映画祭情報&レポート

中国インディペンデント映画祭2013

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2013年11月30日(土)~12月13日(金)、
オーディトリウム渋谷にて開催

独立(インディペンデント)映画が現代中国を内側からあぶり出す!

ゲイのクラブ歌手、やらしい夢を見る人妻、死体密売人、北朝鮮から脱出してきた子供たち、妊娠しちゃった中学生……きれいごとではない生々しい中国の姿を、中国人が思いのままに描いた映画、それが独立映画。たとえ検閲を通らなくても、中国国内で上映できなくても、撮らずにはいられなかった映画たち。だからこそ感じるこの迫力、この面白さ。これを見ずして中国映画は語れない!

ゲストによるQ&A (随時追加)
  • 11月30日(土) 13:00『豆満江』上映後 ゲスト:張律監督
    15:30『卵と石』上映後 ゲスト:黄驥監督、大塚竜治さん(撮影)
    18:10『ホメられないかも』上映後 ゲスト:楊瑾監督 (続いて特別ライブがあります)
  • 12月1日(日) 15:30『重慶』上映後 ゲスト:張律監督、何国鋒さん(出演者)
    18:00『唐詩』上映後 ゲスト:張律監督
  • 12月7日(土) 13:00『春夢』上映後 ゲスト:楊荔鈉監督
    15:40『白鶴に乗って』上映後 ゲスト:李睿珺監督、張敏さん(出演者)
    18:20『小荷』上映後 ゲスト:劉姝監督
  • 12月8日(日) 13:00『マダム』上映後 ゲスト:邱炯炯監督
    18:20『唐爺さん』上映後 ゲスト:徐童監督、唐小雁さん(出演者)
  • 12月12日(木) 16:45『卵と石』上映後 ゲスト:黄驥監督、大塚竜治さん(撮影)

オープニング特別ライブ 11月30日(日) 18:30『ホメられないかも』Q&A終了後
"民謡"ミュージシャンとして著名な小河による30分間のライブ演奏。『ホメられないかも』『白鶴に乗って』で音楽を担当し、『重慶』では俳優として出演している小河(何国鋒)が映画祭のために初来日。

トークイベント
12月1日(日) 13:00『嫁ぐ死体』上映後 「映画制作と上映の現状
ゲスト:張律監督、楊瑾監督、王宏偉(栗憲庭電影基金アートディレクター)
中国でインディペンデント映画を作ることや上映することの苦労、今後の展望についてゲストたちが論じる。

12月4日(水) 18:30『卵と石』上映後
ゲスト:渡辺真起子さん(俳優)× 黄驥監督、大塚竜治さん(撮影)
毎年数多くの映画に出演し映画ファンにはお馴染みの渡辺真起子さんと、『卵と石』監督夫婦との対談。

12月5日(木) 17:40『マダム』上映後 「アジアのクィア映画事情
ゲスト:入美穂(アジアンクィア映画祭 共同代表)
アジアンクィア映画祭の入さんに、アジアにおける昨今のクィア映画の状況を解説していただく。

12月8日(日) 16:00『治療』上映後 「中国ドキュメンタリー最前線
ゲスト:邱炯炯監督、徐童監督
個人の制作状況や、今の中国ドキュメンタリーが抱える課題について来日ゲストに率直に問う。

12月9日(月) 18:30『治療』上映後
ゲスト:石坂健治さん(東京国際映画祭/日本映画大学教授)× 秋山珠子さん(中国映画字幕翻訳・通訳/立教大学講師)
アジア映画の最前線や世界のドキュメンタリーの歴史を見てこられた石坂さんと、呉文光監督のデビュー当時から専門家として親交を深めてこられた秋山さんによる対談。 俯瞰の視点と密着した視点の両方から、中国ドキュメンタリーの父とも言われる呉文光とその作品について語る。

