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“中華圏映画アカデミー賞”金馬獎
《最優秀作品賞》《最優秀編集賞》2 冠受賞

石門

『石門』画像

公式サイト 公式 𝕏 

2025年2月28日(金)より新宿武蔵野館、
シネスイッチ銀座、シネリーブル池袋ほか全国順次公開

INTRODUCTION

私たちが歩む道の先には、石のように重い扉が立ちはだかる。

2019 年、中国湖南省の長沙市。単発の仕事で日々お金を稼ぎながら、フライトアテンダントになるための勉強をしている 20 歳のリン。郊外で診療所を営んでいる両親は、死産の責任を求めて賠償金を迫られていた。ある日リンは、自分が妊娠一ヶ月であることを知る。子供を持つことも中絶することも望まなかったリンは、両親を助けるため賠償金の代わりにこの子供を提供することを思いつくのだが……。

『石門』は、金馬獎を始め、ベネチア国際映画祭「ベニス・デイズ部門」、トロント国際映画祭、ニューヨーク映画祭、BFI ロンドン国際映画祭など世界の映画祭で上映されてきた。いち早く鑑賞した海外の批評家からの激賞が続出、米レビューサイト“ロッテントマト”では、批評家が 94%、一般観客は驚異の 100%の高評価を獲得している(12 月 3 日現在)。

監督は中国湖南省出身のホアン・ジーと東京出身の大塚竜治。中国と日本を拠点に活動する夫妻は、女性の性に関する問題をテーマに映画を共同制作してきた。封建的な湖南省の農村で出稼ぎをする両親と離れて抑圧された生活を送る 14 歳の少女を描きロッテルダム映画祭タイガー・アワードを受賞した『卵と石』(2012)、学校で没収されたスマホを売ったことで見知らぬ男たちと知り合うことになる 16 歳の少女を追った『フーリッシュ・バード』(2017)では、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14+スペシャルメンション賞を授与された。

『石門』場面画像1 『石門』場面画像2

世界的に高評価されてきた共同監督の最新作『石門』は、望まぬ妊娠に直面した 20 歳のリン(ヤオ・ホングイ)を主人公に、女性の前にある様々な壁を静かに見つめる作品だ。ホアン・ジー監督が、『石門』とは「女性を取り巻く環境に存在する、打ち破りたくてもなかなか突破して先に進めない壁」 だと語る通り、重々しい“石”の“門”を開く一条の光を求める映画が『石門』である。

全編を固定位置から狙った撮影は本作の特徴の一つ。撮影を担当した大塚は「人物だけを切り取るのではなく、社会の中に彼女が立っているという構図でこの物語を伝えたかった」と語っている。また、妊娠期間と同じ 10 か月をかけて撮影することで、主人公が 10 ヶ月という期間の中で変化していく様が映し出されている。
また、『卵と石』、『フーリッシュ・バード』に続き、ヤオ・ホングイが主人公リンを演じている。両監督は、女性の“性”に関する問題を、彼女の成長に合わせて別のストーリーとして描いている。 監督と俳優の名コンビは映画史に数あるが、フランソワ・トリュフォーとジャン=ピエール・レオの関係に匹敵するトリオによる連作としても世界から注目を集めている。

『石門』場面画像3 『石門』場面画像4
関連情報

ホアン・ジー&大塚竜治監督による前作
『卵と石』 と『フーリッシュ・バード』が日本初公開

卵と石
監督・脚本:ホアン・ジー 撮影・編集:大塚竜治 主演:ヤオ・ホングイ
2012|中国|中国語|ス クリーンサイズ:ビスタ| 1 時間 45 分 ©YELLOW-GREEN PI
【受賞歴】 第 41 回ロッテルダム国際映画祭/タイガー・アワード、最優秀作品賞
第 7 回タルコフスキー記念国際映画祭「鏡」/グランプリ
第 13 回ラスパルマスデグランカナリア国際映画祭/スペシャルメンション
第 9 回北京独立映画祭/スペシャルメンション
第 16 回トロント・リールアジアン国際映画祭/最優秀初長編映画賞

『卵と石』画像2012 年ロッテルダム国際映画祭でグランプリ(タイガーアワード賞)を受賞した、ホアン・ジー監督の長編デビュー作。脚本はホアンと大塚竜治、撮影と編集は大塚が務めている。舞台の村は、実際にホアンが幼少期を過ごした地。ホアンが 8 歳の頃に性被害に遭った事実が物語の基となっている。2012 年公開当時、中国においてタブー視され表に出てくることのなかった性虐待の問題を描いた本作は世界に衝撃を与えた。中国で大きな社会問題の一つである、親の都市部への出稼ぎのために親と離れて暮らす「留守児童」の子どもが抱える孤独や、封建的な価値観が残り、女性にとって抑圧的な農村の姿が描き出されている。

【ストーリー】中国湖南省の田舎町。14 歳の少女ホングイは、都会で働く両親と離れて農村に留まり、もう 7 年ものあいだ叔父夫婦と生活している。幼なじみの男友達であるアジウと会えるのを唯一の楽しみとしている普通の女の子だが、実は深刻な悩みを抱えていた……。
フーリッシュ・バード
監督・脚本:ホアン・ジー 大塚竜治 編集:リャオ・チンソン(『悲情城市』『黒衣の刺客』)、大塚竜治 音楽:リン・チアン(『憂鬱な楽園』『長江哀歌』) 主演:ヤオ・ホングイ
2017|中国|中国語|スクリーンサイズ:シネスコ|1 時間 57 分
©YELLOW-GREEN PI・COOLIE FILMS
【受賞歴】 第 67 回ベルリン国際映画祭/ジェネレーション 14+部門/スペシャルメンション
第 12 回西寧 FIRST 青年映画祭
第 11 回タルコフスキー記念国際映画祭「鏡」/スペシャルメンション
第 17 回南方影展/最優秀作品賞 第 54 回金馬獎/編集賞ノミネート

『フーリッシュ・バード』画像第 67 回ベルリン国際映画祭のジェネレーション 14+部門に出品され、スペシャルメンション賞を受賞した本作。ホアン・ジーと大塚竜治が共同で監督を務める第一作目となる。脚本はホアン、撮影は大塚。また、ホウ・シャオシェン監督作品で編集を務めるリャオ・チンソンが編集で参加していることも特筆すべき点だ(『石門』でも編集を担当)。本作は女性の性にまつわる題材の中でも、思春期の少女が経験する「初体験」に焦点が当てられている。親と離れて暮らす子ども(留守児童)が抱える孤独や、携帯電話やSNS の利用拡大が少女たちの生活にもたらす負の側面を浮き彫りにする。

【ストーリー】中国湖南省の地方都市。16 歳の高校生リンは、出稼ぎに出ている母親と離れ祖父母の家で暮らしていた。学校ではいじめに遭い、家にも居場所がなかったリン。親友と共に高校で盗んだスマートフォンを転売して小遣いを稼ぐようになるが、それをきっかけに街の怪しげな人たちと関わりを持ち始め……。
CREDIT
監督:ホアン・ジー,大塚竜治
出演:ヤオ・ホングイ,リウ・ロン,シャオ・ズーロン,ホアン・シャオション,リウ・ガン
2022/日本/中国語/2 時間 28 分/DCP/原題:石門/英題: Stonewalling
配給:ラビットハウス ©YGP-FILM

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2025年2月28日(金)より新宿武蔵野館、
シネスイッチ銀座、シネリーブル池袋ほか全国順次公開

2025/02/16/18:56 | トラックバック (0)
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