インタビュー
佐藤 寿保監督/『眼球の夢』

佐藤 寿保 (監督) 映画『眼球の夢』について【4/5】

2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

『眼球の夢』場面9 『眼球の夢』場面10――そういうミクロな世界もありつつ、「魔都 TOKYO」という言葉が映画のコピーの中にありますが、東京という都市の映像はとてもダイナミックでした。冒頭ではすごい勢いで駆け抜けるような撮り方をされていましたが、これはステディカムとかそういうものを使っているんですか?

佐藤 いや、そんなものは使っていないです。撮り方は秘密ですけど、シンプルにやっていますよ。ステディカムだとアングルが限られちゃうので逆に撮りづらいんです。人間ステディカムですな(笑)。

――(笑)。他にもタイムラプスを多用したりして、東京が蠢いているように感じました。生きづらい、味気ない街として描いていると思うんですけど、とても美しかったです。

佐藤 逆に言うと、東京というのは表面的にはきれいに見えるんだけど、視点を変えて見ると全然違う風景になったりするんですよね。都市というのはどこもそうなんだけど、で、特に今の東京で顕著なんだけど、建築物がどんどんできていって今しか映せない風景みたいなものがあるんですよ。ロケハンしているうちに「面白い場所だな」と再発見することもありましたし、逆に「あそこでいい風景が撮れるだろう」というところに行ってみるともう風景が変わってしまっていて、面白い部分が隠蔽されちゃっていたりしてね。神奈川方面にも撮影に行って、生麦ジャンクションのあたりで空を覆い尽くすかのような建築場所があって、工事進行中なので今行ったらまた別の風景になっているんですよね。そういう構築物を見ると人間の内臓に見えたりして。

――ああ、確かにそうですね。グチャグチャとむき出しになっていて。今ならではの貴重な記録になっていると思います。そうした都会の風景とは対照的に、富士の樹海にも行っていますね。

佐藤 そうですね、まさしく都市との対比として描いているんですが、樹海の枝も人間の細胞に見えるし、眼球の静脈にもダブるし。それも眼球写真展のひとつのビジュアルとして利用したりしたんですけどね。そこらへんは結構遊んでいると言うとあれだけど、スタッフ同士でキャッチボールのように意見を出し合って、どんどんアイディアが膨らんでいったところなんですよ。映像の場合は正解がないわけで、スタッフ一人一人のアイディアなり意見によってどんどん変わってくるわけで、そこらへんが面白かったですね。

――そうですね。どの場所も思いがけない使われ方がしていて新鮮でした。

佐藤 ロケ場所に関しては、映画の場合だとやっぱりバランス感覚というか、「この場所にはあるイメージ」というふうにイメージが限定されてしまうじゃないですか。今回は割とロケ場所を絞って、アングルによって違う見え方になったりするようなことを狙いましたね。そうすると陰影が浮かび上がってきて複雑なようでいてシンプルな映像になり、役者の芝居が生きてくるという。今回は特にそういう考えでやりました。

――佐川一政さんが樹海のシーンに出演していますが、実際にお連れしているのですか? 

佐藤 ああ、そうですね、佐川さんは今病気で、一人では歩けない状況なんですよ。弟さんに介護してもらっていて、車椅子である程度は行動できるんですけど。それで、樹海までの移動がやっぱり心配だったので、場合によっては佐川さんのシーンだけ近場の森で撮ることも考えて、そういった場所も押さえとして用意していたんですよ。だけど結局樹海に行って、そうしたら森林浴っていうのかな? その効果で逆になんか元気になっていましたね(笑)。

――そうなんですか。本当にパワースポットだったんですね(笑)。

佐藤 そうそう(笑)。

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眼球の夢 2016年/日米合作/カラー/DCP/102分
出演:佐藤 寿保、桜木梨奈、中野剛、PANTA、小林竜樹、佐川一政、シャイリー波輝、川瀬陽太、和女
監督:佐藤寿保 脚本:夢野史郎 撮影:御木茂則 照明:松隈信一 録音:植田中 美術:林千奈
音楽:田所大輔 田辺裕己彦 編集:鵜飼邦彦 音響効果:丹雄二 カラーグレーディング:広瀬亮一
衣装:小海綾美 ヘアメイク:ビューティ★佐口 特殊造形:百武朋 助監督:伊藤一平
制作担当:太田勝一郎 キャスティング:小林良二 スチール:土屋久美子 蒔苗仁 題字:舛田忍
ラインプロデューサー:金森保 共同プロデューサー:矢島仁
プロデューサー: ヴェレナ・パラヴェル、ルーシァン・キャスティーヌ=テイラー、坂口一直
制作プロダクション:キリシマ1945 共同研究:東京工芸大学映像表現研究室 
特別協力:フジヤエービック 製作:アレット・トン・シネマ スタンス・カンパニー 配給・宣伝:太秦
© 2016 Arrete Ton Cinema, Stance Company
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2016年7月30日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

2016/08/09/21:34 | BBS | トラックバック (0)
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