12月10日(火) 18:30『ホメられないかも』上映後 ゲスト:中村高寛さん(映画監督)
ドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』の監督であり、近年では横浜みなと映画祭のプロデューサーとしても活躍されている中村監督は、 1999年から2001年まで北京電影学院に在学し、映画演出、ドキュメンタリー理論を学んだ経験をもつ。 そんな中村監督に、中国の映画教育や今の中国ドキュメンタリーについて語っていただく。

12月11日(水) 18:30『白鶴に乗って』上映後
ゲスト:鈴木卓爾さん(映画監督/俳優)× 大塚竜治さん(映画監督/『卵と石』撮影監督・プロデューサー)
『楽隊のうさぎ』の公開を控える映画監督の鈴木卓爾さんと、中国で映画制作を続ける大塚竜治さんが、制作者の視点からインディペンデント映画について語る。

上映タイトル一覧

フィクション

『ホメられないかも』監督:楊瑾(ヤン・ジン)( 2012年/100分 )

『ホメられないかも』あらすじ 小学校を卒業した夏休み、ヤンジンは長距離バスに乗って同級生のシャオポーの田舎に遊びに行く。優等生のヤンジンと、怒られてばかりのシャオポー。山西の農村でいろんな人と出会いながら、彼らは少しずつ成長していく。

『卵と石』監督:黄驥(ホアン・ジー) ( 2012年/101分 )

あらすじ 14歳の少女・紅貴は、都会で働く両親と離れて農村に留まり、もう7年ものあいだ叔父夫婦と生活している。幼なじみの男友達・阿九と会えるのを唯一の楽しみとしている普通の女の子だが、実は深刻な悩みを抱えていた。

『小荷(シャオホー)』監督:劉姝(リウ・シュー) ( 2012年/90分 )

あらすじ 田舎の高校で国語教師をしている小荷(シャオホー)は、型破りな授業をすることから生徒たちには人気があるが、保護者や同僚からは疎ましがられていた。職場の空気に耐えられなくなった彼女は北京に出て行くことにするが、北京での暮らしは理想とは程遠く…。

『白鶴に乗って』監督:李睿珺(リー・ルイジン) ( 2012年/99分 )

あらすじ 中国西部の農村で暮らす大工の馬さんは、棺桶作りの名人でもある。政府が土葬を禁ずるようになった今では、棺桶を注文されることもめっきり減ったが、多くの老人たちは依然として土葬を望んでいる。彼の親友は死後密かに土葬されたが、役人にバレて掘り返されてしまう。それを目の当たりにした馬さんが下した決心とは…。

『嫁ぐ死体』監督:彭韜(ポン・タオ) ( 2012年/90分 )

あらすじ 火葬場で働く曹には、人には言えない副業がある。それは女性の遺体を「鬼妻(独身で亡くなった男性の霊を慰めるため、女性の遺体を一緒に葬るという古い風習)」として売買するブローカーであった。重い病気を患った曹は、自分の死期が近づいていることを悟り、自分用に若い女性の死体をキープしておくことにする。そんな時、一人の女性が彼の働く火葬場を訪ねてくる。

『春夢』『春夢』監督:楊荔鈉(ヤン・リーナー) ( 2012年/98分 )

あらすじ 妻として、また小さな娘の母として、そつなくこなしてきたファン・レイだったが、ある時から夢に出てくる男に惹かれ始め、すっかり心を奪われてしまう。夢の中での肉体関係に溺れてしまった彼女は、罪悪感を抱くようになるのだが…。

ドキュメンタリー

『マダム』監督:邱炯炯(チュウ・ジョンジョン) ( 2010年/120分 )

あらすじ 服飾デザイナーをする傍ら、派手な女装をし、マダム・ビランダと名乗ってステージに立つクラブ歌手。同性愛者がまだまだ生きづらい中国にあって、ゲイである彼がここに至るまでには様々な苦労があった。赤裸々に語られるインタビュー映像と、クロスして流れる彼のステージシーンが、ときに笑わせ、ときに涙を誘う。

