インタビュー
『ミセス・ノイズィ』天野千尋監督&篠原ゆき子(俳優)画像篠原ゆき子&天野千尋監督

天野 千尋 (監督)
篠原ゆき子(俳優)
映画『ミセス・ノイズィ』について
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2020年12月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

2019年の第32回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門に出品され、大きな反響を呼んだ『ミセス・ノイズィ』が、いよいよ12月4日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開される。「女二人の喧嘩を描きたい」と天野千尋監督がモチーフに選んだのは“騒音おばさん”。平成の日本を騒がせた事件が、幼い娘を持つ主婦でもある小説家を主人公に、隣家同士のトラブルが泥沼化するさまをサスペンスフルに描く人間ドラマとして生まれ変わった。スマホとSNS、そして在宅勤務も身近になった今、こんな事態がいつ自分に降りかかってくるかと身につまされていると、ハッとするサプライズに何度も何度も揺さぶられる。フィクションの力と、人が秘める可能性に胸が熱くなる必見の痛快エンターテイメントだ。様々なプレッシャーと格闘する主人公・真紀を熱演した篠原ゆき子さんと天野千尋監督に、ワークショップから丁寧に作り上げた作品についてうかがった。 (取材:深谷直子)
天野 千尋 1982年生。約5年の会社勤めを経て、映画を撮り始める。ぴあフィルムフェスティバルをはじめ、国内外多数の映画祭に入選・入賞を果たす。主な監督作に『フィガロの告白』(12)、『どうしても触れたくない』(14)、『うるう年の少女』(14)など。
篠原ゆき子 神奈川県出身。05年、映画『中学生日記』(山下敦弘監督)で女優デビュー。11年、劇団ポツドールの舞台『おしまいのとき』で主役に抜擢され、その演技が高く評価された。13年『共喰い』(青山真治監督)では、第28回高崎映画祭 最優秀新進女優賞を受賞。『深夜食堂 /続・深夜食堂』(15・16 /松岡錠司監督)、『ピンクとグレー』(16/行定勲監督)、『湯を沸かすほどの熱い愛』(16/中野量太監督)、『楽園』(19/瀬々敬久監督)、『罪の声』(20/土井裕泰監督)。公開待機作として『あのこは貴族』(21年2月26日/岨手由貴子監督)、主演作『女たち』(21年春/内田伸輝監督)などがある。
STORY 小説家であり、母親でもある主人公・吉岡真紀(36)。スランプ中の彼女の前に、ある日突如立ちはだかったのは、隣の住人・若田美和子(52)による、けたたましい騒音、そして嫌がらせの数々だった。それは日に日に激しくなり、真紀のストレスは溜まる一方。執筆は一向に進まず、おかげで家族ともギクシャクし、心の平穏を奪われていく。そんな日々が続く中、真紀は、美和子を小説のネタに書くことで反撃に出る。だがそれが予想外の事態を巻き起こしてしまう。2人のケンカは日増しに激しくなり、家族や世間を巻き込んでいき、やがてマスコミを騒がす大事件へと発展……。果たして、この不条理なバトルに決着はつくのか――?!
天野千尋監督画像天野千尋監督
――『ミセス・ノイズィ』、昨年の東京国際映画祭で面白く拝見しました。5月の公開予定が新型コロナの影響で延期になっていましたが、ようやく公開ですね。

天野 そうなんですよ。

篠原 でもまだ心配だよね?

天野 そう、また最近感染者が増えてきているから。

――冬になっていくとまた心配ですね。早く観てほしい!という映画なんですが。かつて世間を騒がせた「騒音おばさん」の話がまさかこんなふうに変身するとはと、本当に驚きました。この作品は、監督にワークショップのお声がかかり、そこで作る作品として社会派の映画を提案されて、監督がご近所トラブルの企画を出されて作ったとお聞きしています。かなり前からあたためていた題材だったんですか?

天野 はい。ワークショップオーディションをして、そこからキャスティングして作品を作るという話をいただいたんですけど、その前から映画の題材をニュースなどを見て探していて、その中で構想し始めていた題材ですね。

――どんなところに興味を覚えたんですか?

