第63回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞・主演女優賞受賞
2014年アカデミー賞外国語映画部門チリ代表作品
グロリアの青春
▶公式サイト ▶公式twitter ▶公式Facebook2014年3月1日(土)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、
ヒューマントラストシネマ有楽町他にて全国公開
グロリア、58歳。チリからやってきた、まったく新しいヒロイン。孤独も更年期の不安も乗り越え、男に頼ることなく前向きに力強く生きる彼女の生き方に、いま世界中の女性が喝采を送り、たくさんの元気をもらっています。
衝撃的なヌードやベッドシーンも辞さず、魅力的な主人公をパワフルかつ繊細に演じるチリのベテラン女優パウリーナ・ガルシアの渾身の演技が、世界各国の映画祭で話題を独占。第63回(2013年)ベルリン国際映画祭の公式上映では10分間におよぶスタンディングオベーションが起き、見事、銀熊賞・主演女優賞、エキュメニカル審査員賞、ドイツ・アートハウス・シネマ組合賞に輝き、スペインの第61回(2013年)サン・セバスティアン国際映画祭ではフィルム・イン・プログレス賞を受賞しました。
チリの首都サンティアゴ。キャリアウーマンとして忙しく働く58歳のグロリアは、息子も娘も独立し、夫との離婚後一人暮らし。中年の独身者たちが集まるダンスホールの常連となっていた彼女は、そこで年上の元海軍将校で実業家のロドルフォと出会い、一夜を共にする。グロリアにとってロドルフォは理想的なパートナーだったが、彼女には気になることがあった。1年前に離婚したばかりの彼は、今も元妻や娘たちの世話を全面的に見ており、グロリアと2人だけの時でも電話で呼び出されることが多かった。やがて、グロリアの苛立ちは頂点に達し、彼女はある行動に出る……。
監督は06年のラテンビート映画祭で上映された『聖家族』(05)がトゥールーズ・ラテン・アメリカ映画祭グランプリなど世界各国で数多くの賞に輝き、一躍チリ映画界新世代のエースとして注目された鬼才セバスティアン・レリオ。撮影は『ナンネル・モーツアルト哀しみの旅路』(10)のベンハミン・エチャサレータ。
グロリアを演じるパウリーナ・ガルシアは、80年代中盤からチリのテレビや映画、舞台と幅広く活躍している人気女優。07年にスタートしたTVシリーズ「Carcel de mujeres」は特に好評で、チリのアカデミー賞やエミー賞といえるアルタザール賞最優秀女優賞(テレビ部門)を受賞している。グロリアを愛するロドルフォを演じるのは、レリオ監督の『聖家族』の他、『独りぼっちのジョニー』(93)、『NO』(12)など数多くの作品でバラエティ豊かな役柄を演じている名優セルヒオ・エルナンデス。劇中、82年にローラ・ブラニガンがカバーして大ヒットしたウンベルト・トッツィの「グロリア」(79)が、主題歌として効果的に使用されているのをはじめ、70-80年代のチリでのヒット曲が多数使用されています。
自立したシニア女性の生き生きとした姿が爽やかな感動を呼ぶ、『グロリアの青春』。本作は世界各国の数多くの映画祭に招待され、欧米各国で劇場公開され喝采を浴び、2014年の米国アカデミー賞外国語映画賞へのチリの代表作品にも選ばれています。
By セバスティアン・レリオ監督
本作『グロリアの青春』は徹底的にグロリアの視点で語られます。彼女が映されないカットはひとつも存在しないし、彼女が映画の中で起こる物事や世界をどのように感じているか、それを描かないシーンはひとつも存在しません。グロリアは作品に登場するあらゆる人々の人生において、助演女優を務めています。
この映画を作るときに意識したのは、助演的なキャラクターを、絶対的な主演キャラクターへと変えることです。逆説的な事ですが、人生において重要な出来事はほぼ他人同士の間で起こるため、ほとんどのシーンで彼女は助演的な動きをしています。しかし、この映画を観る人は、すべての出来事をグロリアの視点を通じて観るよう強いられるのです。冷淡な世界の中で、懸命に誇りを持ってわずかな居場所を求める女性の視点と、彼女個人の自由を守ろうとする周囲の人々の行動を通じて物語は語られていきます。
観客は常に彼女を追うことで、グロリアの肌の下にもぐりこみ、彼女を観察し続け、彼女の感情に直接的に繋がることができるのです。
この映画の脚本は、我々の知人に起きた物語や、我々が聞かされてきた逸話に基づいています。様々な点で、ロケ地となったサンティアゴだからこそ可能だった、リアルな出来事です。サンティアゴという都市こそ、事実上の映画のもう一つのキャラクターだと言えるでしょう。『グロリアの青春』は、大混乱の中にある都市を背景に起こる一個人の物語です。主人公・グロリアの、愛されるため、評価されるための冒険の旅は、世界に認めてもらいたいという現在のチリ社会の叫びの上に成り立っているのです。
グロリアが自分の存在価値を証明しようとする様は、社会の潜在的な不満に通じるものがあります。
映画の中では、共同体が変化するパワーが、グロリア自身の変わりたいという願望によって強調して表現されているのです。
グロリアのキャラクターの内部にあるエネルギーがこの映画を力強く、人間らしいものにしています。あるシーンでは、グロリアはまるでロッキーのようです。世界が彼女を攻撃し、打ちのめそうとしますが、彼女は再び立ち上がり前進し、堂々と顔を上げます。それこそが、彼女の物語を映画にする理由でした。彼女の外見からは見る事ができない、内面に潜む力強さを映画の中に取り込むことが重要だったのです。
監督: セバスティアン・レリオ
製作: フアン・デ・ディオス・ラライン,パブロ・ラライン,セバスティアン・レリオ,ゴンサロ・マサ
脚本: セバスティアン・レリオ,ゴンサロ・マサ 撮影: ベンハミン・エチャサレータ
プロダクション・デザイナー: マルセラ・ウリビ プロダクション・ディレクター: エドゥアルド・カストロ
ライン・プロデューサー: アレハンドロ・カスティージョ スクリプト・コンサルタント: ペドロ・ペイラノ
衣装: ロレート・ヴスコヴィッチ 編集: ソレダ・サルファテ セバスティアン・レリオ
製作総指揮: フアン・イグナシオ・コレア,マリアンヌ・アルタール,
ロシオ・ハドゥエ,アンドレア・カラスコ・ストゥーヴェン
出演: パウリーナ・ガルシア,セルヒオ・エルナンデス,マルシアル・タグレ,ディエゴ・フォンテシージャ,
ファビオラ・サモーラ,アントニア・サンタ・マリア
2013 年/スペイン・チリ合作/スペイン語・英語/109 分/シネスコ/カラー/DCP/5.1ch/
字幕:ブレインウッズ 後援:チリ大使館/セルバンテス文化センター東京 提供:RESPECT
配給:トランスフォーマー 宣伝協力:ブラウニー © 2013 Fabula – Muchas Gracias
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