣行(テレビプロデューサー)
    世界の海辺に立ち、今から船出する少女たち。
    怒りと悲しみと恐怖、そして高揚。
    誰にでもあるけど、自分だけのもの。
    それらが純度の高い結晶となって、毎カット毎シーン輝いている。
    世界が歪んで見える。声がちゃんと出ているかわからない。
    眼差しが誰かと交差することはない。
    自分がおかしいと思い悩む、すべての人に見てほしい。
    「それは、私が決めることだよ」とこの映画は言ってくれる。素晴らしい青春映画だ。
CREDIT
出演:上原実矩,若杉凩,
森田想,広澤草,新海ひろ子,渚まな美,桐島コルグ,佐久間祥朗,奥田智美,菊池正和,河野孝則,川瀬陽太
監督・脚本・編集: 淺雄 望
撮影監督:大沢佳子(J.S.C) 制作担当:半田雅也 照明:松隅信一 美術:栗田志穂 ヘアメイク:佐々木ゆう
監督助手:吉田かれん 撮影助手:岡田拓也 録音:川口陽一 整音:小宮元、森史夏 カラリスト:稲川実希
スチール:内藤裕子 音楽:古屋沙樹 音楽プロデューサー:菊地智敦 油絵:大柳三千絵,在家真希子
企画・制作・プロデュース:カブフィルム
配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:ミカタ・エンタテインメント
2021年|82分|16:9|カラー ©カブフィルム

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2022年9月30日(金)よりテアトル新宿ほか全国順次公開

2022/09/27/19:59 | トラックバック (0)
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