川口 潤 (監督) & 伊藤雄和 (ミュージシャン)
映画『オールディックフォギー/歯車にまどわされて』について【2/7】
2016年8月11日(木・祝)よりシネマート新宿、8月20日(土)・21日(日)鹿児島ガーデンズシネマ、8月27日(土)より第七藝術劇場、名古屋シネマテーク、9月24日(土)ジョイランドシネマ沼津 以降、広島・横川シネマ他、全国順次公開!
公式サイト 公式twitter (取材:深谷直子)
伊藤雄和/OLEDICKFOGGY――ドキュメンタリーはプライベートにもかなり密着したものになっていますが、どれぐらいの期間撮っていたのですか?
川口 去年の6月から年末までが一応の区切りですね。年明けにドラマの部分を撮って、あとカメラを3、4台入れてのライブ撮影を1回しましたけど、追っかけてる感があるのは年末までの半年です。
――バンド側から「こういうところを撮ってほしい」とか「ここは撮ってほしくない」とかいった要望はありましたか?
伊藤 撮ってほしいところは監督はすごい撮ってくれてて、ただ映画で使ってくれないんですよ。例えばライブの日に朝早く家を出る感じだとか、入れてほしいというところを絶対入れない(苦笑)。撮ってほしくないところもあるんですけど、そこは多分監督も分かっているから撮っていないです。
川口 そうですね、ほどほどの距離感で。これ以上証拠を残してしまうと何人かメンバーがこの世の中からいなくなるかもしれないな、ということは外しつつ(笑)。
――(笑)。じゃあそのへんはバンドも安心していられたと。
川口 そうですね。自然にそういうふうになっていたかもしれませんね。
――冒頭からいきなり無防備な姿を晒していましたね(笑)。伊藤さんとスージーさんが歯医者で治療を受けているという。かなり意表を突かれましたが、なんでこれを入れたんですか?
川口 あれは実は撮影の後半に撮ったんですけど、「歯医者に行くから川口さん行きますか?」って、撮ってほしいというよりはノリで言われて。それに僕が行かされている感が面白いなと思って。「なんで俺こんなところでこんなシーン撮っているんだろう?」って。
――そうですね、ボヤキのような川口監督のナレーションが被っていって。
川口 本当に「こんなの誰が見て喜ぶんだよ?」って思ったんですけど(笑)。
――「なんでこんなの見せられているんだろう?」って思いましたよ。いきなり口の中のドアップ(苦笑)。
川口 逆にそこが導入にできるなあと思って。「こんな歯の奥から見せちゃって、ここから先はもっとすごいもの見せますよ~」っていう感じで行けるかなあと(笑)。
――このシーンで川口監督のナレーションが入り、それがいつの間にか伊藤さんの声に変っていくという、また不思議なことをされていますよね。どっちの視点から見せているのか混乱するような。ナレーションを入れた意図は?
川口 ナレーションの効果としては、あったほうが分かりやすいんじゃないのかな?というのと、逆にナレーションが入ってくることでズッコケ感みたいなのが出ればいいなと思ってやっています。あと、今までの僕の作品を観てきている人がいれば、そういう人にも「おっ?意外」と思わせたいのが僕自身にはありました。視点ということに関しては、最初はもちろん「僕の視点ですよ」ということで入れているんですけど、そこにあんまりこだわっていなくて、バンドの説明はやっぱり本人にやってもらった方がいいかな?と思ってすり替わっていくようなことをしました。おっしゃるとおり乗っ取られていくような感じで変わっていくんですけど、そこがなんか面白いかなと思ってそうしました。
監督・撮影・編集:川口潤
主演:OLEDICKFOGGY<伊藤雄和、スージー、TAKE、四條未来、yossuxi、大川順堂>
出演:渋川清彦、仲野茂(アナーキー)、増子直純(怒髪天)、NAOKI(SA)、Tezuka Takehito(LINK 13)、HAYATO(CROCODILE COX AND THE DISASTER)、中尊寺まい(ベッド・イン) 他
製作:「OLEDICKFOGGY」映画製作委員会(ディスクユニオン+日本出版販売)制作:アイランドフィルムズ
エグゼクティブプロデューサー:廣畑雅彦、小松賢志 プロデューサー:広中利彦、近藤順也
ビスタ|ステレオ|カラー|デジタル|99分|2016年|日本映画 宣伝:VALERIA 配給:日本出版販売
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