『台湾新電影時代』2014年夏に開催され、大好評を博した＜台湾巨匠傑作選＞の第2弾が、4月30日(土)～6月10日(金)まで新宿K’s cinemaで開催される。
1982～83年頃に、台湾映画界に“新しい波”が産み出されてから30余年。その間の台湾映画の変遷と発展を、前回以上に充実したラインナップで展望することができる本特集では、台湾ニューシネマを代表するホウ・シャオシェン監督作品7作品(『坊やの人形』『風櫃の少年』『童年往事　時の流れ』『悲情城市』『憂鬱な楽園』『珈琲時光』『黒衣の刺客』)、エドワード・ヤン監督作品3作品(『光陰的故事』『恐怖分子』『ヤンヤン 夏の想い出』)、ツァイ・ミンリャン監督作品4作品(『青春神話』『愛情萬歳』『河』『郊遊ピクニック』)。アン・リー監督作品3作品(『推手』『ウェディング・バンケット』『恋人たちの食卓』)などに加え、「台湾ニューシネマ」をテーマに作られた最新ドキュメンタリー『台湾新電影時代』や、是枝裕和監督による劇場初公開のドキュメンタリー『映画が時代を写す時 ― 侯孝賢とエドワード・ヤン』(本作は他作品の半券提示の方のみ無料で鑑賞可)を含む全23本が上映される。
いずれも世界各地の映画祭などで高く評価された傑作、秀作揃いなので、これまで台湾映画を見逃してきてしまった人は、是非この機会に台湾映画の魅力に触れてみてほしい。

『悲情城市』

ホウ・シャオシェン監督作品

• 『坊やの人形』 1983年/ 108分/台湾/出演：チェン・ボージョン、ヤン・リーイン
• 『風櫃の少年』 1984年/ 101分/台湾/出演：ニュウ・チャンザイ、チャン・シー
  第6回ナント三大陸映画祭グランプリ、1985年アジア太平洋映画祭最優秀監督賞
• 『童年往事 時の流れ』 1985年/ 138分/台湾/出演：ユー・アンシュン、シン・シューフェン
  第22回台湾金馬奨 最優秀助演女優賞・最優秀脚本賞、第36回ベルリン国際映画祭 国際批評家連盟賞
• 『悲情城市』 1989年/ 159分/台湾/出演：トニー・レオン、シン・シューフェン、リー・ティエンルー
  第46回ヴェネチア国際映画祭グランプリ、第26回台湾金馬奨 最優秀監督賞・最優秀主演男優賞
• 『憂鬱な楽園』 1996年/ 112分/台湾・日本/出演：ガオ・ジェ、リン・チャン、伊能静
• 『珈琲時光』 2004年/ 103分/日本/出演：一青窈、浅野忠信
  第61回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門正式出品、第9回釜山国際映画祭・Asian Filmmaker of the Year、小津安二郎生誕100年記念作品
• 『黒衣の刺客』 2015年/ 108分/台湾・中国・香港・フランス/出演：スー・チー 、チャン・チェン
  第68回カンヌ国際映画祭最優秀監督賞、第52回台湾金馬奨 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀撮影賞・最優秀メイク＆衣裳賞・最優秀音響効果賞

エドワード・ヤン監督作品

『ヤンヤン 夏の想い出』

• 『光陰的故事』 1982年/ 109分/台湾/
• 『恐怖分子』 1986年/ 109分/台湾・香港/出演：リー・リーチュン、コラ・ミャオ
  第23回台湾金馬奨 最優秀作品賞、第40回ロカルノ国際映画祭銀豹賞、第32回アジア太平洋映画祭最優秀脚本賞
• 『ヤンヤン 夏の想い出』
  2000年/ 173分/台湾・日本/出演：ジョナサン・チャン、ケリー・リー、イッセー尾形
  第53回カンヌ国際映画祭 最優秀監督賞、第26回L.A.批評家協会賞 最優秀外国語映画賞、
  第67回N.Y.批評家協会賞 最優秀外国語映画賞

ツァイ・ミンリャン監督作品

『愛情萬歳』

• 『青春神話』 1992年/ 106分/台湾/出演：リー・カンション 、チェン・チャオロン
  第6回東京国際映画祭ヤングシネマ部門ブロンズ賞
• 『愛情萬歳』 1994年/ 117分/台湾/出演：ヤン・クイメイ 、リー・カンション
  第51回ヴェネチア国際映画祭グランプリ(金獅子賞)・国際映画評論家賞、
  第31回台湾金馬奨最優秀監督賞
• 『河』 1997年/ 115分/台湾/出演：リー・カンション 、ミャオ・ティエン
  第47回ベルリン国際映画祭銀熊賞
• 『郊遊ピクニック』 2013年/ 138分/台湾/出演：リー・カンション 、ヤン・クイメイ
  第70回ヴェネチア国際映画祭審査員大賞、第50回台湾金馬奨 最優秀監督賞・最優秀主演男優賞

台湾映画秀作集

『ウェディング・バンケット』
©Central Motion Picture Corp

• 『推手』(監督：アン・リー)
  1991年/ 105分/台湾・米/出演：ラン・シャン、ワン・ライ
  第28回台湾金馬奨 最優秀主演男優賞・最優秀助演女優賞・審査員特別賞
• 『ウェディング・バンケット』
  (監督：アン・リー)
  1993年/ 108分/台湾・米/出演：ラン・シャン、ウィンストン・チャオ
  第43回ベルリン国際映画祭金熊賞、第30回台湾金馬奨 最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀脚本賞・最優秀助演男優賞・最優秀助演女優賞 第51回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞および第66回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
• 『恋人たちの食卓』(監督：アン・リー)
  1994年/ 124分/台湾/出演：ラン・シャン、ヤン・クイメイ
  第52回ゴールデングローブ賞 外国語映画賞および第67回アカデミー賞 外国語映画賞ノミネート
• 『海角七号／ 君想う、国境の南』(監督：ウェイ・ダーション)
  2008年/ 130分/台湾/出演：ファン・イーチェン、田中千絵
  第10回台北映画祭 最優秀賞・最優秀撮影賞・最優秀音楽賞 第45回台湾金馬奨 最優秀台湾映画賞・最優秀オリジナル音楽賞・最優秀主題歌賞・最優秀助演男優賞・観客賞・最優秀台湾映画人賞
• 『セデック・バレ＜第一部・太陽旗 第二部・虹の橋＞』(監督：ウェイ・ダーション)
  2011年/第一部144分、第二部132分/台湾/出演：リン・チンタイ、安藤政信、ビビアン・スー
  第48回金馬獎 最優秀作品賞・最優秀助演男優賞・最優秀オリジナル音楽賞・最優秀音響効果賞・観客賞・最優秀台湾映画人賞
• 『セデック・バレの真実』(監督：タン･シャンジュー)
  2013年／154分／台湾　第16回台北映画祭 最優秀撮影賞
• 『KANO 1931海の向こうの甲子園』(監督：マー・ジーシアン )
  2014年/185分/台湾/出演：永瀬正敏、坂井真紀　第16回台北映画祭　観客賞・最優秀助演男優賞

特別上映

• 『映画が時代を写す時 ― 侯孝賢とエドワード・ヤン』(監督：是枝裕和)
  1993年/47分/日本
  台湾を代表する二人の映画監督、侯孝賢とエドワード・ヤン。彼らの映画に対する情熱を写し取ったテレビ・ドキュメンタリー。劇場初公開。