インタビュー
尾関 玄監督/『ハルをさがして』

尾関 玄 (監督) 映画『ハルをさがして』について【5/6】

2016年8月6日(土)より、下北沢トリウッドにてロードショー

公式サイト 公式twitter 公式Facebook (取材:深谷直子)

『ハルをさがして』場面5 『ハルをさがして』場面6――ああ、そうでしたね。距離感もいろいろで、ひとりだけ離れてしまったり、みんなバラバラに疾走したりして、最後は4人で並んでどこまでも歩いていくという。ラストはいいシーンでしたね。カメラがどんどん上の方に昇っていって。

尾関 20メートルぐらいのハイライダー(高所作業車)を使っています。20メートルのハイライダーは当時福島にはなかったんですよね。

内藤 復興の作業に使われていて、工事関係の車両は福島県内になかったんです。茨城県から持ってきました。

――そうなんですか。震災の傷跡はまだまだ残っているんですね。でも1本道を見渡すあの映像は本当に素晴らしいものでした。私も福島出身なので見慣れたような風景ばかりなのですが、映像で見るとあらためて美しいなと思いましたし、こういうところを去らなければならないような人たちの気持ちを知ってほしいなと思いました。小野町の方のコメントが資料にたくさん載っていますが、映画を喜んでくださっているようですね。

尾関 そうですね。小野町の方は撮影にも協力してくださいましたし、作品が完成してからも小野町の主催で映画の上映会を開いてくださったりして、とても応援してくださっています。

――そうなんですね。私たちにとっても福島がどういう状況なのか分からないことが多いんですけど、小野町の中学生のコメントに「県外の人がモニタリングポストを知らないことに驚いた」というものがあって、それに本当に衝撃を受けました。それがあるのが普通のことという、本当に大変な思いをしているんだなとあらためて思い知りました。

内藤 そのコメントは小野町の中学校で上映会をしたときのものなんですが、震災当時小学生で、物心ついたときからモニタリングポストがあるから、全国にあるものだと思い込んでいるんですよ、その子たちは。それが東京にないということに逆に驚いているんですよね。本当に変なことになってしまっているんですよ。それだけ放射能も身近なものになってしまっていて。

――ああ、そうなんですか。ちょっとそれを聞いたらまだ私は分かっていなかったなと。読んだとき「鋭いな、大人びたことを書く子だな」と思っていた気がするんですけど、本当に純粋な驚きだったんですね。

内藤 そうなんです。モニタリングポストがない世界を知らないという。

――本当に福島県内と県外とでギャップは大きいですね。

尾関 小野町の人に言われたことで僕が印象に残っているのは、「福島県は大きいし今まで一枚岩ではなかったけれど、原発事故で放射能の問題が起こったことによってまとまらざるを得なくなった」というものですね。あと、今は福島も復興が進んできていますから、「安全になっています」と言う人もいれば、「福島は危ない、福島産のものは食べるのやめよう」と言う人もいて、その考え方は人それぞれなんですけど、そういう二つの意見が震災から5年経って一層両極端に振れてきてしまっているかな?ということを、上映を通じていろんな人と話をした中で感じましたね。

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ハルをさがして 2015 年/日本/HD/ステレオ/カラー/93分
出演:小柴大河 佐藤菜月 小泉凱 橋本一輝 / 洞口依子 小沢仁志
脚本・監督:尾関玄
企画・製作・配給・宣伝:ISHIO プロデューサー:内藤諭 撮影:栗田東治郎
録音・整音:小牧将人 編集:石川真吾 音楽監督:遠藤浩二
主題歌「呼んでくれ」甲本ヒロト
©2015 ISHIO
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2016年8月6日(土)より、下北沢トリウッドにてロードショー

2016/08/07/00:25 | BBS | トラックバック (0)
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