2020 ベルリン国際映画祭ジェネレーション部⾨最優秀作品賞
スウィート・シング
ジム・ジャームッシュと並ぶ⽶インディーズのアイコン、
『イン・ザ・スープ』のアレクサンダー・ロックウェル監督、25 年ぶりの⽇本劇場公開。
2021年10月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、
新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開
世界は悲しいけれど、幸福な1⽇はある。
15 歳のビリーと 11 歳のニコ、その家族の物語。
マサチューセッツ州・ニューベッドフォード。普段は優しいが酒のトラブルが尽きない⽗アダムと暮らす、少⼥ビリーと弟ニコ。ある⽇、⽗アダムが強制的な⼊院措置となり、⾝寄りのないビリーとニコは、家を出て⾏った⺟親イヴのもとへ⾏くのだが……。⼦どもたちの、悲しいけれどどこか希望に満ちた、ひとときの冒険が始まる。
現代に⽣きる⼦どもたちの冒険を描く
<このうえなく悲しいけれど、このうえなく幸福なファンタジー>
スティーヴ・ブシェミ、シーモア・カッセル主演の『イン・ザ・スープ 』(1992)やクエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスらと共同監督した『フォー・ルームス 』(1995)などで知られ、ジム・ジャームッシュと並んで⽶インディーズ映画のアイコンであるアレクサンダー・ロックウェル。その新作『Sweet Thing』が、『スウィート・シング』の邦題で 10 ⽉ 29 ⽇(⾦)よりヒューマントラストシネマ渋⾕、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開される。
ロックウェル監督の⽇本での最後の劇場公開作は 1995 年の『フォー・ルームス』。その後もスティーヴ・ブシェミ、ジェニファー・ビールス共演の『13 rooms』(2002)や⽇本では配信のみの『ピート・スモールズは死んだ! 』(2010)など⼈気作はあったもののなぜか⽇本公開されず、ロックウェル⾃⾝がニューヨーク⼤学で教鞭をとっているせいで寡作になり、本作はまさに待望の新作なのだ。⼀貫してインディーズにこだわり続けてきたロックウェル監督が本作で描くのは、親に頼ることができず、⾃分たちで成⻑していかなくてはならない 15 歳の少⼥と 11 歳の少年の物語。⼦育てができない親たちという現代社会の問題を描きながらも、16 ミリフィルムで撮影された美しいモノクロとパートカラーの映像は詩的で美しく、『スタンド・バイ・ミー』(1986)も彷彿とさせる⼦どもたちの冒険は幸福に溢れている。
実の娘、息⼦、妻、そして気のおけない俳優たち、
16mm フィルム撮影のモノクロ&パートカラーの映像と最⾼に素敵な⾳楽の数々。映画愛にあふれるインディーズ映画の決定版!
主役を演じるのは、監督の実の⼦どもたち。姉ビリー役を娘のラナ・ロックウェル。弟ビリー役を息⼦のニコ・ロックウェル。実際のパートナーであるカリン・パーソンズが⺟親イヴを、『イン・ザ・スープ』からの盟友で、近年は『ミナリ』への出演など活躍中のウィル・パットンが⽗親アダムを演じる。また、全編を彩る⾳楽も、本作の魅⼒の⼀つ。タイトルにもなっているヴァン・モリソン『Sweet Thing』やビリー・ホリディ、テレンス・マリック『地獄の逃避⾏』(1973)のサウンドトラックの引⽤など、ロックウェルの⾳楽センスが光っている。本作は 2020 年 2 ⽉ベルリン国際映画祭ジェネレーション部⾨にてワールドプレミア上映され、最優秀作品賞を受賞した。
- この数年に観た新作で、最もパワフルな作品の⼀つだ。
――クエンティン・タランティーノ(映画監督) - ⼤⼈になった今、もう⼤⼈を⼤⼈として⾒ることはできない。
だからこそ、この映画の中にある⼦供のまなざしに⼼を打たれた。
久しぶりにあんな⾵に世界を⾒ることができて、とても嬉しかった。
――尾崎世界観 (クリープハイプ) - ⼼を許し信じることは、その⼼を悲しくもさせたりもするが、
愛や想いで満たしてもくれる。
流れる⾳楽と共に僕は思春期の⾃分に戻っていく。
⼈を信じていたあの頃の⾃分に……涙。――奈良美智(美術作家) - 複雑なこの世界にも⼩さな光があるとすれば、
それはただ、隣にいる⼈の幸せを思う⼼ではないかと、
囁くように教えてくれました。――塩塚モエカ(⽺⽂学/ミュージシャン) - 現実とファンタジーの境⽬がぼやけた
ジャームッシュ的なモノクロの世界をさまよう 3 ⼈の⼦ども。
切なさの中に、バンクシーの⾔葉を借りるなら「必ず希望がある」。
――ピーター・バラカン
- 家族の形は、複雑だ。けれど、家族の愛は本物だ。
ビリーの歌には⼒がある。願いを託したその歌声は⼼を掴んで離さない。
――加藤るみ(タレント・映画コメンテーター) - ⼼から嬉しくなるラスト。これでいいのだ!
悲しみを⾒つめて早々と⼤⼈にさせられるのではなく、
どうか安⼼して⼦どものままでいてねと祈りながら。――⼭中瑶⼦(映画監督) - ビリーの優しさ、悲しみ、喜び、慈しみ、諦め、友愛、忌避。
あなただけが持つことのできたまなざしが思い出のように裏返る。
泣いた。――ゆっきゅん(歌⼿) - モノクロームの⽇常のなかで、突然溢れ出す⾊彩に胸が踊る。
ビリー・ホリデイやヴァン・モリソンの名曲が⼦守唄のように聞こえる。
US インディー映画の名匠が贈る、ビターな世界に微笑みかけるようなスウィートな物語。――村尾泰郎(映画/⾳楽ライター) - カサヴェテス、ジャームッシュ、リンクレイター……
アメリカン・インディーズのその系譜に連なる、優しくて、暖かくて、ただそれだけで泣きたくなる映画を久しぶりに観た。――⾨間雄介(ライター・編集者)
監督・脚本:アレクサンダー・ロックウェル
出演:ラナ・ロックウェル、ニコ・ロックウェル、ウィル・パットン、カリン・パーソンズ
日本語字幕:高内朝子 配給:ムヴィオラ
©2019 BLACK HORSE PRODUCTIONS. ALL RIGHTS RESERVED
2021年10月29日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、
新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺他全国順次公開
- 監督:アレクサンダー・ロックウェル
- 出演:スティーヴ・ブシェーミ, シーモア・カッセル, ジェニファー・ビールス, ジム・ジャームッシュ
- 発売日:2007/5/25
- おすすめ度:
- Amazon で詳細を見る