第 41 回 ぴあフィルムフェスティバル アワード入選(ひかり TV 賞)
第 20 回 TAMA NEW WAVE ある視点部門入選
アボカドの固さ
2020年9月19日(土)よりユーロスペース、
10月10日(土)よりシネ・ヌーヴォ、10月23日(金)より出町座にて公開
「仮設の映画館」 にて先行上映&俵万智とのトークイベントも!
俳優・前原瑞樹が本人役として出演、自身の失恋の実体験を下敷きにフィクションを織り交ぜて等身大の恋愛・失恋模様を生々しく描き出して、第 41 回ぴあフィルムフェスティバル コンペティション部門 PFF アワード 2019 にてひかり TV 賞、第20 回 TAMA NEW WAVE ある視点部門入選と、自主映画ながら高い評価を得た映画『アボカドの固さ』 が 5 月 23 日(土)よ り 「仮設の映画館」で先行上映される運びとなった。本作は、当初は4 月 11 日から東京・ユーロスペースほかでの全国順次公開を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で公開が延期となっていた。「映画の経済」を回復させるために、デジタル配信により鑑賞料金を実際の公開劇場と配給会社で分配する「仮設の映画館」の取り組みに公開劇場が賛同して、2 週間のデジタル上映を行う。
また、 5 月 30 日(土)には、上映を記念して歌人の俵万智をゲストに、城真也監督と主演の前原瑞樹がホストとなって行うオンライントークイベントも YouTube で無料配信される。これは本作が、俵万智の短歌「アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン」から着想を得て、“アボカド”を映画のモチーフにしたという縁により実現したとのことで、こちらも併せて注目していただきたい。
俵万智(歌人) コメント
大のアボカド好きから言わせてもらうと、アボカドの食べごろを見極めるのは、とても難しい。熟れぐあいは、そっと触れて想像するしかない。人と人との関係も、またそうだ。
前原君は、まだ固い実を前のめりに味わおうとしたり、せっかくのタイミングを逃したり、熟れすぎの危うさに無頓着だったりする。イタくて愛おしい数々のエピソード。でも、はじめからの達人なんて、いないのだ。
人類がどんなに進化しても、アボカドは(つまり恋愛は)、食べて失敗してみないとわからない。
もどかしさや切なさを感じながらも、ラストの超ささやかな笑顔から、 私は温かなものを受け取った。
好きにも賞味期限があるらしい。
ある日突然、5 年付き合った恋人・清水緑に別れを告げられた俳優・前原瑞樹。どうにかヨリを戻したい一心で、周囲に失恋相談をして回り、ひとまずは 1 ヶ月後に迎える 25 歳の誕生日まで待つと決める。しかし、待てど暮らせど緑からはなんの音沙汰もない。復縁への淡い期待を抱きながら右往左往する男の<愛と執着の 30 日間>。
痛すぎて、イタすぎる。
主人公・前原瑞樹を演じたのは前原瑞樹、本人。劇団青年団に所属し、近年では『友だちのパパが好き』『あの日々の話』のほか、ドラマでも話題作に相次いで出演する実力派若手俳優である。 本作の出発点となった自身の失恋の実体験を上塗りするように、かつての自分を演じ直した。
前原にやさしく寄り添うのでなく、かといって突き放すのでもなく、徹底して「他者」であり続けたのはこれが長編処女作となる城真也。是枝裕和監修のもとで制作された前作『さようなら、ごくろうさん』は PFF アワード 2017 に入選、三宅唱や五十嵐耕平の作品にも参加する期待の新人監督である。
好きでいることを諦めようとしない前原の姿は、痛々しくも切実だ。あなたの隣で起こっているかもしれないありふれた失恋模様。その情景は、あまりに生々しく、退屈で、あまりにドラマチックだ――共感と苛立ちが一緒くたに押し寄せる、新時代のリアルな恋愛映画の誕生。
- 監督:山内ケンジ
- 出演:吹越満, 岸井ゆきの,
安藤輪子, 石橋けい, 平岩紙 - 発売日:2017/06/07
- おすすめ度:
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