1800年の歴史に終止符!そして今、どこに向かおうとしているのか?日本人と馬をテーマに二本の映画が完成!!
『馬ありて』 ©GROUP GENDAI 約1800年と言われている馬と人間の歴史。古くから続く人間と馬との営みが、新しい時代を迎えようとしている。そんな中、若い二人の日本人監督が、それぞれの視点で馬と人間の関係性を見つめたドキュメンタリー映画を偶然にも同じ時期に完成させた。
11月30日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかにて公開される、笹谷遼平監督の『馬ありて』は、北海道帯広市、むかわ町穂別、岩手県遠野市を舞台に、古くから連綿と続く馬と人間の生活をモノクロームの静謐な映像美で浮き彫りにする。馬が何百キロの重りとソリを引く「ばんえい競馬」に挑む馬とその馬飼い。車が入れない山中で伐採した木材を馬を使って運び出す「馬搬」の職人。馬の売買で生計を立てる「馬喰(ばくろう)」。そして、馬と人の娘の悲恋を描いた民話「オシラサマ」……。馬を仕事の道具としての割り切る一方で、馬に対する揺るぎない愛情や、馬の存在そのものを讃えた信心など、馬を通して自然そのものと対峙する彼らの生活から、現代人が見失った大切なものが見えてくる。
12月28日(土)より、新宿K’s cinemaほかにて公開される、平林健一監督の『今日もどこかで馬は生まれる』は、これまであまり語られることのなかった引退競走馬たちの『その後』について、関係当事者たちの様々な声を丁寧に拾い集め、「人と馬がこれからも共に生きていくために必要な事とは?」という重い問いかけに対する答えを真摯に模索している。
人間と馬の関係性を全く異なる角度から光を当てたこの二本のドキュメンタリー映画を通して、今だからこそ見えてくる人間と馬との営みについて考えてみてはいかがだろうか。
馬ありて
監督・撮影・編集 : 笹谷遼平 音楽: 茂野雅道 製作: 六字映画機構 製作・配給 : グループ現代
2019年/モノクロ/日本/DCP/88分/シネスコ 公式サイト 公式Facebook
人里離れた地域の消えゆく文化が、誠実に、知的に、美しく撮影された歴史的価値に富んだ作品――マーガレット・パーソンズ(ワシントン・ナショナルギャラリー映画プログラマー)
馬と人間の営みを見つめた映像詩
マイナス25度。全てが凍る北海道の大地に鼓動を打ち鳴らし、しっかりと根を下ろした「ばんえい競馬」の力強い姿は、多くの人を魅了している。同時に、そこでは「馬喰」を介し、馬が経済動物として取引される。同じ地域に存在する対照的な馬たち。馬と人間の営みの本質とは何か?その手掛かりは、日本の原風景とも言うべき岩手県遠野にあった。
「馬搬」という職業、馬にまつわる「オシラサマ」の伝説 が今も生きていた。ここでは経験や信仰を今に伝え、豊年を祈願する馬と人間の営みが連綿と続いていた。馬と人間の関わりは何を問いかけるのか。モノクロでおくる珠玉の映像詩。
2019 年米国ワシントン・ナショナルギャラリー特別招待作品。
2019年11月30日(土)より、シアター・イメージフォーラムにてモーニングショーほか全国順次公開
今日もどこかで馬は生まれる
企画・監督・編集:平林健一 制作総指揮・撮影・編集:平本淳也 制作・配給:Creem Pan
2019年/日本/94分/カラー/シネスコ/DCP 公式サイト 公式twitter 公式Facebook
多くの引退競走馬は天寿を全うする前にその生涯を終えている――。
馬とともに生きる人々に聞いた。人と馬の、これから。
業界内で長らく暗黙の了解とされてきたこの課題に、当事者たちは何を思い、何を語るのか。
JRA が主催する中央競馬の2017 年度の売上は約2兆7,000 億円。大きな盛り上がりを見せる一方、競馬で走ることができなくなった馬たちの『その後』については、これまであまり語られることはありませんでした。
多くの馬たちが、天寿を全うする前にその生涯を終えている――。競馬産業に関わる人々の中で長らく暗黙の了解とされていた、この引退馬の課題について、当事者たちは何を思い、どう考えているのか。その答えを探して私たちは、競馬をこよなく愛するファン、馬主、調教師、生産者、馬を生かしたビジネスを展開する経営者など、さまざまな立場で馬と関わる人々を訪ねました。そこには、馬を尊敬し、馬と真摯に向き合う人々の姿がありました。
2019年12月28日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国順次公開
- (著):辻谷秋人
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- (著):スサンナ・コッティカ, ルカ・パパレッリ
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