『治療』監督:呉文光(ウー・ウェングアン) ( 2010年/80分 )

あらすじ 2007年に母親を亡くした監督が、母親についての映像作品を作ろうとこれまでに撮りためてきた映像を編集し始める。しかし、亡くなった母親の生き生きとした姿を改めて見返す作業は、監督にとって辛くもあり、自分自身を治療する過程でもあった。

『唐爺さん』監督:徐童(シュー・トン) ( 2011年/89分 )

あらすじ 前作『占い師』で、売春の元締めをしていて逮捕された唐小雁は、その後釈放され、故郷で新年を迎えるため黒竜江省に帰省する。そこには80歳を超える彼女の父親が住んでいた。娘に劣らず元気で濃いキャラクターの唐爺さん。彼は、訪ねてきた監督のカメラに向かい、自分の半生を饒舌に語りだす。

張律(チャン・リュル)監督特集
『キムチを売る女』(2004)で話題を集め、各地の国際映画祭で注目される奇才・張律監督の魅力に迫る特集。 今回は中国で撮影された3本を一挙上映。

『豆滿江』『豆滿江』 ( 2010年/90分 )

あらすじ 中国と北朝鮮の国境を流れる豆満江(とまんこう)沿いの、中国側の村で暮らすチャンホは、北朝鮮からやってきた少年・ジョンジンと知り合う。ジョンジンは病気の妹のために食べ物を探そうと、危険を犯してやって来たのだった。チャンホは彼を助け、二人の間には友情が芽生える。だが、次第に増えてくる脱北者のせいで村の治安は悪化。二人の関係も険悪になってくる。

『重慶』 ( 2008年/93分 )

あらすじ 留学生たちに中国語を教えている蘇芸は、早くに母を亡くし、父親と二人暮しをしている。その父が、買春をした疑いで娼婦とともに検挙されてしまう。警官・王の計らいで釈放させてもらったことから、蘇芸と王は親しくなり、体を許すまでになるのだが…。独特な雰囲気を漂わせる都市・重慶を舞台に展開される人間模様。

『唐詩』 ( 2004年/86分 )

あらすじ ある男がアパートでひとり静かに暮らしている。女がひとりやって来る以外、とくに人付き合いもなく、いつも無表情で黙々と植物に水をやり、アイロンをかけ、テレビで唐詩の番組を見ている。女は彼とのコミュニケーションを図るが、一向に掛けあってこない。女はナイトクラブで踊りの演出家として働くことになるが、その目的は職場の金を盗み出すことにあった。

特別上映

『ファック・シネマ』監督:呉文光(ウー・ウェングアン) ( 2005年/160分 )

あらすじ 田舎から脚本家を夢見て出てきた王は28歳。ホームレス同然の貧乏生活をおくりながら、毎日映画製作所の門の外に立ち、チャンスを待っている。ドキュメンタリー映画の被写体となることを、彼はチャンスを掴むきっかけと考えているが、実は監督に利用されているに過ぎないのかもしれない。監督は彼を撮りながら、そのことに困惑し始める。
それまでのダイレクトシネマ風の作品と異なり、監督と被写体のやり取りが増えており、これが『治療』へとつながっていることが伺える。

『占い師』監督:徐童(シュー・トン) ( 2010年/129分 )

あらすじ 身体に障害を持つ厲百程は、体と脳に障害を持つ妻とともに、路上で占い師をして生計を立てている。彼の客は主に場末の娼婦たち。厳しい現実の中でも、彼らは笑顔を絶やさず、そして常にしたたかだ。中国の底辺に生きる愛すべき人々を撮り続ける徐童監督が長期取材した、厚くて暖かいヒューマン・ドキュメンタリー。

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2013年11月30日(土)~12月13日(金)、オーディトリウム渋谷にて開催

2013/11/27/22:47 | トラックバック (0)
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