05年11月特集/TAKESHIS'
2005年 日本
監督 北野 武
脚本 北野 武
北野武
京野ことみ
岸本加世子
大杉漣
寺島進
渡辺哲
美輪明宏
六平直政
上田耕一
ビートきよし
高木淳也
津田寛治
芦川誠
石橋保 他
<< 作品概要 >>
ビートたけしは、欲しいものなら何でも手に入るリッチな生活を送る芸能界の超大物。そんな彼に憧れ、
いつかはオレも……と願いながらコンビニで働く傍ら、オーディションに明け暮れる北野武。だが、
ちっとも上手くいかない人生に苛立ちを募らせた北野武は、偶然ビートたけしに遭遇したことを契機に、
夢とも現実とも分からない不思議な世界に迷い込んでいくのだった……。
2005/11/27/19:05 | トラックバック (1) | 中川泰典 ,今月の注目作 ,TAKESHIS'
TAKESHIS'
(2005 / 日本 / 北野武) 観る者を惑わすために仕掛けられたメビウス的迷宮 仙道 勇人 社会的に成功していても、その業績や自己に対して否定的な考え方をしてしまう人がいる。 自分を評価してくれる人々を騙している、自分の業績など取るに足らないもので人々をペテンにかけていると自嘲気味にしか捉えられない。 このように自己像を過小評価してしまう心理は「インポスター現象」と呼ばれ、成功者にしばしば見られるという。 北野武監督がこのインポスター現象を抱えているのかどうかは分からないが、しかし、 自己像に対するある種の"揺らぎ"を抱え込んでいるのは間違いないところであるように思う。お笑い芸人として地歩を築きながら、今や監督、 司会者、俳優、作家、教授と、まさにそのタレントぶりを発揮している彼は、自身のそうした肩書きをある種の仮面と捉え、そこに居心 続きを読む
2005/11/24/21:53 | トラックバック (3) | 仙道勇人 ,今月の注目作 ,TAKESHIS'
TAKESHIS'
(2005 / 日本 / 北野武) 小心者の思想 ―― 実写版・蛭子能収の世界 針部 ろっく この映画の内容を極めて強引に一言で言ってしまえば、「役者志願のコンビニ店員の中年男がひょんなことから銃を手に入れ、 それによって今まで散々抑圧されてきた彼が圧倒的な暴力を一気に噴出する」というもので、銃を手にしてからの後半の展開は、 自分に有無を言わせぬ権力・パワーがあったら誰も彼もメタメタにしてやるのにという、小心者の思想が展開されていく。が、 それだけの受け取り方も貧しいという気がするし、ストーリーを解釈することに殊更意味がない気もするので、 ここから先は看板に半ば偽りありといった具合に流れていく。 この映画に「原作・蛭子能収」とクレジットがあっても、筆者は少しも驚かないだろう。蛭子能収がこの映画を見たら 「こんなの俺が二十年も前にやっちゃ 続きを読む