川口 潤 (監督) & 伊藤雄和 (ミュージシャン)
映画『オールディックフォギー/歯車にまどわされて』について【5/7】
2016年8月11日(木・祝)よりシネマート新宿、8月20日(土)・21日(日)鹿児島ガーデンズシネマ、8月27日(土)より第七藝術劇場、名古屋シネマテーク、9月24日(土)ジョイランドシネマ沼津 以降、広島・横川シネマ他、全国順次公開!
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――あの窓拭きは確かにすごく絵になりますよね。かなり怖そう。
伊藤 怖いですね。もう慣れましたけど、昔はやっぱり怖かったです。すごい心配性なんですよ、俺。家を出てから「ガス止めたかな?」って心配になって戻っちゃうタイプで(笑)。あの仕事も、いつも命綱のセッティングをして半分下りたところで「やったかな?」って心配になってまた上って行って。そしたらダメだったときもあるんです。
川口 うわ~~、そうなんだ……。僕も一応見習いみたいな恰好をして一緒に行ったんですけど、かなり怖かったです。ただでさえ高所恐怖症なのに、カメラを構えて身を乗り出してたら本当に怖いんです。そこを飄々と行くんで「すげーなあ」と思って。それがそのまま伝わるなと思って入れました。
――伊藤さんがお子さんが生まれるのを病院で待っている姿も映画に残せましたね。やっぱり他のときとは全然違う表情で。たまたま撮影時期と重なっていたから撮れた貴重な記録ですね。
伊藤 電話して監督を呼びましたもん。
川口 「入院しました」って朝の6時とか7時に電話があって、「分かった、行くよ」って出かけていきましたね。不良なんだけど、それだけじゃなくて普通の人でも分かち合えるような生活ラインがあるから彼らはいいんですよね。
――こうやって人柄を見せることで、オールディックの音楽のよさも一層伝わるものになっていると思います。ライブシーンももちろんよかったんですが、風景などの映像のバックとして曲を聴かせるようなところで「本当にいい曲を作る人たちなんだなあ」ということを感じました。選曲は誰がしているんですか?
伊藤 監督です。
――全部監督が。選曲のポイントを教えていただけますか?
川口 他にもいい曲だらけなんですよね。ライブはもちろん盛り上がるので、「盛り上がってるぜ感」だけをフィーチャーすることはいくらでもできるんですけど、タマをいっぱい持っていて聴かせることもできるバンドだから、そこの緩急はすごく考えて入れたかな。考えたというか感覚でやっているんですけど、限られた尺の中でどうやったらその両方を見せられるかっていうのはすごく考えて、 なおかつストーリーに関係あるような曲を選んだ感じですね。
――そうですね。生き方を見つめさせるような曲が多い気がしました。
伊藤 古い曲ばっかりなんですよね、あれ。新譜の曲が全然入っていないから、レコード会社側から選ぶとしたら多分ああいう選曲にはならないんです。監督が選んだことによって、また違う見え方になったんじゃないかなと。
川口 新曲を避けていたわけじゃないんですけど、レコーディングの場面で新曲の音が鳴っているし、映画が公開されるときにはもうアルバムも発売されているしなあって。昔からのオールディックのファンはこの映画を観に来てくれると思うんですけど、どちらかというとアルバムを聴いて新しくファンになった人が「新曲しか知らないけど映画を観に行ってみよう」ってなったときに古い曲が効けばいいなあと。厚みを考えているんです。でも結局はストーリーに沿って入れたという感じですね
監督・撮影・編集:川口潤
主演:OLEDICKFOGGY<伊藤雄和、スージー、TAKE、四條未来、yossuxi、大川順堂>
出演:渋川清彦、仲野茂(アナーキー)、増子直純(怒髪天)、NAOKI(SA)、Tezuka Takehito(LINK 13)、HAYATO(CROCODILE COX AND THE DISASTER)、中尊寺まい(ベッド・イン) 他
製作:「OLEDICKFOGGY」映画製作委員会(ディスクユニオン+日本出版販売)制作:アイランドフィルムズ
エグゼクティブプロデューサー:廣畑雅彦、小松賢志 プロデューサー:広中利彦、近藤順也
ビスタ|ステレオ|カラー|デジタル|99分|2016年|日本映画 宣伝:VALERIA 配給:日本出版販売
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