05年1月特集/またの日の知華
2004年 日本
監督 原 一男
脚本 小林佐智子
出演 桃井かおり
吉本多香美
渡辺真起子
金久美子
夏八木勲
小谷嘉一
田中実
田辺誠一
吉岡秀隆
秋本つばさ
岡由佳子
三条泰子
根岸季衣
近藤武吉
野口雅弘
村松恭子
飯島大介
広瀬久美
真実一路
三浦景虎 他
<< 作品概要 >>
体操選手への夢を諦めて体育教師となった知華は、
幼なじみの良雄と結婚し、長男純一を出産する。希望に満ちた生活を送っていた二人だったが、
良雄が結核と診断され、長期療養することに。良雄と離れて暮らす知華は、
やがて同僚の体育教師和也と不倫関係を結ぶが、
それを契機に知華の人生は思いもよらぬ方向へと流転していくことになるのだった…。
2005/05/01/13:01 | トラックバック (0) | 中川泰典 ,今月の注目作 ,またの日の知華
またの日の知華
(2004 / 日本 / 原 一男) 愛しているといってくれ 膳場 岳人 デビュー作の『さようならCP』('74)以来、 手がけた監督作品のすべてが破格の"衝撃作"に仕上がってしまうという稀有なドキュメンタリスト・原一男が、 初めて純然たるフィクションを撮った。原監督は被写体(私生活をさらけ出す脳性麻痺の患者、奔放な生き方を貫く元恋人、 神軍平等兵を自称する活動家、半生を嘘で塗り固めてきた小説家、等)と、 彼らにキャメラを向ける自分自身との"関係性"にこだわってきた人である。そこに「社会問題をリポートする」とか、「客観的な事実」 を誠実に伝えようといった姿勢は希薄だ。その関心事はエキセントリックな「あなた」が、キャメラを抱えた「私」とぶつかり合うことで、 映画にどのような磁場を生じさせるのか、という一点に絞られている。「あなた」と「私」が 続きを読む
2005/05/01/13:00 | トラックバック (0) | 膳場岳人 ,今月の注目作 ,またの日の知華
またの日の知華
(2004 / 日本 / 原 一男) またの日のその人を知りたい 百恵 紳之助 この映画は知華という女の一生をそのときどきによって知華の演じ手を代えた映画だ。 「それぞれの男たちによって知華の見え方は変わるんじゃないか」というような監督の言葉がチラシにあった。 まず演じ手が違うということが自分としては見ていて単純に楽しかった。 そりゃ一人の人間を四人が演じるのだから見てるだけでも興味は尽きない。一見奔放に生きているように見えながら、 真摯にあるべき自分の姿を探しつづける知華という女をそれぞれの女優さんが魅力的に演じていたと思う。 どんな人にでもそれぞれの人生があり、その時がある。 だからその時いっしょにいた人によってそのときのその人の見え方が違うのは当り前と言えば当り前だが、 こうしてモロに違う役者さんに演じさせる手法は面白かった。 続きを読む
2005/05/01/12:58 | トラックバック (1) | 今月の注目作 ,またの日の知華 ,百恵紳之助
またの日の知華
(2004 / 日本 / 原 一男) 真正直に『未来』を求め続けた女の肖像 仙道 勇人 体操選手として将来を嘱望されていたが、出場した大会で平均台の着地に失敗したことを契機に、体操の道を断念した知華。 本作はそんな知華がその後歩むこととなる流転の生涯を描いた作品で、「極私的エロス・1974」('74)「ゆきゆきて、神軍」('87) 「全身小説家」('94)など、ドキュメンタリー作家としてカルト的人気を誇る原一男が、初めて挑んだ劇映画である。 女の不遇の生涯を通じて、人間の営為につきまとう悲しみや愚かさを描いた作品と言えば、筆者などは真っ先にモーパッサンの「女の一生」 を思い出すが、女の死までを描き切っていることを除けば、本作はまさしく「70年代版・女の一生」と呼んで差し支えないだろう。 本作の最大の特色は、吉本多香美、渡辺真起子、金久美 続きを読む
2005/05/01/12:57 | トラックバック (0) | 仙道勇人 ,今月の注目作 ,またの日の知華
またの日の知華
(2004 / 日本 / 原 一男) 変貌する女。立ちつくす男たち。 佐藤 洋笑 思えば10年近く前、この映画のコンセプトは監督本人から聞かされていたのだ。 主人公は〝知華〟という一人の女。体操選手として挫折し、70年代の混沌の時代の波にさらわれるように、流転していく〝知華〟 の人生を彼女が関わった4人の男たち、そして1人の息子という5人の男たちの姿を交えて、 第1章から第4章までのストーリー+エピローグで構成した、原一男監督作品『またの日の知華』。 「4人の男たちに愛された1人のヒロイン〝知華〟を、その愛の遍歴にそって4人の女優が演じる」という鮮烈なコンセプト。 2000年には撮影を開始しながらも、資金難から一旦は製作中断。だが、熱烈な支持の元、キャスト変更などを経て、 2004年遂に完成という紆余曲折の道のり――そして、〝知華〟を演 続きを読む