インタビュー
下向拓生監督/『センターライン』

下向 拓生 (監督)
映画『センターライン』について【1/5】

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2019年4月20日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開中

自動運転が普及した平成39年、死亡事故を調べていた新米検事が、運転していた人工知能を過失致死罪で起訴。すると彼は「過失ではなく、わざと殺した」と供述する……。ロボットに心はあるのか?人間の味方なのか?というSFで繰り返し描かれてきたテーマに、現実社会で直面する日もそう遠くはないはず。荒唐無稽に見えつつ実はとても身近に迫る世界を、近未来SF、異類同士のバディもの、法廷サスペンス……と様々なエンターテインメントの要素を織り込みながら小気味よく映像化し、福岡インディペンデント映画祭2018グランプリ受賞など国内外の映画祭を席巻してきた破格の自主映画『センターライン』が、池袋シネマ・ロサにて公開中だ。裁判劇の言葉の応酬に手に汗握り、機械と人間の壁を越えるコミュニケーションに胸を熱くする、奇跡のような67分にぜひ立ち会ってほしい。長野県在住で会社勤めをしながら、熱意とアイデアでオリジナルな作品を生み出した新鋭・下向拓生監督にお話をうかがった。 (取材:深谷直子)
下向 拓生 1987年9月18日、愛知県生まれ、福井県育ち。大学時代から映画制作に関わり、一般企業就職後は会社勤めの傍、映画制作を継続。学的考察を踏まえたリアルなサイエンスフィクションを得意とする。2作目の『N.O.A.』は第4回クォータースターコンテストグランプリやFOXムービー短編映画祭2016優秀賞など、数々の賞を受賞。他劇団に脚本書き下ろしも行い、主な脚本作に、もりとみ舞一人芝居『ずっといっしょ』『部屋と冷蔵庫と私と』。
STORY もうすぐ来るかもしれない近未来 SF 法廷サスペンス&ロボットバディムービー!
自動運転が普及した安全な時代[平成 39 年]に、車同士の正面衝突による死亡事故が発生。交通部配属の新任検察官米子天々音は、自動運転を制御していた人工知能の MACO2 を過失致死罪で起訴しようと画策する。しかし”彼”は、「誤作動ではなく、わざと殺しました」と供述。 AI の心は嘘か真か。
下向拓生監督画像1
――『センターライン』は人工知能と人間の共生を描く近未来SFであり、裁判劇でもある本格的なエンターテインメント作品で、自主映画でこういうことができるんだなと驚きながら面白く拝見しました。とてもチャレンジングなことをされていると思うのですが、成り立ちから教えていただけますか?

下向 前作の短編『N.O.A.』(15)は15分ワンカットで撮った作品で、それも人工知能と人間の関わりを描いているんですが、実は中身の骨格としては裁判劇だったんです。僕は、『12人の優しい日本人』(91)や、最近だと「リーガル・ハイ」(12)など、裁判劇のドラマや映画が昔から好きで、自分でもやってみたいなと思って実際に裁判を傍聴してみたら、言葉は少し語弊があるかもしれないんですが、とても興味深かったんです。被告人と検察官、弁護人が、言葉だけで状況を説明していき、ストーリーが成り立っていくというのが面白いなと思って、それをやってみたくて『N.O.A.』を作りました。そうしたら意外と映画祭などで受け入れられて、次は裁判劇を本気でやりたいなと思い、どうしたらできるだろうか?と考え始めたのが発端ですね。

――監督は特に司法関係のお仕事をされているというわけではないのですよね? 裁判のディテールまでしっかりと描かれていて感心しました。

下向 裁判の傍聴に何度か行きましたし、弁護士の方にも脚本の監修をしてもらいました。脚本上だけで映像までは監修してもらったわけではないんですが、ストーリーはできるだけ現実に即したものを書くように心がけました。

――準備にはかなり時間をかけたのでしょうか?

下向 そうですね、思いついてから撮影に入るまでに1年半ぐらいかけています。2016年の2月、3月ぐらいに、”人工知能が被告人の裁判劇”という、プロットよりも粗いざっくりとしたイメージが思い浮かんで、そこから本などで勉強し、人工知能が裁判で裁かれるときはどういうプロセスを経ていくのか考えていって、だいたいのプロットができたのが2016年の5月ぐらいです。その時点で、この規模の映画を自分の資金で作るのはさすがに無理かなと思って、いろいろな企画コンペに応募しました。でもそれが全然ダメだったので悔しくて、「だったら自分で作ってやろう」と半ばヤケになって自分の力で動き出したのがその年の9月ぐらいですね。その時点では脚本はまだプロットしかできていませんでしたが、まずはロケ地を確保しないと作れないなと思って、法廷のシーンをどう撮るか?とか考えてロケ地の交渉をしていきました。11月か12月ぐらいになんとなくロケ地の目処がついてきて、そこできちんと脚本を書こうと決めて、弁護士さんに監修を頼みました。まずはプロットの状態で「ここの流れはどうですか?」と意見をいただいて、初稿を書いて送って、台詞の専門用語を確認していただいて。メールでのそういうやりとりが2017年の1月ぐらいまで続きました。その後さらに脚本としての精度を高めていって、決定稿ができたのは2017年の3月中旬ぐらい、撮影が4月後半です。

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センターライン (2018 年/日本/カラー/DCP/ステレオ/シネマスコープ/67 分)
出演:吉見茉莉奈,星能豊,倉橋健,望月めいり,上山輝,中嶋政彦,一色秀貴,近藤淳,青木謙樹,松本高士,もりとみ舞,
一髙由佳,青木泰代,いば正人,藤原未砂希
監督・脚本・編集:下向拓生
撮影監督:JUNPEI SUZUKI セカンドカメラ:山川智輝、村瀬裕志 録音:上山輝
モーションアクター:木村翔 音楽:ISAo.  主題歌:「シンギュラリティ・ブルース」小野優樹
ロケーション協力:いちのみやフィルムコミッション協議会/愛知県あま市企画政策課/名古屋大学
配給 © プロダクションMOZU
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2019年4月20日(土)より池袋シネマ・ロサにて公開中

2019/04/22/20:11 | トラックバック (0)
深谷直子 ,インタビュー
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