M・ナイト・シャマラン監督・脚本最新作
ヴィジット
公式サイト 公式Facebook 公式twitter2015年10月23日(金)より、TOHOシネマズ みゆき座ほか全国公開
M・ナイト・シャマランが原点回帰して挑む
史上最高の「謎」と「恐怖」
ハリウッドの第一線で活躍しているフィルムメーカーの中でも、ここまで一つのジャンルにこだわって映画を作り続けている映画監督はいないだろう。「予測不能なストーリー」と「驚愕のクライマックス」を描き続けた天才ストーリーテラー、M・ナイト・シャマラン監督――若干29歳にして長編映画3作目となる『シックス・センス』で第72回アカデミー賞®作品賞にノミネート、自身も監督賞と脚本賞にダブルノミネートを果たした実績を持つ。彼のスタイルの特徴は、観客を一気に張り巡らされた完璧なる「謎」に包んでしまう設定のユニークさと、巧妙な語り口から始まる。しかし終盤になって、これまで語られてきた世界が大きく覆される「秘密」が明かされることにより、物語が180度翻ってしまう。この「謎」と「秘密」の絶妙なバランスが大いなる魅力なのだ。ブルース・ウィリス主演の『シックス・センス』では恐怖と謎を見事に織り交ぜた斬新な演出と、衝撃のラストが話題を呼び、興行的にも批評的にも歴史に残る結果となった。その後も『アンブレイカブル』、『サイン』、『ヴィレッジ』と一貫した手法で大成功を収める。『ハプニング』以降はメジャースタジオの超大作を手掛けていたが、実に7年ぶりに本作『ヴィジット』で自身のルーツである「スリラー映画」へと原点回帰を果たすこととなった。
スリラーの世界で活きる“シャマランらしさ”は、米ペンシルバニア州がお馴染みの舞台となっていることも然ることながら、その設定に顕著だ。『シックス・センス』では「第6の感覚」を持つ少年が登場したように、数字を絡めたトリックが観る者の興味を大きく掻き立てていく。『サイン』には「3つの兆候」が現れ、『ヴィレッジ』においては「3つの掟」に縛られた村が登場するが、本作では一週間、田舎の祖父母の家へと訪問(ヴィジット)する姉弟に奇妙な「3つの約束」が伝えられることで物語が大きく動き出す。このストーリーの断片を聞いただけで物語の先が気になって仕方なくなる。これがシャマラン・エンターテインメントの真骨頂なのだ。しかし、その一方で今回シャマランはこれまでにはなかった大胆な試みにも挑戦している。その一つが撮影方法にある。全シーンが姉弟の持つハンディカメラによる映像によって構成されており、この2人の目線で語られるストーリーが、リアルな体験として観客を恐怖の世界へと誘う。また登場人物にほぼ無名のキャストが揃えられていることも今までなかったことだ。スターの存在感が導くありきたりな展開がそれによって回避され、一寸先までも読みにくくなるストーリーの大きな手助けとなっている。これらは『パラノーマル・アクティビティ』や『インシディアス』などの大ヒットホラーシリーズをプロデュースしたジェイソン・ブラムとの初タッグによって引き起こされたシナジーを感じる。シャマランらしさを際立たせながらも、不気味で不穏な雰囲気に包まれた世界観がより一層深まっているのだ。2015年、新たなる挑戦状が観客へと叩きつけられた。
あなたはシャマラン史上最大の驚きが待つ「結末」を知る覚悟はあるか―?
祖母の家には奇妙な「3つの約束」があった。
第一の約束 楽しい時間を過ごすこと
人里離れた祖母の家へ
休暇を利用してペンシルバニア州メイソンビルへと出発した姉弟。ふたりだけの帰省は、両親の離婚によるショックが癒えぬ彼らのために、地元で学校のカウンセラーをしている祖父母からの誘いで始まった。15歳の姉のベッカはハンディカメラを片手に母親の故郷を記録映画にしようと意気込み、13歳の弟・タイラーも得意のラップを披露して気分を盛り上げている。父親が自分たちを捨てて出て行った悲しい記憶から遠く離れて、楽しい1週間になる予感がしていた――その時までは。
第二の約束 好きなものは遠慮なく食べること
奇妙な「3つの約束」とは?
雪の残る田舎の駅へと降り立ったふたり。ウェルカムボードを掲げて笑顔で手を振っているのが優しそうな祖父。料理上手な祖母はプレッツェルを焼いて持ってきてくれていた。母親が駆け落ちをするまで育ったという祖父母の家は、聞いていた通りのまま、玄関先のお手製のブランコも、居間の古びた時計も、穏やかな雰囲気は時を止めたかのようだった。食卓には祖母の得意料理―パインのアップサイドダウン・ケーキや、パンプディング、チェダービスケット、ホットパイが並ぶ。想像通り、携帯電話が通じなかったのは残念だったが、その必要もないほどの楽しい時間はあっという間に過ぎていった。そして、田舎の夜更けは早く訪れる。就寝時、祖父から奇妙な「3つの約束」について聞かされることになるのだった。
第三の約束 夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと
この家は、何かがおかしい
夜9時半を過ぎ、ふたりは異様な気配で目が覚める。部屋の外から聞こえてくるただごとではない物音に恐怖を覚えた彼らは、絶対に開けてはいけないと言われたドアを開けてしまう。そこで“ある光景”を目にする。
一夜明けて何事もなかったかのような朝を迎えた家。しかし不気味なまでの穏やかさは、次第に崩れ去っていく“日常”の最後のひと時のようであった。ベッカとタイラーは強烈な違和感と、得体の知れない戦慄を覚えていたが、祖父母は「問題ない」とまともに取り合ってくれない。そして度々、家を離れて隣接する納屋へと足を運んで行くのだった。わずかな隙を盗んで、持参したパソコンから母親へとスカイプで連絡を取るも、祖父母はそれだけ老いているからと、逆に説得されてしまう。そして、日を追うごと、日が暮れていくにつれ、祖父母の奇行はエスカレートしていくのだった。果たしてこの家では何が起こっているのだろうか――?
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
製作:ジェイソン・ブラム,M・ナイト・シャマラン,マーク・ビエンストック
製作総指揮:スティーヴン・シュナイダー,アシュウィン・ラジャン
撮影:マリス・アルベルチ プロダクション・デザイン:ナーマン・マーシャル 編集:ルーク・シアロキ
衣装:エイミー・ウェストコット 音楽監修:スーザン・ジェイコブス キャスティング:ダグラス・エイベル
出演:キャスリン・ハーン,ディアナ・デュナガン,ピーター・マクロビー,
エド・オクセンボールド,オリビア・デヨング
原題『The Visit』/2015年/アメリカ/ビスタサイズ/ドルビーデジタルSRD/上映時間:94分
字幕翻訳:風間綾平/配給:東宝東和 ©Universal Pictures.
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