川口 潤 (監督) & 伊藤雄和 (ミュージシャン)
映画『オールディックフォギー/歯車にまどわされて』について【3/7】
2016年8月11日(木・祝)よりシネマート新宿、8月20日(土)・21日(日)鹿児島ガーデンズシネマ、8月27日(土)より第七藝術劇場、名古屋シネマテーク、9月24日(土)ジョイランドシネマ沼津 以降、広島・横川シネマ他、全国順次公開!
公式サイト 公式twitter (取材:深谷直子)
伊藤雄和/OLEDICKFOGGY スージー/OLEDICKFOGGY――伊藤さんのナレーションの台詞はご自分で考えたんですか?
伊藤 大体は監督が考えていたんですけど、結構変えていますね。最初に監督が全部のナレーションを喋っているのをもらって、このへんから俺に変わるっていう説明があって。
川口 あ、そうだそうだ。よく覚えていたね。最初にラフで、僕が伊藤くんの部分も仮当てでナレーションをしたんですよ。バンドの歴史は大体は聞いて知っていたので土台をまず作って、で、伊藤くんに「このへんですり替わるよ」って言って原稿を修正してもらったんです。
――そうなんですか。伊藤さんはやっぱり声がすごくいいので、ここで劇的に映画のトーンが変わっていきますよね。芝居っ気あるなというのがそこでも感じられましたし。
川口 そう、やっぱりそこがいいなあと。
――そしてレコーディング風景に入っていくんですが、あんなにお酒を飲んでいて(笑)。
伊藤 あれレコーディングの初日でしたからね。
川口 そう、飲みながらやっているバンドが他にいないかというとそうでもないんですけど、初日からあれだから。打ち上げみたいになっていたじゃないですか、テーブルの上が。それは今まで見たことがなかったですよね。「全員が全員かよ!」って(苦笑)。
伊藤 レコーディングなのに準備ができていませんでしたからね(笑)。ドラムは録り終ったけどあとはやることがなくて「とりあえず飲もう」と。
――ははは。
川口 でもさっき新聞の取材を受けて、記者は少しお年を召した方だったんですけど、「ボンクラに見えなかった」と言われましたね。「真面目だ」と。よくよく考えてみたら昔のバンドって、メジャーでレコーディングの場を与えられてもああいうふうにルーズでいられたんですけど、今のバンドって「レコーディングの準備ができていない、歌詞ができていない、とりあえず分からなかったからお酒飲んじゃった」みたいなことって許されないわけですよ。でもそれをやっちゃってる、それでなんとか辻褄が合って形になって、いい作品ができているわけですから、そこがすごいんですよ。
伊藤 レコーディングをやるとなったら曲がなくても「ある」と言うタイプなので。「どうしよう?」とか思うんですけど、そこはバレないようにやっています。
――それ込みで生まれてくる音楽なのかなという気もします。ちゃんとやり切る気持ちは持ちながら、自分たちのペースを大事にして楽しくやっている。粋ですよね。
川口 そうなんですよね。その余裕というか、ネジの締め方が違うんですよ。今のインディーズのバンドって、最初からネジを締めて入らないと予算オーバーしちゃうっていうのもあって、レコーディングがほぼ作業に近いんですよ。でも彼らはそうじゃないから。「ま~~酷いな、このバンド」と思いながらも、このノリでレコーディングに入って、でも結果できるんだ?というのは驚きでしかなかったですね。
伊藤 必死になる瞬間もあるんですよ。追い詰められてくると結局は作業のようになるんですけど、でもこのフワフワしている時間というのが重要だなと思っていて。
――すごく楽しそうですよね。ドラムを録っているときに他のメンバーはそれを聴いてゲラゲラ爆笑していたり。
伊藤 いちばん楽しいときですね。自分のパートじゃないから。
監督・撮影・編集:川口潤
主演:OLEDICKFOGGY<伊藤雄和、スージー、TAKE、四條未来、yossuxi、大川順堂>
出演:渋川清彦、仲野茂(アナーキー)、増子直純(怒髪天)、NAOKI(SA)、Tezuka Takehito(LINK 13)、HAYATO(CROCODILE COX AND THE DISASTER)、中尊寺まい(ベッド・イン) 他
製作:「OLEDICKFOGGY」映画製作委員会(ディスクユニオン+日本出版販売)制作:アイランドフィルムズ
エグゼクティブプロデューサー:廣畑雅彦、小松賢志 プロデューサー:広中利彦、近藤順也
ビスタ|ステレオ|カラー|デジタル|99分|2016年|日本映画 宣伝:VALERIA 配給:日本出版販売
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