天野 女同士の喧嘩の映画が撮りたいなと思っていて、身近な喧嘩としてご近所トラブルをリサーチしている中で「そういえば15年前ぐらいに騒音おばさん事件というのがあったな」と調べ始めました。そうしたら思っていたのとは違う側面を知って。当時は「エキセントリックなおばさんがいるぞ」みたいな感じでマスコミが叩いていたんですけど、その後、ネットの中ではおばさんがヒロイン扱いされて、「おばさんは被害者だ、マスゴミにいじめられた」という見方で盛り上がっていて。角度によって見え方が違うというのが面白いなと思って、その構造を軸に話を作ろうと思いました。最初の脚本ではおばさんを主人公にしていたのですが、書いていくうちに、視点の違いというものを見せるには別の人物を先に主人公として立てると面白いかなと思って、スランプ中の小説家という設定ができました。

――篠原さんはおばさんの隣人である小説家の真紀を演じられましたが、脚本を読んだときどんなことを思いましたか?

篠原 すごく面白い脚本だと思いましたし、ビックリしました。途中まで普通に主人公目線で読んでいたら、えっ!?って(笑)。騒音おばさんから着想を得たということにも惹かれるものがありました。「そう言えば一時期世間で話題になったあの事件はなんだったんだろう?」っていうのがあって、読んで速攻これは出たいなと思いました。

――主人公が小説家というのが絶妙でしたね。人によって見え方が違うということは、想像力を働かせることが大事だということになるんですが、それを小説を書くことで示してくれる。ラストが素晴らしかったです。

天野 ありがとうございます。騒音に悩まされる、家でやる仕事ということで小説家にしたんです。

――篠原さんが内田伸輝監督の『おだやかな日常』(12)で演じた役と設定がちょっと似ているんですよね。そちらも既婚のフリーライターの役で、マンションの隣人との人間関係が映画の軸の一つになっていて。

篠原 そうですよね。よくぞご存知で!!

――その作品でも監督とプロデューサーの杉野希妃さんにインタビューしていたので印象に残っていて、リンクしているのが面白いなあと。監督はご覧になっていました?

天野 いえ、篠原さんが『おだやかな日常』に出ていたことは知っていたんですけど。その作品が話題にのぼり、「それも隣人同士の話なんです」と言うので「えっ、先を越されているじゃない!?」って(苦笑)。この映画を作り終わってから拝見しました。

――そうなんですか。お話も篠原さんのお芝居も全然違うんですけど、コミュニケーションをテーマとする社会派というところも共通するので、見比べたら面白いかもしれないなと思いました。

篠原 確かに。

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ミセス・ノイズィ (2019年|106分|日本)
監督・脚本:天野千尋
出演:篠原ゆき子,大高洋子,長尾卓磨,新津ちせ,宮崎太一,米本来輝,洞口依子,和田雅成,縄田かのん,田中要次,風祭ゆき
製作:井出清美,植村泰之 企画:貝津幸典 エグゼクティブ・プロデューサー:鍋島壽夫,横山勇人
プロデューサー:髙橋正弥 脚本監修:加藤正人 共同脚本:松枝佳紀 撮影監督:田中一成
録音:星野裕雄 編集:櫻木絵理 ミキサー:松山千紘 ヘアメイク:渡辺順子 装丁デザイン:川合空
タイトルデザイン:カタバミプラス ポストプロダクション:レスパスビジョン 助監督:高野佳子,加藤拓人
音楽:田中庸介&熊谷太輔 主題歌:植田真梨恵 「WHAT’s」(GIZA studio)
宣伝デザイン:秋山京子 宣伝:細谷隆広,矢部紗耶香
制作:ヒコーキ・フィルムズ インターナショナル/メディアプルポ
企画協力:アクターズヴィジョン 配給:アークエンタテインメント 特別協力 : アミューズメントメディア学院
©「ミセス・ノイズィ」製作委員会
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2020年12月4日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

2020/12/03/22:31 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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