04年11月特集/血と骨
2004年 日本
監督 崔洋一
脚本 崔洋一、鄭義信
出演 ビートたけし
鈴木京香
新井浩文
田畑智子
オダギリジョー
松重豊
中村優子
濱田マリ
北村一輝
中村優子
唯野未歩子
柏原収史
塩見三省
國村隼
寺島進
伊藤淳史
仁科貴
佐藤貢
中村麻美 他
<< 作品概要 >>
1923年。一旗揚げることを夢見て、済州島から大阪に渡ってきた金俊平は、朝鮮人集落の中でも凶暴さと強欲さで悪名を轟かせていた。
戦後間もない混乱期に蒲鉾工場を立ち上げるや、低賃金を強要して巨万の富を築いていく。そんなある日、
俊平の息子を名乗る武という青年が現れ、金家で我が物顔で暮らし始める。
暫くして武は俊平から金をもらって出て行こうとするが、
家族に金を使う気のない俊平と大乱闘を演じることに。それから1年後、
家族の住むすぐ目の前に新しく家を買い、清子という若い女を囲い暮らし始めるなど、
俊平の傍若無人ぶりは留まる気配がなく……。
血と骨
コレクターズ・エディション
おすすめ度:
血と骨〈上〉
おすすめ度:
血と骨〈下〉
おすすめ度:
2005/05/01/12:51 | トラックバック (3) | 中川泰典 ,血と骨 ,今月の注目作
血と骨
(2004 / 日本 / 崔洋一) 風に逆らわぬ葦のごとく 鮫島 サメ子 ごく一部の事例で「男は」「女は」といった括り方をするのは、ヒジョーに乱暴&無茶な話ですが、今回はあえて一言。まったく、 男ってのは困った生き物であることが、よーくわかる作品です。 女にも常軌を逸した心臓と欲を持った向きはおりますが、ごく一部。我欲にしても、ラクして安穏な生活したいとか、イイ男にモテたいとか、 綺麗なもの着て美味いもん食べて時々は褒められたいとか、仕事をきちんと評価されたい(=出世に非ず)とか、 全体にこぢんまりした身の丈感があります。 それに比べて、必要以上の金銭欲や権勢欲、破滅願望としか思えない闘争心等々の我欲で身を磨り減らすのは、圧倒的に男子でしょう。 大きくは国家間の駆け引き、小さくはこんな中小企業の中で権力争いして何が愉しいんだか馬鹿じゃ 続きを読む
2005/05/01/12:50 | トラックバック (0) | 鮫島サメ子 ,血と骨 ,今月の注目作
血と骨
(2004 / 日本 / 崔洋一) 豊饒な役者陣が彩る、路地裏のクロニクル 膳場 岳人 大正期、済州島から新天地を求めて大阪に渡った金俊平は、強欲で酒乱、女好きで人殺しだが、 それなりの成功を収める実業家として、異国のちっぽけな路地に王国を築く――。俊平の息子の視点から語られるこの物語は、 俊平を中心とする家族史、または小さな共同体の歴史を描くことを主眼としている(エンドロールでの家族写真の最後が、 路地の夕空で終わっていたことが象徴的だ)。土地の風景の変遷が肌理細やかに描かれ、 労働の現場の活気と熱気が汗臭さ漂うリアリティで描かれ、男や女が、酒を飲んだりめしを喰ったりセックスしたり子供を作ったりして、 いつしか老いていく姿を、強靭な凝視で捉えていく。舞台は大阪・生野の在日朝鮮人ばかりが暮らす路地であり、 宮崎の片田舎に育った筆者などには 続きを読む
2005/05/01/12:49 | トラックバック (2) | 膳場岳人 ,血と骨 ,今月の注目作
血と骨
(2004 / 日本 / 崔洋一) 客席ごと飲み込んでしまいそうな人物たち 百恵 紳之助 えー、今回は一人だけ遅れてしまいまして大変申し訳ありませんでした。 皆様三者三様のレビューをすでにお読みになっていることと思われます。筆者も読みました。しかも書く前に。 なので遅出しの利みたいなものがあるかと思ったのですが、その逆でした。非常に書き辛いですね。 これからはきちんと決められた期限に観たいと思います。どうもすいません。と、たっぷり枚数稼ぎをしたところで「血と骨」です。 筆者はこの原作を発売当時に拝読しておりました。今でもそのインパクトは非常に強く残っております。なにせあのキャラクターですから。 暴力描写はもとより映画でも描かれておりましたが腐った臓物を食べるところとか。当時はまさか映画になるとは思いませんでした。 やれる役者がいないと思 続きを読む
2005/05/01/12:47 | トラックバック (1) | 血と骨 ,今月の注目作 ,百恵紳之助
血と骨
(2004 / 日本 / 崔洋一) 堂々たる在日版昭和ホームドラマ 仙道 勇人 戦後の混乱期という未曾有の時代、往々にして混乱を制するのは法ではなく"力"の方が圧倒的に多く、また容易であったのかもしれない。本作「血と骨」は、 1920年代に済州島から大阪に渡り、圧倒的な力の誇示と行使とによって戦後の混乱期を乗り切るも、それ故に没落した男・ 金俊平の一代記である。 息子の正雄のナレーションで幕が上がる本作は、息子の視点を通じて父親の姿を相対化する「父子物語」の大定番を踏襲する形で進行する。が、 このありふれた体裁が、実に表面上のものでしかないということが徐々に明らかになっていく。それは恰も、 俊平の荒ぶる行動の数々に焦点を当て続けることで、物語の基本軸として明示した「父と息子の対立関係」を意図的に逸脱させ、それをもって 「父子物語」という 続きを読む
2005/05/01/12:46 | トラックバック (2) | 仙道勇人 ,血と骨 ,今月の注目作