「3時10分、決断のとき」(原題"3:10 To Yuma")は「何で、この映画が日本で公開されないのだろう?」と思っていた映画の1本だった07年作品。今作の場合は、クリスチャン・ベイルとラッセル・クロウの主演で評価も高くヒットもしたので日本で公開しないのが不思議だったのだが、ベイル主演の「ターミネーター4」の公開に合わせたらしく、公開が決まった。
日本公開が決まる直前に焼いてもらった輸入盤DVDを持っていたが、1回目はスクリーンで観ようと思った作品だった。それが正解の見応えがある力作だった。エルモア・レナード原作で過去に映画化されているが、「コップランド」で原作を下敷きにしているぐらいに思い入れのあるジェームズ・マンゴールド監督の執念の企画だが、トム・クルーズとエリック・バナで進めていた企画がトム・クルーズの降板に伴い頓挫。そこで妻でもあるプロデューサーのキャシー・コンラッドと自主映画のような形で映画化に踏み切ることにしている(終盤のアクションで作る途中の家屋が出てくるが、予算がないためにその[状態でストップしたままだったとのこと)。そこに「オーストラリア」に出演がなくなったラッセル・クロウが現れたのと、脚本を気に入ったクリスチャン・ベイルで始動した。
「プライベート・ライアン」を参考にしたという移動がメインのストーリー&予期せぬ順番で命を失っていく脚色が見事でオロジナルの映画版よりも活劇の魅力が増している。オリジナルよりリメイクが良くなった、最近では珍しい作品に仕上がっているので公開規模は小さいが、是非劇場のスクリーンで観てほしい。
「口を閉ざす者は命を守り、おしゃべりな者は滅びをむかえるだろう」とは聖書の箴言13章3節の"Proverbs 13:3. "He that keepeth his mouth, keepeth his life. He that opens his lips too wide shall bring on his own destruction."でラッセル・クロウ演じるベン・ウェイドが言う台詞。久し振りの悪役のラッセル・クロウも良い。
さまざまなジャンルの映画を撮りすぎている監督のジェームズ・マンゴールドは、どちらかというと秀才派タイプの監督だが、今作では良い方向に出ている。大好きな「さすらいのカウボーイ」での西部劇への出演が忘れられないピーター・フォンダが脇を固めているのも嬉しかった。日本で、このぐらいの出来のアクション映画が最近ないのは(西部劇だから時代劇でもよい)本当に寂しい限りだ。(2009.8.13)
3時10分、決断のとき 2007年 アメリカ
監督:ジェームズ・マンゴールド 脚本:ハルステッド・ウェルズ,マイケル・ブラント,デレク・ハース
撮影:フェドン・パパマイケル 美術:グレゴリー・A・ベリー
出演:ラッセル・クロウ,クリスチャン・ベイル,ピーター・フォンダ,ベン・フォスター,グレッチェン・モル,
ダラス・ロバーツ,アラン・テュディック,ローガン・ラーマン,ケヴィン・デュランド
8月8日(土)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー!
- 監督:デルマー・デイヴィス
- 出演:グレン・フォード,ヴァン・ヘフリン
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2006-12-20
- おすすめ度:
- Amazon で詳細を見る
主なキャスト / スタッフ
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3時10分、決断の時・・・・・評価額1650円 E ノラネコの呑んで観るシネマ
本国公開から2年も経っている上に、上映館は東京23区でたった一館・・・。 まあ今の日本で、渋い西部劇のマーケットなど殆ど存在しないのは分...
Tracked on 2009/08/20(木)23:10:51
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心に秘めた生き様に、男は静かに命を賭ける。
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