04年12月特集/ヴィタール
2004年 日本
監督 塚本晋也
脚本 塚本晋也
出演 浅野忠信
柄本奈美
KIKI
岸部一徳
串田和美
國村隼
木野花
利重剛
りりィ
原昇
康すおん
鈴木一功
川島宏知
中島陽典
村松利史
綾田俊樹 他
<< 作品概要 >>
幼い頃から親族からも両親からも「医者になる」と言われ続け、
本人もそのことに疑いを持たなかった医学生・博史(浅野忠信)。ある日、恋人の涼子(柄本奈美)
と同乗していた車に居眠り運転のトラックが突っ込み、涼子は死亡。博史は一命を取り留めるが、
すべての記憶を失ってしまう。病院を退院後、彼は再び医学部に入学、解剖実習の時期を迎える。しかし、
彼のもとに廻された献体の遺体は、死んだ涼子のものだった――。
2005/05/01/12:56 | トラックバック (0) | 中川泰典 ,ヴィタール ,今月の注目作
ヴィタール
(2004 / 日本 / 塚本晋也 ) 瞳に映える緑の木々が 膳場 岳人 塚本晋也監督と浅野忠信がタッグを組んで、世にも感動的な映画を作り上げた。この映画は人間の「生死」というものを、 真っ向から描こうとしている。それから「霊」なるものの重みを完全に把握している。何より、 誰かへの愛がすべての登場人物を突き動かす原動力となり、物語を起動させている。とにかく、世代、男女の隔てなく、 騙されたと思って劇場に駆けつけてほしい。何も感じなかったり、それほど心を動かされない人もいるかもしれないが、それでも「見てよかった」 と思えるだけの価値が、必ずどこかにあるはずだ。ともあれ、これは問答無用で必見の一本だ。 ※ 以下の文章はネタバレしているので、映画を見たあとに読むことをお勧めします。 死んだ恋人の遺体を解剖する男――。猟奇趣味的にも映る、そんな 続きを読む
2005/05/01/12:54 | トラックバック (0) | 膳場岳人 ,ヴィタール ,今月の注目作
ヴィタール
(2004 / 日本 / 塚本晋也 ) 鬼気迫る愛の詩 仙道 勇人 「肉体と記憶を巡る壮大な愛の物語」「主人公のモデルは、14世紀のイタリアの天才、 レオナルド・ダ・ヴィンチである」いずれも本作のキャッチコピーであるが、 どうしてこういう的外れなことを思いっ切り前面に押し出すのだろうか、作品を吟味してみてつらつらと思う。 作品を観てもらいたくないのかと疑いたくなるくらい、これらは本作のキャッチコピーとして相応しいものとは言い難い。勿論、 それが事実と違うと言いたいのではない。主人公の医学生は、実際にレオナルド・ダ・ヴィンチをモデルにしているのだろうし、 死者との交歓を神話的構造を用いて描いた本作は、「壮大」と称すだけの奥行きと深みを備えた作品たりえているのも確かだろう。しかし、 それを敢えて前面に押し出すべきことなのか。筆者はそうは思えな 続きを読む